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『シンゴジラ』を見て
今日遅ればせながら『シンゴジラ』を見ました。2016年に公開したやつですね。まず始めに正直に言うと役者の演技や役回りといった部分で特別面白いとは思わなかったな、というのが正直な感想です。
これは邦画の多くで個人的に感じることではあるのですが役者の演技に心を持っていかれる、感情を動かさることがない。多くの作品は役者ではなく監督や原作が大事なんだということを思うばかりです。これは個人的な感覚であって別に邦画を全否定しているとかではありません。
好きな邦画もたくさんあります。ただ感覚的に日本語を理解できてしまうということが原因なのかもなと思うことが多々あります。いっているこたや状況が簡単に理解できてしまうそれが個人的には退屈なのかもしれないなと。
ただ、ストーリー構成はすごく良かったというか、今現在、コロナウイルスの世界的な蔓延による惨事、それによる日本政府の対応を感じさせる演出を2016年映画公開時点で表現しているということは素晴らしいことだと言うべきなのか、進歩がないと言うべきなのか。一番印象に残ったのはゴジラが出てきて最初にミサイルを発射するかしないかの連絡を何人にも伝えでなんなら同じ部屋にいるのにわざわざ中継を挟んで状況伝達とそのレスポンスをしていたところでしょうか。まさに役職を立てると言ったらいいのかこの緊急時にどうしてそんな多王しか取れないんだと。以前知人がゴジラはただの「人間対怪物」映画ではないと言っていたのを思い出しました。
日本は世界中が認める災害の多い国でしょう。地震、それに伴う津波、台風、火山。そのような国で生きる上で政府がどのような対応をするのかというのは一国民にとって本当に大事な問題です。自分がカナダに留学に行った時にも現地の人や他国からの留学生に「日本は素晴らしい国だとは思うんだけど、どうしてあんな災害が多い国に住むのか理解ができない」と言われました。その中で近年の災害に対する政府の対応を見れば確かにと思う人は多いのではないかと。
実際にそれに対しては自分も以前から思うところがありました。まさにこれを見て思ったのは予想していなかった災害と対応。たくさんの人が見ている映画ですのでそれぞれの考え感想があって当然ですが、自分はそれをいちばんに感じ、それと同時にこの体制は何年か経てば変わるものなのかな。とも思いました。
日本には階級制度は存在しないんだけどそれに近いものは存在する。明確に誰かが言及しない分それは他より厄介だ。と、そんな意見もあります。まさにゴジラが出てからの初期対応はその習慣に習い本来最優先でしなければいけないことすら満足にできない状態を表現していたのではないでしょうか。
今回たまたま安宅和人さん著書『シン・ニホン』を読んでいてその中に『シンゴジラ』で出てくるセリフ「この国はスクラップ&ビルドでのし上がってきた。今度も立ち上がれる」という内閣官房長官代理のセリフが引用されており、そう思えば「見よう見ようと思ったのはいいが見ていなかったな〜」と思い立って見るに至ったのだがこのタイミングでこの映画を見たのは何かしら意味があったのではないかとか勝手に思っている次第である。
『シンゴジラ』アマゾンプライム会員は現在無料で見れるみたいなのでまだ見ていない方、時間があれば是非見てみてくださいな。