まいたく名画座No11 - ありふれた教室
どうも、まいたくです。
今回、11回目のまいたく名画座の上映となります!🎥
本日上映される映画は、、、、
『ありふれた教室』 です!!
◇監督・キャスト&あらすじ
原題:Das Lehrerzimmer
制作年:2023年
制作国:ドイツ
監督:イルケル・チャタク
キャスト:※太字 主人公
レオニー・ベネシュ
レオナルド・シュテットニッシュ
エーファ・レーバウ/ミヒャエル・クラマー/ラファエル・シュタフォヴィアク 他あらすじ:
仕事熱心で正義感の強い若手の女性教師であるカーラが、校内で発生した盗難事件の解決のため、ある行動をとったことにより、保護者からの激しい批判や、生徒たちの反乱、教師同士の対立などを招いてしまう。。
◇感想
いやぁー、この映画、凄かったです。
何が凄かったって、一言で表すと「緊張感」が凄かった。。
本作で描かれる場面は、ほぼ、学校内に終始していますし、実際起きる出来事や事件も、まったく起こりえない話ではなく、この映画の舞台であるドイツに限らず、他の欧米諸国や、日本、韓国などでも起こる可能性のある、まさに「ありふれた」出来事や事件なんですね。
それにも関わらず、映画全体を通してさまざまな「緊張感」がスクリーンを通して、突き刺しに来るんですよ。ざくざくと。
また、普通というとアレですが、ミステリー系の映画って、まあ、大体は緊張の中にも、多少の気が休まるシーンとかがあると思うのですが、その「緩和」に相当するシーンがこの作品には無かった。無かった、は言い過ぎとしても、本当に少しのシーンしか無かったです。
ちょっと、心拍数が上がりっぱなしでしたね。。この映画。
これは私まいたくの私見ですが、恐らく本作の上映時間が99分という比較的短い長さだったから可能だったのかもしれません。
これが120分とか150分とかの長さで、この緊張感が続くと、疲労感が半端ないし、お客さんも持たないと思うので・・・
ということで、この緊張感の鬼、「ありふれた教室」の見どころに行ってみましょう!ではいく!
◇映画の見どころ
さまざまな緊張感に注目!
先述した通り、本作は終始何かしらの「緊張感」に包まれています。
この「緊張感」は「各キャラクター間の関係性によって生まれる緊張状態」と言い換えてもいいかもしれません。
例えば「主人公カーラと他の先生たち」や「カーラと生徒の保護者たち」などが挙げられます。他にもたくさんありますが。
一見、穏やかな冒頭の教室での、カーラと生徒たちの授業のシーンにおいても、ある種の緊張を感じました。私は。
なんとなくですが、その冒頭のシーンでは、カーラは表向きは生徒に理解を示し、生徒それぞれの意見を聴き、そして、対話や議論を促しているように感じますが、彼女が持つ理想論や正義を、結果的には、生徒たちに押し付けているように受け取りました。
そして、後半になるにつれ、この「緊張状態」に歯止めがかからなくなってきます。
それぞれが、それぞれの立場で主張することで、それぞれが持つ「正義」が相反し、ぶつかり合ってしまうことで、もはや収拾のつかない状況にすらなっていきます。
このような、冒頭から終盤にかけて起こるさまざまな「緊張感」、要注目です!!民主主義社会にこそ起こりえる問題に注目!
先ほどは本作の注目ポイントとして「緊張感」を挙げましたが、その緊張感を膨張させる一端に何かモヤモヤした、歯がゆさがあるような気がします。
確かに、校内で発生した事件に対する主人公の行動は褒められたものではありません。特にプライバシーを重視する現代においては。
ただ、それ以上に、その後の解決のために、相手との対話や、平和的なアプローチ、加えて、相手への配慮、などの行動をとり続けることで、結果的に被害の拡大や問題の分散などが起こり、それぞれの問題が収束しないまま、本来解決すべき大元の問題自体がぼやけてしまったように感じました。
この解決へのアプローチは、対話を重視するあまり、意思決定や解決に時間がかかってしまったり、それぞれが各々の利権や偏見に基づいて、主義主張をしてしまうことによるミスリードといった、いわば「民主主義の弊害」と同様の問題を表出させてしまったように感じます。
確かに、対話による解決やそれぞれの意見を重視する風潮は素晴らしいと思いますが、本作で起こる問題に対処するうえでは、決して良策ではありませんでした。
映画という娯楽要素に対して、あまり学術的なアプローチは良くないかもしれませんが、そういった見方に抵抗が無ければ、ぜひ注目してはいかがでしょうか?最終シーンについて考えてみよう
本作の最終シーンでは3人の人間が映し出されます。
その中心にいる人間が、この映画の主要な人物の一人なのですが、そのシーンが、今までとはテイストの違う、少々非現実感があるように感じました。
果たして、このシーンは、好意的に受け止める方がいいのか?または悪意を持った意味が何かあるのか?
または、そのシーンをそのまま受け取るのか?それとも何か皮肉が含まれているのか?
みなさんはどう思いますか?
このシーン、人によってはただの一コマと受け取るかもしれませんが、私まいたくは結構面白いなーと感じました。
それも含めて、これはかなり意見が割れるんじゃないですかね?
もし、私の見解に共感頂けるのであれば、ぜひご注目頂き、ご自身の中で考察してみると面白いと思います(^^)
◇Next step
ということでいつものNext stepです。
今回はこんな映画をピックアップしてみたぞい(^^)/
告白
こちら、学校&ミステリー繋がりということで、ご紹介です!
松たかこさん主演で、原作はイヤミスの女王、湊かなえさんのベストセラー小説の映画化作品です。
超有名作品なのでご覧になった方も多いかと思います。
そういえば、初めて芦田愛菜さんの演技が注目された映画でもありますね(^^)
私まいたくが非常に好きな小説で、その後、一時期湊さんの小説ばっか読んでたくらいハマった作品です。もちろん映画も良い作品ですので、ぜひ!白いリボン
本作の主人公を演じたレオニー・ベネシュも出演しているドイツのミステリー映画です。
私も未鑑賞ですが、例によってこのNextstepのネタを探すうちに私も興味を持った作品ですので、みなさまもぜひ!
◇おわりに
今回は「ありふれた教室」を紹介しました!
いやぁ、、本当にすごい映画でしたよ・・・この作品
本記事を投稿する段階(2024/5月下旬)では、まだ絶賛劇場公開されておりますので、ご興味があればお近くの劇場へゴー!って感じです。
いつもはもうちょっとこのセクションで補足するのですが、今回はしっかり書き切りました!満足です!なので、これで終わりー(^^)/
ということで、この映画に対する感想などありましたら、コメント頂けると幸いです。(でも、ネタバレはやめてね(^^;))
以上、ご愛読ありがとうございましたー!!