ベトナム中北部ツーリング(3)アドベンチャー編
ツーリングもはや3日目、ゆるゆると帰路につくことにします。北のタイホア省・その先は人気の観光地ニンビンがありますがハノイ圏ですからベトナムの連休とぶつかって混雑しそうですし、その後の帰りを考えると体力が心配(笑
(↓前日のNOTEです)
Google mapsに相談すると現在地点から南下するコースはだいたい11~15時間ほどです。
まずはホーチミンルートのQL15で下っていくことにします。
(ホーチミンルートは決まった一本の道ではなくて、ベトナムラオスを跨ぐ、米軍の裏をかいて輸送するための網の目のようにあるルートみたいです)
さて、4時に起きて宿をチェックアウト。
ホテルのお母さんに別れをつけで出発です。
走っていると朝焼けになってきました。夜明け前の川の景色にウットリ。。。
実は、ここのエリアに泊まったのは理由がありまして、近くに有名な景勝地があるのです。まずはそこへ向かいます。
茶畑アイランド
じゃーーーん、段々畑の茶畑です。地図ではティーアイランドと命名されているようです。表紙の画像の場所で、エコツーリズムが盛んになってきているベトナムの観光ジャンルでもまだあまり有名になっていない穴場のような気がします。
絶景に1人満足するおっさん、太陽がギラギラしてきて我に返ります。
しかし予定通り、きれいな景色で1日をスタートできて満足!
ここからは山道が続くので安全運転かつ警察のお世話にならないように慎重に帰投することにします。
ゲアン省→クアンビン省→クアンチ省とまあまあ距離を走る予定です。どこかで水ボトルも買わないと。
ホンニャケバンの洞窟エリアへ
クアンビン省って何があるの?と言われたら「ホンニャケバン」「天国の洞窟」という人はけっこう多いんじゃないでしょうか。行ったことないですけど。。。ホーチミン・ルートもまさにこの洞窟岩石エリアを通っているようなので(少しでも涼しいことを期待しつつ)南下します。
朝は気持ちがいいッスー!
橋から下を見ると牛車。
その後も気持ち良い道が続きます
⚠️幹線道路が通行止め
茶畑からのごきげんな風景で気持ちの良いQL15線を走っていると、まさかの通行止め。。。横道にそれるようにガードマンに指示されて進むと、ほどなくダート路に(泣)
いや、アドベンチャーツーリングに来たわけではないのですが。。。これどうするの。(泣笑
精神的によくない系の細い道も。。。ダンプカーとか来たらゲームオーバーです
こんどは土質の硬いダートに。けっこう凸凹してて滑る滑る。タイヤはロード用なんです勘弁して下さい。
時々フィリピンみたいなコンクリ道路になります。砂利があると超滑る!ゆっくりいくよー
ここではコンクリ道路でオレンジ色になってて優秀なGoogleMap。こんな僻地なのにどうやってるのか。。。すごいなぁ。
農道的なところに出てハラハラが収まったところで水牛が居たので、久しぶりにカメラで撮影。先日、日本に帰ったときにゲットしたFZ1000M2の出番です。
同じ場所から3つの教会が見えました。思うに貧困地域はキリスト教教会が多い感じがします。以前にいったダクラクの寒村(気温は高い)もそうでした。
以前使っていたGalaxyS22は光学10倍ズームが付いていて迫力のある写真が取れましたがiPhoneは5倍ですし高温だとカメラが死んだり信頼性が低いので、この装備は今後頼りになりそうです。
普段はソニーαを使っているのですが高精細でハイテクな画像が撮れすごい反面、楽しさは減ったように思います。写真は見る人のキモチが埋めて完成するくらいの解像度、情報量のほうが良いのかもしれません。
幹線道路へ復帰
長く感じましたが時間にして1時間弱ほどでしょうか、なんとか脱出。
相当タイムロス&遠回りをしています…今日はどこまで行けるのだろうか。。。
やっと普通の道に戻れて一安心、するとBUNという文字が。。。朝ご飯にしますか。どうやら牛肉とカニのブン(そうめんみたいなの)のお店なようです。
で、出てきたのがこちら!
うっまーーー。🍜
地獄の脇道から復帰からのメシウマで2倍の幸福感が襲ってきました。
横にあった、このチリだくにんにく酢がめっちゃHITでした。
お茶ももらったんですけど、煮出したての香ばしい感じでうまかったです。ぐびぐび飲み続ける外人。
「今日も暑いよねぇ」っとお店の主人が凍った水ボトルをくれました。こんなのもらったら泣きます。ありがとうオヤジ!!
復活したので先を急ぎます😑
急ぐと行っても150ccバイクで下道なので平常運転。暑いし無理禁で進みます。
トボトボ走っていると、また違った雰囲気の場所に出ました。絶景すぎる。。。写真とらないと!
ここから再び山道になりワインディング天国に。
カーブが多いと余裕がないので写真はありません(笑
3日目の道路の総集編の動画で雰囲気だけ…
Eight Ladies Cave
今日のプチ目的地、ホーチミン路QL15から脇に道分岐した山の中にある洞窟へ。ホンニャケバンの巨大洞窟の近くに八女洞と呼ばれる洞窟があり、休憩を兼ねて立ち寄ってみました。
本命の巨大鍾乳洞の洞窟は家族とゆっくり来るべきレジャースポットなので今回はパス。地底とか高所が苦手なのもありますがw
八女洞についてはWikipediaにすら記事がないっぽいのですが地図にはランドマークが登録されていて、ベトナム語のサイトには
とあり、
逃げ込んだ洞窟が爆撃で崩落して閉じ込められてしまった、と。
彼らの遺体が発掘されたのはそれからしばらくたった1996年、ここを通る道路が再整備されたときだっと言います。それまでに何度か怪奇現象の話があり現地ではそれなりに有名な場所なようです。現在は慰霊碑やお寺の建設がされています。
お寺が併設されています。
お寺の中にはこのような表示が。
慰霊の場所とは別に100mくらいはたれたところに別棟がありました。学校の見学用などのために作られたでしょうか。
帰りの中継宿へ
ここでナビ用スマホが熱で動かなくなったのでベンチで冷やしつつ、iPhoneを充電してナビ業務交代の準備で15分ほど足止めに。ベトナム中北部の暑さはダナンより明らかに上で、おそらく中南部の地域より厳しい気が。。。山の中でもまあまあ暑くて驚きます。
すでに午後1時をまわりました。朝の脱線が響いてますがここからは立ち寄る場所の予定もないので、気が楽です。が、このままラオス側の山道を進むと暗くなってから数時間走っても宿に到達できない事が判明。
…今日はすでにハプニングあった事だし、無難に、おすすめルートのドンホイ側のQL15で南下、明日のルートのためにケサンのホテルへ向かうことにします。
途中、絶景な場所を見つけるも、今度は熱でドローンがダウン。。。その前にもSDカードを認識しなくなったり、カメラがブルブル震えて使えなくなったりと、猛暑で限界な様子。
コーナーを抜けたらそこに牛!こわっ!!
牛さん本体は極たまにですが、💩は多くて避けるのもけっこう重要なタスクになっています。
このドンホイ側へいく道は新しく整備されているようで気持ちの良い路面が続きました。砂があるので慎重に進みます。
どうやらこのあたり(ドンホイの近く?)は並走する高速道路をつくっているようです。南北を結ぶ高速道路はベトナムの悲願で日本も参加しています。 高速道路ができればゲアン、クアンビンなど経済開発が遅れた地域は特に活気が出そうです。
この道も十分気持ちよく走れましたけども、お店とか電波とかかなーり薄めでした。
フエから北のクアンチ〜ゲアンは驚くほど何もなく、ベトナムの中でも低所得なエリアな印象です。ちなみにゲアンのさらに北のタンホアは悪名高く、詐欺や犯罪者の出身地として差別・偏見がありベトナムで問題となっているそうで私も実際にベトナム人から中北部の人はナイフ出すから危険、という話を聞いています。 韓国の出稼ぎでも受け入れない指定地域となっている省のニュースもあり、急成長に取り残されたベトナム地域の現実を見た思いです。
とはいえ、道中で出会った人たちは皆さんとても親切で悪い印象は要素は1ミリも無かったですが。
お茶の時間
山道を抜けてやっと平地っぽいところに出たので休憩です。
15時を過ぎ今日もお昼は抜き。暑くて食欲もないですし。
そしてここでもココナツウォーターに助けられます。なんか毎日飲んでる🥥w
熱暴走したSmini君は復活しましたが電池がありません。今朝は朝早かったし、仕方ないです。
それにしても体が乾いているのか、ダナンで飲むのと比較にならないくらいココナツウォーターがうんっまい!
なにもない地域って書いたけど、ココナッツはあるしチェーはあるし米は2毛作当たり前で農産物はわんさか一年中収穫あって、やっぱり食べ物あるのは強いよなぁ、とか思ってしまいますね。
ケサンのホテルへ
ケサンへ向かう道はツアーなどでもおなじみな名所があり、有名なQL9(これもホーチミン路と表示されていました)を西にすすみます。PCXで1年半くらい前に来たけど、なぜかずっと前に来たような感じがします。
ロックパイル
ロックパイルの頂上には前哨基地としてヘリポートまであったそうで、この先にあったケサン空軍基地を見渡せる位置で、戦争中は米海兵隊が周辺高地に多数駐屯していたそうです。
この9号線は渓谷に沿っていて、ロックパイルだけでなく景色が非常に美しい路線となっています。
937高地の攻防を描いた映画「ハンバーガーヒル」の序盤でも河原の近くで部隊がリラックスしているシーンがあります。ロックパイルはその地の利の堅牢さから最も兵士の生存率の高い配置場所とされていたそうで、映画の場所はこのあたりをイメージしていたのかも?と思いを巡らせました。
日が傾いてきたので渓谷の景色もいい感じです。
この街道の周辺は中流層かな?という立派&美しく花で飾られた家もよく見られ、現在のベトナムが豊かで本来あるべき状態になって来ているのを見ることができます。
GoProが傾いてしまっていてうまく取れていませんでしたが、数百メートルにわたり両側がお花で一杯の家が立ち並ぶエリアです。
そして再び田舎なワインディングと直線の繰り返しキター!ベトナムツーリングの魅力はこの道ですね☺️
余談:ベトナムの物価と世界情勢
今日最後の給油は3.25Lで400円ほど。タップタプまで入れてくれました。
超円安時代なので以前のように日本の1/5 とか激安ではありませんが、それでも平均すると1/2 とか1/3のものは多いです。例外もあって、例えばガソリン。
ベトナムのガソリン価格はハオオクに相当するタイプで現在21700ドン/L (約130円)ほど。日本のガソリン税は53.8円ですから税金考えると本体価格は同じくらいと言えます。あまり知られていませんがベトナムは産油国で埋蔵量は最下位クラス、国内需要の3割ほどを支えているそうです。海底油田から掘削していますがロシアの企業と行っていて戦争で調査採掘が進んでいないのかベトナムの埋蔵量は減るばかりなようです。
やっぱり共産国だからロシアと?!っていう感じもしてしまいますが、一歩日本から外に出るとG7とその関係国が実は世界の少数派なことに気が付きます。わかりやすいところで言うとロシア制裁。
これだけではなくG7のグループはかつての植民地の支配国連合、ASEANなど支配されていた地域からは(まぁ世界のほとんどがそうですが)一定の警戒をされているのだろうな、というのをニュースなどからも感じます。また、日本の情報は冷戦時代の認識のままツギハギに調子を合わせているので海外に来ると「なんかちがう」っていう違和感がたくさんありました。
物価に話を戻すと、水のお値段は小さいペットボトルで30円前後、2Lのものでも60円くらいから。ベトナムは価格が自由なのでコンビニ・量販店などでは倍くらいの値段の場合もあります。缶ビールは100円弱からありますが牛乳は1Lで250〜300円なので物価については単純でないところがあります。
ホテルへ到着!
そんなこんなで明るいうちにホテルへ到着。周りにはホボなにもお店がありませんが、良いところです。
この宿は素泊まり320kドン(約2000円)。勝手に2ベッドの広い部屋にアップグレードされていました。ありがとうございます。
早朝から400km以上の走行で悪路もあり、宿について一安心。
だいぶ疲れが溜まってきましたが、この宿はバスタブがあるので回復できそうです。
そしてこの日はおそらく自己最長の🚦信号なし記録が!
じつは宿から300km以上も信号が無かったのです。すごいよベトナム(笑
ホテルの周辺はお店もなく、今日の〆はホテルの1Fにある軽食サービスでチャーハンを頼み、ホテルの反対側のカフェ(ホテル系列店)で缶ビールを買ってGoalとなりました。
3日目のお会計
- 朝ごはん水x2 50k
- ガソリン70k、 50k、 70k
- ホテル 320k
- 水とビールx2 40k
- 夜ご飯 50K
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合計:650kドン (3820円)