見出し画像

トレーニングで考える5つのポイント

こんにちは。

M.Y. trainingです。

トレーニングを考える時、何を考えていますか?前回の試合で崩しの問題があったから崩しのトレーニングをしよう。次の試合に向けてビルドアップのトレーニングをしよう。うちのチームはこの時期に個人戦術を徹底する。
トレーニングの目的やテーマは色々あると思いますが、どんなトレーニングをするにしても必ず考えなければならない要素、極端に言えばそれだけでトレーニングの良し悪しが決まってしまう要素

オーガナイズ

毎日のトレーニングでなんとなくオーガナイズするのと、意味を持ったオーガナイズするのとではトレーニング効果に大きな差が生まれます。今回はこのオーガナイズについて話していきます。

******

トレーニングのオーガナイズを考える上でコントロールできるのは主にこの5つです。

人数
コートサイズ
時間
ルール
はじめ方と終わり方

1つ1つ説明していこうと思います。

人数

何人でトレーニングするのかということです。ここで意識することはその人数でどんな現象が起こりやすいのかということです。アクションの頻度やプレーの回数、ボールに触れる回数も人数によって変わります。人数を増やすと高まる要素もあれば、低くなる要素もあります。例えば、人数が少ない場合は1人1人のプレー回数が増えますが、大人数でプレーすると1人1人がボールに触れる回数は減ってしまいます。その逆も同じですね。
トレーニングの前半、W-upやTr.1では、それぞれの選手がたくさんプレーできる、ボールに触れられるように少人数で行うか、大人数でもボールの数を増やすことが必要だと思います。チームの人数状況も影響するかもしれません。

コートサイズ

まず、考える基準は大体この3つです。
エリア
人数に対するコートの大きさ
この2つを組み合わせて考えること

例えばエリアで考える場合、テーマがシュートで、「ペナ角からの崩し」のトレーニングを意識しているなら、トレーニングするときペナ角からシュート練習を行い、ゲームでもペナ幅より大きなコートが必要です。
人数に対するコートの大きさでは、最近ピッチを5つのレーンに分けるという考え方も一般的になりましたが、このレーンをもとにコートサイズを考えることができます。試合中、左のハーフレーンで、FW、 SH、 SB、 Voの選手のコンビネーションで崩したいと考えているなら、Tr.1のポゼッションではこの広さでトレーニングすることが効果的かもしれません。

画像1

コート全体の人数比で考える場合は、GKを抜いた10人で105m:68mで考えたときに、1人あたり大体10m:6mとすることもできます。こんな考え方で1人あたりのコートサイズを出します。
(サッカーのピリオダイゼーションはこの考え方でコートサイズを出しています)

時間

プレー時間と共にレストの時間も考える必要があります。フィジカルトレーニングでは特にこのレスト時間の設定やプレー時間とレスト時間の割合が大事になりますよね。トレーニング全体の時間を決める時も、実際の試合は90分、その中で実際にプレーしている時間(アクチュアルプレータイム)は60分〜70分。じゃあトレーニングの時間も70分でその密度を極限まで高めましょう。というような考え方もできます。
*時間にとらわれすぎてサッカーの質の追求が不十分になることは注意が必要です。

ルール

タッチ制限であったり、エリア分けであったり、得点方法であったり、どんな制限をつけるかということです。いろいろありますが、意識することは、最終的に獲得させたいアクションや現象が、数多くでることです。しかもそれは、コーチが「やれ」「こうするんや!」って言ったからではなく、選手が考えてプレーした結果、その現象やプレーが生まれるようにしなければなりません。トレーニングする中で、このプレーをしなきゃいけないと選手が思ってしまったらコーチよりすごい選手は生まれないですね。このルール設定は非常に重要です。

フリータッチでは生まれない現象でも、ダイレクトにするだけで生まれることがあります。何だと思いますか?
コンビネーションプレーです。
パスしたら動かなきゃいけない状況が生まれプレーのテンポは高まります。コンビネーションがテーマをテーマとした時は、W-upやTr.1でダイレクトのポゼッションを入れることが多いです。

はじめ方と終わり方

今回僕が最も伝えたいことがこの部分です。
特にどうやってはじめるかという部分を変えるだけで現象を引き出すことができます。つまり、コーチの配給によってコントロールできる部分が非常に大きいということです。

例えば、
テーマは「GKを含めたビルドアップ」です。
GKのポジショニングが低すぎて前に進むことができない。もっとGKが前に出てきて欲しいというときありますよね。そんなときには
「GKが触ったらスタートな〜」
と言っておいて、GKに配給しますが、ちょっと弱めにペナルティエリアにかかるくらいの位置に配給します。そしたらどうなるでしょうか??勝手にGKは前に出てきてよりCBとの距離が近くなり、ビルドアップに関われるようになるかもしれません。何も言わなくても配給だけで選手のアクションを引き出すことができます。

同じビルドアップのトレーニングでもちょっと違う状況を考えてみましょう。
ビルドアップというのはゴールキック以外にも相手からボールを奪った後からも始まりますよね。相手に押し込まれている状況でボールを奪ったときですね。この状況ではまず何が必要でしょうか?相手は押し込んだ状態で「崩し」をしているので、奪われた瞬間カウンタープレスを仕掛けますよね。私たちはこのプレスを回避しなければなりません。そのような状況を再現するには様々な方法がありますが、配給でコントロールするなら、

あえて相手チームのFWにコントロールしにくいボールを出すことです。

相手FWにボールが入るので、(ビルドアップチームの)選手は集結しますよね。そこでボールを奪って広がる→ボールを失わないように逃がす→安定してビルドアップという流れにつなげる状況を作ることができます。

***まとめ***

オーガナイズで考えるべき5つのポイントを説明しました。今回挙げた例は、僕がチームのトレーニングで実際にやってみた方法です。どんな状況でも適応できるわけではないので、選手のレベルやチームのスタイルに合わせて効果的な方法を見つける必要があります。少し変化を加えるだけで見違えるほど求めていた現象が出ることも多いです。ぜひチャレンジしてみてください。

***おわり***

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?