ターニングポイント

小学生の頃、私は建築士になろうと決めた。

その頃は父が建築士で忙しくしていたから一緒にご飯を食べることは本当に少なかった。母はいつも寂しそうにしていた。

自営業だから私も建築士になれば、父の仕事を分担してその分、家族との時間が増えるのではないかと幼かった私はそう思った。

私は父と母と妹と家族4人で仲良くご飯を食べれたらそれで良かった。

でも、私が中学3年の時に父は家族を裏切って別の女のところに行ってしまった。

もう建築士になりたいとは言えなかった。

高校では他に面白いと思った学問に出会えた。
その時は将来のことなんて全然想像できなかったし夢もなかったけど、なんとなく興味のある学部に進んだ。
さらに、大学院にも進んだ。
今は研究者としての新たな切符を手に入れることもできた。

でも、たまにふと建築士への道をもし選んでいたら今頃どうだったかな、どんな人生かなと想像してしまう時がある。それくらいに私は真剣に建築士を志していた。今でも「建築」は間違いなく私にとって気になってしまうワードだ。父の裏切りと共に儚く散ったが。

人生では、進路の選択や環境の変化でその後の人生が大きく左右するターニングポイントがある。

私にとっては父の不倫が大きなターニングポイントであったと思う。

父が不倫を犯したから私は父を超える優秀な人間になり家族を支えられる人になりたいと励むことができた。研究者としてのチャンスも掴むことができた。

私はまだ父の裏切りを完全に乗り越えられていないし、傷ついてるけど悪いことばかりではなかった。

どんな困難や逆境も全部自分次第で良いようにも悪いようにも変えられると思う。

立ち止まってしまったり、落ち込んだりする時もあるけど、人生そんなもんで、大丈夫だよね。

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