時代はインドネシアらしい話
海外ニュースが伝える所によると、過去3年でEVへの急激なシフトが起き(たぶんそれはテスラのせい)、インドネシアは、ヒュンダイ、LG、フォックスコンなどのグローバル メーカーと、バッテリー材料および電気自動車の生産に関して150億ドル/12 以上の契約を結んだそうです。
これは逼迫する電池需要を背景に、電池の原材料資源を持つインドネシアが資源の権利と引き換えに自動車工場設立など「投資」をせまっているためのようです。
面白い記事が有ったのでインドネシアについて軽くまとめてみました。
インドネシアに投資せよ
記事によると、大きな取引では下記のようにたくさんありますが、日系やテスラの話はありません。 電池資源がほしければ投資してね?という国策が打ち出され各国各社が対応した結果のうようです。
2020 年 12 月: BASF と Eramet は、EV バッテリー材料を生産する高圧酸浸出 (HPAL) プラントと卑金属精製所 (BMR) を含む、ニッケルとコバルトの湿式冶金精錬複合施設の開発を評価するための共同契約に署名。 最終的な投資決定は 2023 年に行われる可能性
2020年12月: インドネシアの投資省は、総投資額98億ドルの統合EVバッテリー投資に関する LG Energy Solution との MOU に署名
2021年 3月: インドネシアは、国営企業の合弁会社であるインドネシア バッテリー コーポレーション (IBC) を設立し、EV バッテリー サプライ チェーンの開発において外国投資家と協力
2021年 9月: 韓国の LG エナジーと現代自動車グループは、EV 用バッテリーを製造するための 11 億ドルのバッテリー セル工場の建設を開始しました。これは、統合 EV バッテリー施設を開発するための 98 億ドルの契約の第 1 段階
2022年1月: インドネシアの投資省は、フォックスコン (2317.TW)、Gogoro Inc、IBC、Indika Energy との間で、電気自動車とバッテリー開発への投資に関する MoUに署名
2022年 2月: Zhejiang Huayou Cobalt、Tsingshan Holding Group、および China Molybdenum Co の合弁会社が、インドネシアのスラウェシ島で最大のニッケル処理ハブである Morowali から中国へのニッケル混合水酸化物沈殿物の最初の出荷予定
2022年 3月: ヒュンダイはインドネシアに工場を立ち上げ、東南アジアで初めてバッテリー駆動の電気自動車を生産
2022年 4月: IBC と国営鉱業会社 Aneka Tambang は、子会社の Ningbo Contemporary Brunp Lygent Co (CBL) を通じて、中国最大のバッテリー メーカー CATL Group と枠組み協定を結び、ニッケルの採掘と処理から EV バッテリーの製造とバッテリーのリサイクルに至るまでのパートナーシップを締結
2022年 6月: 韓国の LG Energy は、中部ジャワのバタンで、年間 150,000 トンの硫酸ニッケルを生産する能力を持つ 35 億ドルの製錬所を着工します。また、バタン公園に 24 億ドルの工場を建設し、年間 22 万トンの前駆体と 4 万 2,000 トンのカソードを生産する予定
2022年 7月: Vale Indonesia と中国の Zhejiang Huayou Cobalt は、米国の自動車メーカー Ford Motor と、南東スラウェシに 120,000 トンの混合水酸化物沈殿物 (MHP) プラントを建設する契約を締結
2022年 8月:インドネシアで電気自動車の Wuling Air の生産を開始。これは、SAIC Motor Corp Ltd、General Motors Co、Wuling Motors の合弁事業の一部である SGMW Motor Indonesia によって建設
2022年 9月: Vale Indonesia は Zhejiang Huayou と、60,000 トンの生産能力を持つニッケル MHP を生産する 2 番目の工場を建設する契約を締結
2022年 11月: Vale と Zhejiang Huayou が南東スラウェシで 120,000 トンの MHP 施設の建設を開始。
2023年 1月: インドネシアのアネカ タンバンと、中国の CBL の子会社である香港 CBL リミテッドが、北マルクの東ハルマヘラにあるアンタムのニッケル鉱山の部分的所有権に関する条件付き株式購入契約に署名
テスラもインドネシア生産へ?
そんな中、先日インドネシアのジョコウィ大統領が「自信を持って」テスラがインドネシアに投資する」とコメント。
先月の時点ではイーロン・マスク氏は「匿名情報でしょ?」ととぼけるコメントを出していますが、ウィドト大統領が急かした形でしょうか。
多くのプレーヤーが殺到すれば、投資額やそこで雇われる人の価格も釣り上がざるを得ないので今がチャンスということなのでしょう。
日本は案件消失。。。
2021年4月25日に住友金属鉱山(以下、住友鉱山)インドネシアの中部にあるスラウェシ島ポマラ地区で計画していたニッケル製錬所建設(ポマラプロジェクト)の事業化検討の中止を発表しました。
事業化調査に10年近い歳月を費やし2020年代後半には年間4万トンのニッケル原料の生産が始まるはずでした。
中止のわずか数日後の28日に住友鉱山のパートナーだったPTヴァーレ・インドネシア(PTVI)が、中国の非鉄企業・華友コバルト業(本社:浙江省)と基本契約を結んだと発表。おいしいところを全て盛っていかれた形でしょうか。
⇓経緯はこの記事に詳しくあります。日本企業はゆっくりであること、相手側の事情より自社の社内事情を優先するために競争で負けるいつものパターンのように見えます。
中国は生産を開始
2021年12月、中国の Zhejiang Huayou Cobalt は水曜日、電気自動車 (EV) の製造に使用するコバルトとニッケルを生産する製錬合弁会社がインドネシアで最初の試験生産を達成したと発表。
スラウェシ島にある PT Huayue は、金属含有量ベースで、高圧酸浸出 (HPAL) 技術を使用して年間 60,000 トンのニッケルと 7,800 トンのコバルトを生産するように設計されています
インドネシアもプレーヤーになる野望
ただ投資を呼び込むだけでなく、インドネシアによる開発生産も視野にあるようで、2021年の報道では
と報道されています。 過去に日本や中国が行った技術移転から自分のものにしてガッハッハ、をベトナムやインドネシアが今まさに行っています。
インドネシアの野望は続く
こちらは1月26日の記事で、インドネシアは資源の禁輸措置を進めています。
ボーキサイトに関しては禁輸をしても国内に十分な技術や資本がなく、海外の反発も大きい一方シェアは小さい事から見通しは不透明ということですが。。。
インドネシアは大国なんですね
正式名称は Republik Indonesia (インドネシア語: レプブリク・インドネシア)、略称は RI(インドネシア語: エール・イー)。
公式の英語表記はRepublic of Indonesia、略称は Indonesia ([ˌɪndoʊˈniːziə] または [ˌɪndəˈniːʒə])。 日本語表記はインドネシア共和国 (wikipedia)
人口は世界4位の2億7000万人でムスリム人口では世界最大。多くの島々からなる広大な国土と資源。大国なんですね。
人が足りない!背に腹は変えられない日本はベトナムのニュースが多いですが世界的にはインドネシアが断然来ているようです。
歴史は悲惨で、建国はつい最近。
16世紀にオランダの東インド会社の支配による過酷な植民地時代のあとオランダはドイツに降伏・占領されても支配。
その後開戦した日本軍が4年間統治。スカルノさんを担いで占領政策をしましたが、台湾と同じく学校を作りエリート養成をしたことで、日本降伏後にそのままスカルノさんが権力の座に付きました。
戦争でボロボロなヨーロッパ諸国、アジア支配の回復を諦めたはずのオランダが攻撃を開始、独立戦争が勃発。スカルノさん他トップは捕まり幽閉されてしまいます。
国際世論の反発で攻撃は中止され、1949年12月ハーグ協定の締結によってオランダはインドネシアを放棄し独立となった経緯があるそうです。
ベトナムで見るニュースにはASEAN各国がそれぞれ事情はありつつも、仲良く団結している様子が伺えます。最近ですとウクライナ紛争で経済封鎖をしたいアメリカがASEAN首脳会議をホワイトハウスで主催。(意味不明ですが。。)
しかし、ASEANはのらりくらりと経済封鎖に参加せずホワイトハウス主催にしてあげたんだから、と投資の約束などを各国が貰って帰国。(笑
ASEAN各国としては数百年支配と奪略をしてきたG7諸国に反対勢力のロシア中国を避難しろ、と言われても。。。というところでしょうか。
アジアの投資は中国や韓国が盛んでもありますし。