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Phở 商標権の仁義なき争い

ベトナムの麺料理Pho(フォー)の有名店といえば、日本にも進出している Pho THIN を思い浮かべる人は多いでしょう。 通常のフォーより少しお高いですが、濃いめのスープにネギだくな、ちょっとガッツリ系のフォーを食べにハノイやダナンのお店で楽しんだ方も割と多くいらっしゃるかと思います。

こんなロゴのお店

ベトナム料理は量がやすいですが量が少ないお店が多い中、こちらはオプションも選べてボリューミー。

生卵は苦手なので入れない派。海外だとダメ絶対サルモネラ

そんなPho THINのフランチャイズ店との商標問題が表面化して話題となったのは2023年初め頃でした。

オーナーのシンさんが語ったところによると、

「私は、ハノイのLo Duc Street 13にあるPho Thinブランドの唯一のオーナー、Nguyen Trong Thinです。 Pho Thin 13 Lo Duc ブランドに関する多くの矛盾した誤った情報に直面して、皆さんがこの物語をより深く見ることができるように、私は声を上げる必要があると感じています」

オーナーシェルのシンさん

氏によると問題は、フランチャイズを許可したドアン・ハイ・チュンなる人物とその母親が、シンさんと共同名義でフォー・シン・ハノイ株式会社を設立し、無許可で2021年半ばから現在に至るまで、ドアン・ハイ・チュン氏がシン氏の同意なしにフランチャイズをパートナーに販売し続けた、というもの。商標権を取られたりのおまけ付きでかなり揉めているようですが、記事を読むとベトナム政府の処理もそこそこ怪しそうです。

この問題、なかなかややこしく、そもそも Pho THIN という看板を掲げるお店がハノイに沢山出来てしまい、ニセモノ?店だらけになっているという話が、この記事にもありました。

https://www.vietnam.vn/ja/pho-thin-moc-khap-ha-noi-thuc-khach-hoang-mang-that-gia-bat-phan/

ハノイで Google で「Pho Thin Lo Duc」を検索すると、地区に点在するさまざまな「Thin Lo Duc」という名前の店のリストが表示されます。 これらのフォー レストランのほとんどは、オンライン コミュニティから 4 つ星から 4,5 つ星と評価されています。 しかし、どの住所が 13 Lo Duc のフォー シンの味を実際に伝えているのかわからないため、選択するのは困難です。

※あくまでも店主側の意見です。

ベトナムに限りませんが、海外だと割とみんな軽々しく嘘をついたり認知が適当だったりするので、実際のところは、両側の人の話を聞かないとわからないなと感じています。自分の都合の良い事実に変化してしまうというか…ちょっと不思議ですが,あるあるです😅
フランチャイズのアイディアを持ってきた若いやり手負けたのアイディアをネコババした可能性もなきにしもあらずなので、この辺は話半分で読んでいただければと思います。


どの店が本物なのか?

本店?はお店の名前のままの住所 13 Lo Duc ハイバーチュン ハノイにあるようです。

13 P. Lò Đúc, Ngô Thì Nhậm, Hai Bà Trưng, Hà Nội, Việt Nam

記事によると、他にもフランチャイズで沢山のお店があるようで、ソコソコ本物店があることがわかりました。ちなみにダナンにも同じ看板を掲げる店が知るだけで三店舗あります。(無くなったり移転が多いベトナムなので増減してるかも))

グエン・チョン・シン氏は、現在までにこのブランドチェーンには24のフランチャイズ店があると語った。 内訳はハノイに13施設、フンイエンに12施設、クアンナムに1施設、ダナンに1施設、ハイフォンに2施設、クアンガイに1施設、バリア・ブンタウに1施設、ホーチミン市と、日本、インドネシア、米国、オーストラリアの「Pho Thin 1 Lo Duc」という名前の外国の4つの施設。 他の「フォーシン」店は訓練を受けておらず、同氏も同行していない。

日本のPho Thinは本物だったようです。良かった。

味が濃いので余り好きじゃないんですが、好みは人それぞれなので

知財権利の知識が問題

法治がゆるく知識難もある共産圏あるあるの知財権問題がPhoのお店の名前で噴出した形ですが、ベトナムでは(外圧もあり)繰り返し報道されていますがいっこうに収まる気配がありません。

有名なのはホーチミン市のサイゴンスクエアのコピー品ショップ街や、ダナンのハンマーケットの横の韓国系コピー洋品店街、そしてマーケットに山積みのテキトーC級コピーなブランド用品たち。。。

こちらの動画はサイゴンマーケットの様子を実況してくれています。

普通で買うと…ですがもちろん安いですし、半値ぐらいに値切ってもまだ甘い、みたいな世界らしいです。

ベトナムと言えばノースフェイスのパチモノジャケット&バッグですね

こちらは100k (10万ドン、600円くらい)って書いてあります。

もともと粗悪なコピー品が大量に中国から入ってきて、そもそもブランド名もロゴもしらないベトナムの人たちが長年LVマークなどがある製品を消費してきた過去もあり、「何が問題なの?」っていうのは人々の意識に広くあさ〜く広がっていそうな気もします。

一応取り締まりも。

こんな取り締まりの記事も時々みますが、市井の生活には全く影響なさそうです。

市場運営開始から最初の2か月間で、全国の市場管理当局は偽ブランド品を含む規制に違反する金取引業者を多数発見した。
模倣品や知的財産権を侵害する商品の問題は、消費者だけでなく企業にも大きな影響を与えています。


On のクラウドモンスターのコピー?も4000円ほどで通販で普通に売られていたりします。日本で買うと2万円くらいなので目を疑う金額です。

実は盗品であることも

売られているのが粗悪なコピー品だけなら、まあ別もんだし、、、っていうことで相手にしなければ良いだけ、って来もしますがそうでもないのがベトナムのヤバいところです。

縫製や靴製造の工場がたくさんあるベトナムですが工場から盗み出して転売していた職員が4名逮捕、という事件の記事です。こういうのも定期的に報道されますが、氷山の一角でしか無いのだと思います。

ベトナムのホーチミン市にあるフリートレンド・インダストリアルVN社の工場労働者4人が、ナイキのスニーカーを盗んで転売した疑いで逮捕されたという。摘発は契約製造業者のファン・コン・ティンが10足のスニーカーを持ち去ろうとしたところを捕まったことから始まり、最終的にはグエン・ティ・ディウ、トラン・ティ・ラン、グエン・ホアン・ダットの逮捕につながった。

この記事はガチでコピー品を製造してたのを摘発している記事です。

大量の労働者を使う業種なのですが、昨年は不況で6000人を解雇のニュースも。業界全体として万人単位で解雇となり、その後雇い直そうにも田舎に帰っていたり、首にされる不安定でつまらない職は嫌だ、ということで募集しても人が集まらないそうです。現在、特に南部では工場で人材難が問題となっています。


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