"自主経営" してるからって、ティール組織であるとは限らないと思うのです。
昨日公開されていたサンリオピューロランドの記事。
"これから目指すのはティール組織。「感情的知性」に注目して健全な組織をつくる" という見出しだ。このように様々企業が目指す組織像としてティール組織を挙げる機会が増えてきた。串カツ田中の決算資料にも、ティール組織を定着させると書かれている。
こうした企業が増えてくることは、とても素晴らしいことである。
VUCAの時代背景を反映した側面もあるティール組織なので、ティール組織的な考えで運用したいと思う組織が増えることは必然であり、経営者の方々からしても注目のトピックことは想像できる。
ただし、1つ気になることがある。それはティール組織が語られる時に、フラットであることや権限を(一部)移譲することに重きを置いて、それがあたかもティール組織のように語られるのを見ることだ。つまり自主経営の側面に強くフォーカスして語られている気がするのだ。またティール組織の考え方を取り入れた運用を相談される際に、自主経営をどうやってやっているのか?にフォーカスして聞かれる機会が多いことも気になる。(そして御社の存在目的は?→「?」、どうしてティール組織の考え方を取り入れたいのですか?→「組織階層がないのが画期的、全員に責任感を持って働いて欲しい」と方々も結構いると感じている)
もちろん組織をよりよくする取り組みはとっても素敵なことだ。でも、一方でこれらはティール組織自体の素晴らしさを覆い隠してしまいかねないと感じるときがある。だからこそ、自主経営だけにフォーカスした発言に私は賛成できない。
それはなぜか?ティール組織の真髄が ①存在目的の追求であり、それを追求するために集まったメンバーで構成される組織であれば ②自主経営 で組織運営されるのが最も効果的と考えられl、かつ ③全体性を大切にすることで個々のパワーが最大化され、結果として ①存在目的の追求に効果的である、要するに①②③は切り離せない大切な考え方である、と私は解釈しているからだ。(①〜③ はティール組織の3つのブレイクスルーとして語られる)自主経営だけしていても、それはティール組織の概念を提唱したフレデリック・ラルー氏 の意図とは異なるのではないか、というのが私の見解である。
たしかにいま、ティール組織はHRの注目ワードの1つかもしれないが、まずはティール組織の本を読んでみてほしいし、その上で本質とは何だろう?と考え続けてほしいし、組織形態の変更をするならば、存在目的は?全体性を大切にするために何ができるだろう?を考えてほしい。私も自社で追求し続けていきます。