サッカーの練習とは・・・
こんにちは。
M.Y. Trainingです。
毎日の練習で何をテーマにしていますか?
ビルドアップ・ポゼッション・サイドからの崩し・フィニッシュ・・・いろんなテーマを持って練習しています。練習を考える時にはだいたいこんな感じで試合の局面にフォーカスしたり、改善したい状況を抜き出したりして練習の流れを組み立てていると思います。
今回は、ちょっと違った視点からサッカーの練習を考えてみようと思います。
◯スピード
パススピードを速く、地面を滑らせるボール、相手の足元にぶつけるようなスピード・・・
実際にプロの試合を観ていてもギャップを通すボールやくさびのパスなどものすごい速いパスを通して、それをなんなくコントロールしているシーンは多いですよね。パススピードが速いことは一般的に良いことだと言われています。
この状況を考えてみましょう。
パスを通すのに1秒かかって,ディフェンダーのアプローチが0.7秒で実行できる場合、パスはインターセプトされるか、受け手のところでボールを奪われる確率が高くなると思います。
この解決策をスピードの観点から考えてみると、こうなります。
解決策① パススピードを速くする
受け手にボールが渡るのに1秒かかっていたものを0.6秒にすることができればパスは通ります。アプローチをかけているディフェンダーより速く受け手の足元にボールを届けることができれば、ディフェンダーと入れ替わるチャンスになるかもしれません。
パススピードを速くするためには、筋力をつけること・足のどこにボールを当てるか,足の振り方といった技術的な部分・力をうまく伝える身体の使い方などがあります。パスの技術的な部分にフォーカスした個人練習や、毎日の練習の中で速いパススピードを求めることでチーム全体のパススピード・テンポが高まり、それに伴ってコントロールもうまくなると思います。
解決策② ディフェンダーのスピードを遅らせる
ディフェンダーが0.7秒かけてアプローチしていたところを1秒かけさせる。1.5秒かけさせる。つまりディフェンダーのスピードを遅らせると言うことです。
具体的な方法を3つほど紹介しようと思います。
1.ディフェンダーを逆方向に動かす(左)
ディフェンダーが左に動いてからアプローチをかければ移動距離が長くなるのでアプローチにかかる時間は長くなります。時間は長くなりますが,おそらくディフェンダーの移動速度は速くなると思います。つまり、勢いを持って突っ込んでくる・・・大きな矢印が出ることになるので抜き去るチャンスができますね。
2.ドリブルで相手に仕掛ける
ドリブルでディフェンダーに向かって仕掛けてみましょう。この時のディフェンダーの気持ちは「ドリブルで抜いてくるのか?」「パスを出すのか?」この迷いを生み出して利用することです。予測を持って守ってくるディフェンダーもいるのでその予測の逆を取ることでさらに時間をかけさせることができるかもしれません。つまり、ディフェンダーがアプローチのスタートを切るタイミングを遅らせとるいうことです。
3.ドリブルでスペースに仕掛ける
相手に仕掛けることの応用編ですね。スペースにドリブルで仕掛けた場合のディフェンダーの気持ちはどうでしょうか?「その場に止まっていたらドリブルで突破されてしまう」ですね。ディフェンダーの意識はどうしてもボールに向いてしまうので、ボールがある方向に身体は向き、相手がドリブルしているとなればボールに向かって動きます。このタイミングがチャンスですね。人間は左に動き出した瞬間に反対方向に動くことはできないので、このタイミングでパスを出すことでディフェンダーを逆方向に動かしてからアプローチさせることができます。
サッカーの練習とは
サッカーの練習は大きく分けると
「自分のスピードを高める」「相手のスピードを遅らせる」
この2つに分けることができます。全ての練習は自分のスピードを高めるか相手のスピードを遅らせるかどちらかしかないということです。
大雑把に言えば、相手がいない状況での練習・・・パス&コントロールやコーンドリブルなどは自分のスピードを高める練習と言えます。
(*設定次第で変わることもあります。)
では、相手がいる状況であれば「相手のスピードを遅らせる」練習になるのでしょうか?
これがそうとも限りません。
どちらかといえば、相手がいる状況になればスピードに頼って相手に勝つ方法を取ることが多いのではないでしょうか?「パススピードを上げろ!」というコーチングも自分(チーム)のスピードを高めることで相手に勝つ方法になります。「相手のスピードを遅らせる」方法を教えるというのはかなり難しいことだと思います。
スピードを高める練習ばかりでは自分(チーム)よりもスピードがある選手が出てきた場合に勝つことができません。速くて強い相手にもスピードや力強さで勝っていくことを狙って練習しているのなら全く問題ないですが、それだけではどこかで限界が来るということです。スピードを高める練習をしているのか相手を遅らせる練習をしているのか。いつ自分のスピードを高める練習をして、いつ相手を遅らせる練習をするのか。この視点で練習を考えてみるのも面白いかもしれません。
***おわり***