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賛否両論パルム・ドール受賞作『Anora』
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『アノラ』はショーン・ベイカー監督、マイキー・マディソン主演のドラマ映画です。 2024年のカンヌ映画祭でプレミア上映され、パルム・ドールを受賞、一躍話題の映画となりまして海外では2024年10月に公開済み。日本でもことし2月末に公開です。
ショーン・ベイカーさんはアメリカの映画監督で、移民やセックスワーカーなど、社会的に疎外された人々の生活を描いた独立系長編映画の監督としてよく知られています。 弁護士の父親を持つ脚本家としての顔もあり、社会から阻害された人たちを思いやりのある視点で描く、と評判ですが映像作家としても挑戦的で第5作目「タンジェリン」はiPhone5Sを3台使って製作して話題となりました。
個人的な感想は微妙
主演のマイキーマディソンは難しそうな役を完璧に熱演していますが、顔が三浦瑠麗みたいでダメでした。(というか、私の祖母(大変厳しい)が「洗い髪禁止」だったので、キモくて無理なんです。) たぶん職業的なことから?愚かさとか不潔感も適度にだしていてのスタイルでしょう、他の俳優も役作り完璧で映画全体にリアルさがありました。(が、それがまあまあエグいw)
セックスワーカーが主人公なので出だしから職場風景で始まり、途中からラストまでそーゆーシーンが入ってくる映画なのに140分もあり、ハマらない心理状態でみると最悪な映画かもしれません。
が、脇役のアニキたちが全員良い! スピルバーグ映画のように「基本でてくる人が根っこが善な人ばかり」という系のドラマなんですが、演技も素晴らしく。
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とくにロシア富裕ファミリーの子分役のユリィ・ボリソフが光っていました。彼が奮闘する「家宅侵入」でアノーラが反抗して大暴れする即興のようなシーンがありますが撮影は1週間もかかったそうで、緻密に計算して作られた映像だったことがわかります。
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細かいことですが、凄いと思ったのがユリィ扮する子分がiPhone6を使っているんです。一瞬ですが効果的に現れ、大富豪のために薄給で働く彼の人生が見えた気がする演出になっていて、感じるところがありました。
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ほかの子分役の俳優さんたちも、はじめはダメなチンピラなのが時間が経つにつれ次第に「ほんとうは良い人」な雰囲気になっていきます。
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アルメニア人パフォーマーによる素晴らしい成果として文化擁護賞を授与
めちゃめちゃ賛否両論のAnora
欧米の上映では、おそらく予習無しで入ったカップルやパルム・ドール受賞作だ!と芸術系ドラマ映画を期待した人などでしょう、退場続出したそうです。
ロシアとアルメニアの金持ち召使チンピラが脇役でずっとでているのでロシア系も「またか」ということで少なく見積もっても、おそらく全人類の半分くらいは🤮っていう映画かもしれません。(18🈲ですしね)
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なのですが、映画広告媒体では大絶賛(笑
もうこういうのは時代遅れだと思うのですが日本ではアリなのかなぁ。
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そして映画オタクなロッテン・トマトでは大絶賛
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予告動画も日本ではほとんど見られていないですし、広告屋の昭和な押しつけ盛り上げ、そろそろやめた方が良さそうです。
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