ベトナム支援5億円! 批判の勘違い
SNSなどで勘違いされている人が多いので一応。。。
能登に先によこせ!とか 「お菓子を自分にもくれ!」と騒ぐ子どものような生理反応ともいえる稚拙な動画などが拡散されていますが、全く見当違いです。
そもそも能登には6000億円以上が投入されていて、建物が放置されているのは地権者の問題のケースも多いそうで、見た目のインパクトで動画やSNSなどで画像を拡散して迷惑をされている話も出ています。
前提を知ろう
今回、台風YAGIで大きな被害が出たベトナム北部には日系企業の進出工場が集中しています。これらの企業が投資している額は千億単位で売上も相応のものであり、そのお金以上に生産される部品などが日本の産業を支えています。主にTVで凋落を騒ぐのは彼らが広告を取れなくなったからで新規顧客を増やさなかった後悔に過ぎません。実際には日本は今も産業国で競争が激しくなっているだけです。
《ベトナム北部に進出している主な日系企業》
パナソニック
キヤノン
トヨタ自動車
ホンダ技研工業
ヤマハ発動機
デンソー
富士ゼロックス
ブラザー
TOTO
住友金属
エースコック
京セラ
HOYA
ニトリ
日本ペイント
これらについて来ている裾野産業の工場もたくさんあるでしょう。
そして、そこで働く人の月給は4−5万円ほど。日本人で働かないで自宅にいる健常者は500万人とも言われていますが、ベトナムにその余裕はないから、皆さん掛け持ちであくせく働いているのが現実です。
それも、多くの場合はその工場の本国の人がやりたがらない面白くもないキツい仕事、日本人の生活を支える物を生産していることもあり、ようするに他国の繁栄のために工場で働いているわけです。
工場は地方にある
当然ですが工場はハノイなど都市部の真ん中にあるわけではなく、周辺の郊外や田舎の「産業がなく人を集めやすい」場所にありインフラが弱い地域でもあります。日本企業は「安く」人を使いたいので「安く集められる」場所に工場を作っています。その場所に治水やら頑丈なインフラがあるわけは当然ありませんし、働く人もカツカツでしょう。
工場が止まれば、給与も減り(日系だと7割とか保証するみたいですが)基本が安いので大変です。台風の影響で長く工場が止まれば離職は避けられず、転職したり最悪は地方にUターンしてしまっていなくなってしまいます。
もともと、すでに工場労働はベトナムでは不人気なので余計に大変な事態です。
5億円では全然足りない
実際の所、道路や電力の工事をすれば5億円では全く足りないでしょうし、働けない工場労働者の補助とかいろいろ考えたら気が遠くなるでしょう。
見えるところではYAGIの被害は2300億円と言われていますが、これらは積算が可能な部分だけでしょう。400人以上が亡くなられ今後の影響も含めると相当な額に上るのは確実と思います。
しかし、いっぽうで支援をするからなんとかこの地域を助けてください、お金もこのくらい追加で支援させてください、と言って無視するベトナムでもないでしょう。これまでも橋や空港、病院などを作るなど様々な実物支援を日本がしているベトナムでは「日本のおかげ」という雰囲気は少なからずあるのです。いずれにしても無いよりはずっとマシです。
一部の人は「企業優遇だ!」って、これにも反対するのでしょうが半導体がちょっと入ってこないだけでどれだけ生産が滞るかはコロナで経験したはずです。現代の生活は多くの産業が入り組んで実現されて豊かさを享受している現実も直視すべきと思います。
人道支援は迅速に行われたが。。。
日本と韓国は人道資源をすぐに発表しています。 特に日本は岸田政権下で単に額を提示するのではなく他の国際機関ともと強調して、現地に必要なもの・人材機材を届けると発表しています。
今回の5億円はそういったこととは別に発表されているので、間違いなくハノイを含む地方政府に道路や電気整備の正常化を促すものでしょう。
特に今回の台風では電力インフラが大きなダメージを受けて広域で停電が発生しました。
殆どはアフィリエイトなどで稼ぎたい層が煽っているだけと思いますが、そういうのを見て勘違いして政府の悪口で気分を良くするようなことは避けたいものです。
またこの支援に関して実現するまでには多くの人が関わり、それなりの骨を折って実現しているはずですし、このあとも様々な仕事が待っているのだと思います。メディアはそういう現実のところをもっと報道してほしい、と切に思いました。人や社会を強くするために、より質の高い報道をしてほしいです。
Win Win
山間部中心に土砂崩れなどの危険があり、2万人の子供・学生さんが自宅待機になるなど、生産現場から離れたところでも大変なをもいをしている人たちがいます。2万人ということは親御さんも2万人以上いるでしょう。その方たちは家を空けられないので仕事へ行けないというケースも出てきます。
日本企業の工場は巨大で、1拠点で何千人も雇っていることは珍しくありません。企業も大変ですが何万、何十万人もが仕事へ行けないとなれば、結果として様々な経済悪化がドミノのように拡散しますし、もちろん日本にも影響があるでしょう。
苦しい思いをしている人が助かるのがもちろん一番ですが、世界が支援して正常化したときに働く人々、学生さんとその家族が普通に生活できれば大きな富が生まれ日本も密接に関わっています。 通勤通学の足の8割はバイクなベトナムのバイクシェアの殆どはホンダとヤマハですし、車といえばトヨタ・三菱です。さらに海外へ旅行へ行きたい国の上位は常に日本なのですから。
各国からも続々と支援
ポスト・チャイナなベトナムなので各国が生産拠点を作るために進出しています。大きな道路、工場地帯は殆どがFDIによるものでベトナムは土地をやすい人とセットで貸して自国の発展を急いている大前提があります。
日本人も被災しています
ベトナムで希少なライチ蜂蜜を生産されいているあいりさん。(@LALA_LYCHEEE) 台風の被害でライチの木は6割が枯死、周りの農家も大変な状態で村の生活を守るために奔走されているそうです。もちろん今回の日本政府の支援からは遠い遠い事なのでクラファンで日本の取引先の方が応援を始めたようです。
もし蜂蜜にご興味がありましたら是非ご覧になっていただけると嬉しいです!
付録:支援の記事
以下は一部ですが、複数回にわたり多くの国が支援していますがこれらはすべてが短期的な人道目的だけではありません。また国だけではなく企業も個別に寄付をして台風YAGIの被害からの正常化を目指しているのが現状です。