ティール組織の考え方で運用される組織において、あらゆる"不満"は自分で解消でき得る。

2019年6月。私の働く FREEPLUS はティール組織の考え方を取り入れた運用をするようになった。その経緯や考えは当社創業者がインタビューされている Youtube をみてほしい。ヒエラルキーは全撤廃。稟議もゼロに。取締役会決議事項を残し、ほぼ全ての意思決定を助言プロセスを経た上で、メンバー1人1人ができるようになったのだ。また2010年から掲げてきた理念、「世界でもっとも素敵なメンバーが、世界中の素敵なお客様に、人生に残る思い出をプレゼントする」これは基幹事業である訪日旅行事業の理念とし、上位概念の "存在目的" を新たに据えた。これだけの変化があり、あっという間に、10ヶ月が経過しようとしている。最近、チラッと元本部長だったメンバーとも話したのだが、もはや上司や稟議という響きすら懐かしい。

この大きな変化の中でも明確に実体験を伴って学びとなったのは、「ティール組織の概念の元に、あらゆる "不満" は自分で解消でき得る」ということだ。

この学びをシェアする前提として、まずはティール組織のブレイクスルーの1つ、自主経営の考え方を書いておきたい。何かというと自主経営=メンバーは管理したり監視しなければならない子供ではなく、1人の大人であるという考え方があるということだ。その結果、1人1人のメンバーがあらゆる意思決定権限を持つ。当社 FREEPLUS の場合、出退社時間は自由(現在のところ下限も設けていない。上限は労働基準法に準ずる。)勤務地も自分で決定。お給料すらも自分で決めている。※ただし、自己のエゴではなく、FREEPLUS にとって効果的かどうかで意思決定することが求められる。

こんな環境で、2019年6月以降、拠点をアメリカに移して働くメンバーもいれば、自宅勤務を中心に活躍するメンバーもいるし、お給料については3ヶ月に1度の "報酬申告" のタイミングでチームで集まり、チームの業績を振り返ってから申告に入るところもある。業務での意思決定も同様だ。

逆にヒエラルキー型の組織で考えてみよう。フレックスタイム制度やリモートワークも取り入れる会社も増えてきている印象はあるが、意思決定は稟議や上司へのお伺いが基本だ。わかりやすい例でいうなら、営業担当の値決め1つをとっても、一営業担当が値引きを決定することは不可。(ある一定の条件で裁量権を持つ企業は考慮しない)上にお伺いを立てて、やっと値引きが決まった頃には、競合企業に先を越されていた、なんてこともありえる。そうなった時に出てくるのは、「上司の判断がもっと早かったら」「自分にも裁量権があったら」「競合の会社のようにスピード感があったなら」そんな不満ではないだろうか。

ティール組織ならどうか?ズバリ、ヒエラルキー型の組織で出てくるような不満を募らせる可能性はほぼない。なぜか?それは、自分で決められるからだ。先程の営業担当の値決めで考えてみよう。クライアントとの打ち合わせで"値引きしてくれたら大型案件を発注しよう"、と言われ、それが会社にとって効果的と判断するならば、意思決定することだって可能だ。つまり、日常におけるあらゆる事象を自分のコントロール下におけるということもできる。意思決定したい事象について、周りのメンバーに助言を求めて「NO!やめた方がいい!なぜならば〜」を聞いて思い直すこともあるだろうが、最後に意思決定するのは自分だ。だから助言を経て、やはり意思決定をストップしたとしても、その意思決定をしたのは紛れもない "自分" であり、その意思決定を行動に起こすスピードについても自分で決めることができる。その意味で、不満を募らせる余地がないのと、私は思っている。もしそれでも不満で愚痴が口をついて出るようなら、自分のアクションを見直した方がいい。同じプロジェクトに携わるメンバーのスピードが遅くて結果が出ないならばメンバーチェンジもあり得るだろう。

そんなこんなで、ティール組織の考え方を取り入れて運用する当社のように取締役会決議事項以外の全てのコントロールレバーを握ることができる環境では、あらゆる "不満" は自分で解消できる得るのだ。(もしできないなら周りのメンバーを巻き込み、解決するのもあなたのアクション=意思決定である)



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ミヤザワ サオリ|世界線株式会社
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