『野生馬を追う』読了
『野生馬を追う-ウマのフィールドサイエンス-』木村李花子著 東京大学出版会 2007年初版 読了。
・北海道根室半島 ユルリ島放牧馬/カナダ セーブル島の再野生馬/ケニヤ サバンナのシマウマ/インド 小カッチ湿原のハイブリッド の話題。
・ユルリ島という孤島には、以前コンブ漁で使われていた馬が放たれた状態にある。肉馬として繁殖をしているので、牝馬と仔馬だけの島に、牡馬が一頭だけいて、数年おきに牡馬は入れ替えられている。島を仕切るのは牝馬で、年功序列で組織立ち、全頭が集団行動をしている。集団を離れると、同じ牝系同士の血のつながった家族でグルーミング行動をなどをしているという。牡馬が一頭しかいないので、牝馬をめぐる争いはなく、冬の寒さはきびしいが、基本的には一日中、草をはむゆったりとした生活をしている。この島では、ケガした馬や年老いた馬が集団から疎外されるという事例が発生している。木村さんは牡馬が闘う必要性がなく、その代償にそのようないじめが起きているのではないかと分析する。
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