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正社員約100名のティール組織がガチスクラム採用に取り組んだら...?

こんにちは😊
大阪にあるティール組織、FREEPLUS の宮澤です。この度は、HERP 宮田さんにお声がけいただき スクラム採用 Advent Calendar 2019 に参加しています!ぜひ他の方の記事もご覧ください。

スクラム採用は 2019年HR界のパワーワードの1つではないでしょうか。
当社 FREEPLUS も、スクラム採用に取り組んでいる企業の1つです。本日は当社の状況と、スクラム採用導入にあたりぶつかった壁を経験シェア的に書かせていただきます。

1. FREEPLUS ってどんな会社?

FREEPLUS を知らない方のために、まずは紹介から。
私たちは、創業13年。大阪にあるベンチャー企業で、メンバーは総勢約250名。正社員は約100名になります。訪日(インバウンド)関連事業を行っていることもあり、正社員は12カ国のメンバーで構成されています。

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2. なぜスクラム採用に取り組むの?

そんな私たちの今年の HOT TOPIC🔥 は何と言っても、6月にティール組織になったこと。(正社員100名規模でティール組織に取り組む企業は、なかなか無いのではないでしょうか)

ティール組織 著者、フレデリック・ラルー氏が定義する"ティール組織のブレイクスルー" の1つに 【自主経営】と言う考え方があります。

自主経営を極限までシンプルに説明するために、
FREEPLUS の取り組みをシェアすると...

FREEPLUS には
① 上下関係がありません。上司0人。
② 1人1人が意思決定権限を持ちます。
③ 意思決定に必要な情報は、全てのメンバーにオープンにされます。
(財務情報もフルオープン!)

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つまり、採用に関してはもちろんのこと、経費の使い方から日々のアクションまで、全て全メンバーが「FREEPLUS にとって何が一番効果的なアクションなのか?」を考えて、意思決定していく、それが私たちの取り組んでいる自主経営(ティール組織)なのです。

では、元々どうやって採用活動をしていたのか?

シンプルに「社長頼み」でした。

特に面接においては、全ての正社員採用の意思決定は社長。現場のメンバーは採用が決まって初めて、その人にお会いする。と言う感じでした。

この考えが改まったきっかけは、昨年。

「組織規模が大きくなるに従い、現場で必要な人と社長の採用する人の解離が生じているのではないか」

→ 一緒に働くメンバーは、一緒に働くメンバーが探す。それが一番良いのでは? → 権限移譲へ。

「僕も採用で数多くの試行錯誤を繰り返して、FREEPLUS に必要な人材を考えてきた。現場のメンバーにも、どんな人が FREEPLUS にとって効果的なのか考えてほしい」

→ 自ら採用に動いてわかることがある。権限移譲することで、メンバーを育てることにつなげたい。

これが社長の考えでした。

こうして FREEPLUS は段階を経て、スクラム採用に取り組むようになったのです。

3. FREEPLUS 流、スクラム採用の特徴

FREEPLUS のスクラム採用が、他社のスクラム採用と圧倒的に異なる点をお話します。(この2点より、note のタイトルを "ガチ" スクラム としました)

それは、

① 100名を超える 正社員メンバー "全員" が採用権限を持っている ということ② 採用を希望するメンバーが 財務情報 等を参考に採用を希望する ということ

です。

どうでしょうか。
例えば10名規模のベンチャー企業で、全員が採用権限を持っています!と言うのはよく聞いたことがあるのですが、FREEPLUS のように100名規模で全員が採用権限を持つと言うのは、あまり聞いたことが無いですよね。

あとは、そもそも一般的な会社なら財務諸表へのアクセシビリティもない訳なので、「人が足りないから採用したい」「新しいチャレンジをしたいからその分野の人を採用したい」そのレベルでの採用希望を出すことは可能ですが、それ以上の思考は生まれづらいと思います。(余談ですが...Google スプレッドシート 上で着地予測の数字が着々と変わり、日々「本日の現金」と言うメールが配信される時の、ドキドキ感は、味わってみて初めて感じる緊張感があります)

その点で、より経営者に近い思考で採用計画を考えるところから、全メンバーが取り組むことができる "可能性" が高い点が、FREEPLUS の取り組むスクラム採用の特徴だと思います。

※"可能性" を強調して書いた理由は、アクセシビリティがある状態にしてもそれを読み解くリテラシーがなければ、情報を活用できないためです。また改めて note にします。


3. スクラム採用に取り組んでみてわかった課題

むずい...
むずいよ、スクラム採用。。

ティール組織=本格的にスクラム採用 に取り組み始めた当初、課題がわからないので、一旦放置してみる(笑) と言う意思決定をしてみました。

そのあと、課題が出るわ、出るわ。
やりがいがあって幸せです😚

採用のフローは下記の通り。

1. 採用したいメンバーが採用希望を採用担当に提出
   ↓
2. 採用担当と採用手法について相談
   ↓
3. 募集開始
   ↓
4. 応募あり
(全ての応募情報は全社に公開され、面接を希望する場合、採用希望者が手を挙げる、チームの時もあれば個人の時もある)…よくこのやり方はびっくりされます😲
   ↓
5. 通過の場合、一次面接
(採用希望者が実施、採用担当は出ない)
   ↓
6. 通過の場合、ティール組織の説明と報酬希望額の提出
   ↓
7. 通過の場合、最終面接
(採用希望者が実施、採用担当は出ない)
   ↓
8. 内定
(試用期間中の報酬額を当社メンバーが決定)

もう言ってしまえば、全てのフローにおいて課題が出てきます。


例えば、

1. 採用したいメンバーが採用希望を採用担当に提出

ふわっとした希望が出てきます。
イメージしてもらいやすい様に極端な例を出しますが、「イケてる人材」みたいなワードがぽんぽん飛び出すのです。

なので採用担当としては、その「イケてる」の具体的な定義は?と言う問いかけから。問いかけてみて初めて具体的な採用像を考えるメンバーもいれば、最初から実は確固たる採用像を持っているメンバーもおり、目線合わせに苦労しました。

現在は、採用希望シートと言う、誰が提出しても具体的に採用希望を出せるシートを作成し、全社公開しています。似たような採用希望ならば比較できるよう、過去分も全てシェア。徹底的に見える化しました。


他にも

5. 通過の場合、一次面接
(採用希望者が実施、採用担当は出ない)

ある時、採用権限は持たないにせよ、どんな採用面接をみんなが行っているのかみてみようと思い、何度か面接に潜入したことがあります。

やはり面接のやり方についてもピンキリ。
上手に質問を繰り返すメンバーもいれば、

「得意なことは? → 単純作業です。」
「なるほど、では苦手なことは? → チームプレーです」
「わかりました」

いやいやいや!それだけで何がわかるんだ!と言う面接をしてしまうメンバーもいました。表面的な質問で採用を決めてしまっては、ミスマッチが起こる可能性が高くなるので、何とかせねばと。

そのため個別トレーニングを積んだり、Google で行われている構造化面接の手法を資料にまとめるなどの対策を行ってきました。

そんなこんなで、絶賛、採用フロー1つ1つにおける成果指標の明確化と、クオリティの向上に努めています。


4. スクラム採用に取り組んでみてわかった素晴らしさ

やはり、人は権限を持ってこそ、本気で考えるようになる、と言うこと。

少し離れてティール組織の話ですが、FREEPLUS は正社員全員が "自分の給料を、自分で意思決定" しています。

経営者目線で考えろ!とはよく言いますが、正直実感として、経営者視点がなぜ必要なのか?経営者視点が何なのか? わからない部分がありました。それがティール組織化し、財務情報が公開され、取締役会がオフィス内で行われ、あらゆる情報が入ってきて、それに対し、自分が何をできるのか?。自分のアクションに対し、自分の給与はどれくらいもらうべきなのか? を考えた時に、やっと FREEPLUS の経営の自分事化 レベルがアップしたと思えるようになったんです。

(社長に比べたら、負っている責任も、思考レベルもまだまだミジンコレベルですが...)

だから、「みんなに自分ごととして会社を捉えて欲しい、だからティール組織にしたい」という相談を受ける際に、「給料も自分で決めてもらうことがポイントですね」と言うお話になったりもします。

採用も同様に、一緒にゴールを目指し頑張る仲間がほしい、探したいと思うのであれば、全ての採用権限を譲渡し、自分たちで考えてもらうことが一番効果的です。それを実現できるのが、スクラム採用です。

実際に FREEPLUS でも、スクラム採用に取り組んでからと言うもの、それぞれが自発的に動くことが多くなってきました。

例えば、

・面接の練習をして欲しい。
・採用媒体の文言を、こう変えてほしい。
(いまは全て 私で採用媒体を書いています)
・FREEPLUS の採用で大切にしているところは、〜だと思うんですが、認識はあっていますか?

などなど、自分ごとと捉えない限り出てこない質問ですよね。


人は権限を持って初めて、ガチで考えるようになる。
これは当社でも体感している通り、真理だと思います。


5. ただし、ここへきて補足:スクラム採用の大前提

ただし、最後に補足するならば、権限を持ってもガチで考えない人もいます。それはどんな人か? 自分のエゴだけで会社に存在する人です。

・高い給与をもらいたい
⇄給与が高いのであれば職務内容や会社名は厭わない

・やらされマインド
⇆与えられたことだけをやってやり過ごしたい

はい、もうすでにお気づきかと思いますが、スクラム採用に取り組むメンバーは、ベクトルが会社に向いていることが大切だと考えています。

当社的に言えば、当社の採用方針でもある

「“ F R E E P L U S の 存 在 目 的 を 追 求 す る こ と が
ご 自 身 の 人 生 の 信 念・目 的 を 追 求 す る こ と に な る 方 ”」

これがスクラム採用に取り組む基礎ではないでしょうか。

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この note を読んでくださっている方には人事、採用担当の方が多く、採用活動の仕組みを整えることを仕事にしている人もたくさんいると思います。そんな方々には、余計なお世話かもしれませんが、まずは仕組みを整える前に、組織としてなぜスクラム採用に取り組むのか?を考えた上で、権限移譲しても任せられる!と自信を持って言えるほど、信頼できる仲間が集まっているだろうか?集まっていないならば、まずはスクラム採用に足るメンバーを集めるところから初めていただきたい、と考えています。

FREEPLUS も四苦八苦しながら採用活動を進めているところで、偉そうなことは言えませんが、参考にしていただけると幸いです。

* FREEPLUS 採用ピッチ

↑ 文中、全く触れませんでしたが採用ピッチもぜひご覧ください😊

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ミヤザワ サオリ|世界線株式会社
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