[海外記事] なぜ女性はAIを使わない?
先月のことですがThe Economist から面白い記事？が出ています。
「最近の 2 つの調査によると、同じ仕事に就いていた場合や同じテーマを読んでいた場合でも、女性は男性よりも ChatGPT を16 ～ 20 パーセントポイント使用率が低い。」
実はうちの奥さん（教育関連）が仕事でChatGPTに沢山お世話になって仕事がかなり楽になったという話を聞いたばかりだったのでアレなのですが、記事によると、
すべての職業において、女性は同じ業界で働く男性よりもChatGPTを使用する可能性が低い
女性教師のうち仕事でChat GPTを使用しているのは3分の1に対し、男性は50%
ソフトウェア開発者では男性のほぼ3分の2がChat GPTを使用し、女性は半数以下
記事では、女性がテクノロジーを利用する自信がないからでトレーニングが必要、としています。
他の研究では成績優秀な女性はAIを使いたがらないという傾向が出ているそうで、理由は「自分でやらなければならない、ズルをしたり近道をしたりしてはいけない」という心理ではないかと分析。
今後の懸念
多くの男性が女性よりAIを使うことで、AIの主なユーザーである男性にアピールするように設計され、長期的には女性が締め出される可能性がある、とマッキンゼーの研究員が懸念を表明しています。 女性が少なすぎて一部の人が興味があっても…というのは世の中に結構あるでしょうから、企業の方針としては無いとは言い切れないでしょう。
自分ではしょっちゅうChatGPTを利用していますが、API（プログラムから呼び出して使う方法）が使える以上、２４時間動くサーバーが使うIT系の利用ボリューム（課金）が多くなり、IT、の裏方は男性が圧倒的に多い界隈なので当面はこのバランスは変わらないと考えています。
経済誌の記事なのでマイノリティー利用者になると恩恵を受けにくくなるサイクルが形作られ、利用しない人が傾向が高まると今後のAIトレンドによっては損、ということでしょう。
こちらの世界経済フォーラムの関連記事では「組織内の上級管理職に女性があまりいないという事実はすでに嘆かわしいことですが、この現象は科学、技術、工学、数学の分野、そして結果的にAIの分野でさらに顕著であるようです。」としたうえで、
今後数年間で生成型 AI の影響を最も受けるのは女性の仕事です。これらの分野で女性が活躍する方法を見つければ、女性にとって最高のキャリア チャンスが生まれます。
…
男性中心の組織に女性がもたらす補完的な視点とビジョンのおかげで、女性はこれらの新しいテクノロジーをより包括的なものにするための変革の担い手になることができます
と、チャンスでもあるという見方を提案しています。
辛辣な意見も
大騒ぎしているだけで、実際の仕事では「玩具のようだ」という評価もあり、「高業績の女性は単に気を散らすものを避けるのが上手なだけ」と厳しい意見もあるようです。
たしかに最近はブームが一服し、女性の画像ばかりな生成AIが「男子のおもちゃ」に見えている人は少なくないでしょう。
他の記事でも、そんな雰囲気を代弁するものが増えてきているように思います。
おそらく、女性の方が男性より現実主義で、仕事を仕事として冷静に見ているからAI利用が少ない、もしくは使っていても大げさに騒がない、というのが実際のところなのかもしれません。
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