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ファーバーカステル クラシックコレクション万年筆 エボニー・レビュー

ありとあらゆる伝説に巣食う最も恐ろしい存在が ——今微笑みながら陽光の下に姿を現し、両腕に信頼しきった人間の子供を載せ、黒檀さながらの威厳を持って立っていた。

アーサー・C・クラーク「幼年期の終わり」より一部抜粋・要約


SF小説「幼年期の終わり」におけるオーバーロード・カレルレン登場シーンの影響もあって、木軸を買うならこれだなぁ、と決めていたファーバーカステル クラシックコレクション万年筆・エボニー。

ニブはデフォルトのEF18kバイカラーニブを使っている。線幅はパイロットのFニブくらいなので、無改造で即実戦に投入出来る。
インクは<エターナライザー>を使用。


アウトライン:
金属のキャップに木軸という、同社のパーフェクトペンシルを太くしたような造形で、シルエットは古代ギリシャ神殿の柱を思わせる円柱形。

軸の素材は木製だから意外と軽く使いやすい。
木軸は温かみがあり手になじみやすく、全金属部分の色味もプラチナコートにより若干黄色味がかった銀で温かみを感じさせる。

ディテール:
キャップはネジ式で気密性に優れてる。
ネジの噛み合わせの接点が複数あり、ネジ式ながらかなり簡単にキャップの脱着ができる。いわゆる4条ネジ。

ネジを締める際はクリック感があり、しっかり閉まったかが判りやすく、高級感がある。これは嵌合式のようにインナーキャップによって実現している模様。
つまりキャップの開け閉め一つに複合的なギミックを仕込んでまでしてとてもこだわっている、と云う事となる。

しかしキャップ開閉の際インナーキャップによって一緒に首軸も回転して緩んでしまうのが欠点か?(細めのOリングを仕込むと解決した)

キャップ内側には樹脂製のパーツが使用されており、少し劣化が心配。キャップ開閉の際はスムーズでいいんだけど。
キャップは尾栓にポスト出来るんだけど、多分着け続けると尾栓に跡がつくかもしれない。

クリップは金属ムクでバネ式。クリップ裏には滑り止め用の筋彫りが彫ってあって、ずり落ち難い処理がされている。

付属のコンバーターはペリカン・コンバーターと同型のもので、メーカー名を変えただけの模様。


総評:
古代、人は意味の永続を願って石に文字を刻んだという。
私もこの黒檀さながらの威厳を持つペンと、インク<エターナライザー(永遠たらしむるもの)>を用いて、永続するに足る意味情報を綴っていこうと思う。

追記:
使ってるうちにメッキが剥がれてくるんだけど、何層ものメッキが地層みたいに剥がれて、あまりエイジングには向いてないなと思った。

スペック:
Fabercastell Classic Colection: Ebony/ファーバーカステル クラシックコレクション: エボニー

-全長・13.6cm(キャップ有り)/13cm(キャップ無し)
-最大重量・41g(キャップ含め)/27g(キャップ無し)
-最大軸径・1.9cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.1cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

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