新年一発目に令和ロマンくるまサンの『漫才過剰考察』を読んだら今年の目標が見つかった
ヨーロッパに住んでいて最も恋しいものは、「日本のお笑い」と答えている。
暇な時や仕事中でさえも、YoutubeやPodcastで芸人の音を流すほどに、日本人特有のお笑いの空気感は心地いい。
深くお笑いに精通しているわけでもないし、人並みにお笑いが好きなだけだけど、ミーハー心でM-12連覇を果たした令和ロマンくるまサンの本を新年一発目に読んでみた。せっかくだから読み終わったばかりの今、感じたことを書き残してみる。
導入から、くるまサンの心の声で始まり、とてもリズム感の良い文章が続いていく。くるまサンの頭の中で繰り広げられる世界に引き込まれていく感覚がして、個人的に、この導入部分が一番好きだった。
印象的だったのは、
くるまサンは本全体を通して「自分はコンプレックスの塊」「流されて生きてきた」と言っていることだ。何か突き抜けている人は、ネガティブな感情が燃料となっていることが多いのでその点はスッと入ってきたが、だからこそM-1にのめり込んでいった理由や、漫才への考察が深まっていった背景が見えたような気がして親近感が湧いた。
また自身を「頭でっかち」と表現しており、私は真逆の性格なのでくるまサンのような人にさらに憧れを感じた。私は何事もやってみて考えるタイプだし、知識は必要になったタイミングでつければ良いか、と考えることが多い。でも、くるまサンは本の中で「愚者は経験に学ぶが、僕は賢者にもなりたいので歴史に学んでみようと思う」と言って考察を始めていた。安直だけど、今年は私ももう少し知識をつけることも力を入れて、戦略的に仕事をしてみようと思った。笑
考察自体も本当に面白かった。
観客のタイプやその時のトレンド、会場の流れなどの外的要因に合わせて、自分たちが持っているネタやツカミなどの内的要因を変えていくなど、勝因を体系的に教えてくれるビジネス書のような感じもあった。ところどころクスッと笑える部分もあり、さすがだなと思った。
くるまサンは、考えて意味ある?という物事に対してきっぱりとスタンスを示せるところが良いし、だからこそ今人気が出ている気がする。多様性や個性を尊重する価値観が当たり前になっていく中で、一つの確固たる価値観を公表するのは勇気がいることだと思う。また、答えがない問いも多いからこそ、明確な方向性を示す存在は貴重だし、そこに人はついていきたくなるんだなと感じた。
漫才師という仕事
漫才を極めるために、データを収集して、共通点や相違点を見つけ出し、自分で施策を試してみて改善していく、というプロセスを死ぬほど繰り返してきたことも伝わり、普通に仕事術として参考になった。
力量を上げるために、何もネタを考えず舞台に上がっていたこともあると言っていたのはヤバいなと思った。
あと、日本のMANZAIが世界に広まっていく構想も、読んでいてすごくワクワクした。
人を笑わせようと試行錯誤するお笑い芸人という職業を、普段から尊敬の眼差しで見ていたけど、この本を通してよりその実態が知れたことで、やっぱり特殊な職業だなと思った。
おすすめです。