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【レポート】SLレインボーカップ MZシニア 開幕大会
12月に行われた最終戦から二ヶ月の短いオフシーズンが過ぎ、
令和6年2月18日、MZシニア2024シーズンが開幕した。
一発目となったSLレインボーカップでは、シリーズ戦での開催やグリップウエイトレシオの採用など、
「MZシニア」としてリニューアルを行い、新たな可能性を予感させる大会となった。
注目ポイント
グリップウエイトレシオ
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今シーズン注目ポイントとしては、琵琶湖・レインボーシリーズで採用されたグリップウエイトレシオである。
従来は最低重量を150kgに設定し、SLFDを指定タイヤとして車両規則が設定されていたが、MZカデットからステップアップしてきたドライバーや、重量増加によるメカニックの負担軽減等の背景により、グリップウエイトレシオが導入された。
新規格「グリップウエイトレシオ」
「LIGHT」と称して車両重量を135kgとし、指定タイヤをレンタルカートで使用されているDRK L1を新たに採用した。
勿論、従来の150kgxSL-FDタイヤのセット(通称:STANDARD)も選択可能であり、軽さを取るか、グリップ力が高いタイヤを取るかで陣営の判断が別れることになった。
また、今大会では昨年のMZカデット日本一である #4 水野佑哉(VehCOOL with HIGUCHI)、SL石野シリーズのチャンピオン #56 大井偉史(Vifonte with Ash)がこの「LIGHT」仕様を採用した。
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天候に振り回された開幕大会
ハーフウェット状態でプログラムスタート
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昨夜の雨が残り、公式練習時はハーフウェット状態からのスタートとなった。
その後路面は回復し、スーパーラップ方式のTTでは #47 小川智弘(RS VehCOOL)が42.297でトップタイムをマーク。2番手に #19 佐野匡佑(RS Yamamoto HiMA RACiNG)、3番手にLIGHT仕様の大井が滑り込み、L1タイヤでも充分に戦闘力があることを見せてくれた。
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予選ヒートでは、ポールからのスタートとなった小川が序盤からリードを広げ、そのまま逃げ切るかと思われたが、中盤から2番手佐野のペースが上がり、最後はテールトゥーノーズの大接戦になった。
しかしここは小川が押し切りトップでチェッカーを受けた。
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突如降った雨、第1戦は雨スリック決戦に
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直前に降り始めた雨により、ウェット路面で全車スリックタイヤでスタートした。
ポールスタートの小川がスタートを決めて、1コーナーで2番手佐野のインに3番手にLIGHT仕様の大井が飛び込み、2位に浮上する。
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その後も三台三つ巴状態、雨の中をスリックタイヤで走っているとは思えないほどの激しいバトルを繰り広げていた。
そして迎えたファイナルラップ、8コーナーの立ち上がりで首位に躍り出た小川。これで勝負が決まったと思ったが、10コーナーへのブレーキング勝負で僅かに開いたイン側に大井が飛び込み、逆転勝利を飾り第1戦を制した。
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第2戦は完全ウェットでの戦いへ。
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雨量が増え、スリックのままでは危険と判断され全車ウェットタイヤに交換。
ライツ規定の車はノーマルフィルターを装着し性能調整を行い、レースはスタートした。
スタート直後から激しい位置取り争いが繰り広げられ、集団をいち早く抜け出した大井が首位に浮上。
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2番手争いは #46 坪内君斗(RS VehCOOL with TTR)も加わり4台1パックの争いに。
レギュレーションで新品レインタイヤは使用禁止となっていることから、鮮度がいいタイヤを持ち込んだ佐野、水野、坪内は周回を重ねると共にペースを上げていく。
それに対して、用意したタイヤが多少古かったのであろう小川はペースを上げることができず、必死に防戦する構図が数周に渡って繰り広げられた。
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大井はペースの違いを見せつけ、2位と5秒近く差をつけ圧勝。2連勝と最高のシーズンスタートを決めた。噂によると2、3セッションしか使っていないタイヤを持ち込んだとか。
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2番手には、4台による集団戦を制した佐野。
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3番手には去年MZカデットで活躍し、今年からステップアップした水野が嬉しい表彰台を獲得した。
2つの仕様がトップ4を分け合う結果に
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「グリップウエイトレシオ」を初採用しての戦い
トップ4はSTANDARDとLIGHTが半々となる結果となり、双方の利点を活かした激しいバトルが繰り広げられた。
グリップか、軽さか、この勝負に今後も注目し、次回は上位集団以外のバトルやシニア規定・ライツ規定で判明したギャップについて掲載予定です。
今年も他にはない新たな戦いや、ドラマが生まれることを期待せずにはいられない。
写真:Nozaフォト