方向転換の理由
展示から早くも半年以上が経ちました。
備忘録として、ここに今回のプロジェクトの軌跡を、複数回に分けて記しておこうと思います。
なぜ私が方向転換したのかー。
まずはそのお話から始めましょう。
前にも少しお話ししましたが、今回はもう少し詳しく、お話ししてみたいと思います。
2017年から持病の多汗症に関する活動を始めた私は、患者コミュニティーやイベントを継続的に行うにつれて、だんだんとある種の限界を感じるようになりました。
多くの当事者の方々からお話を伺うにつれて、ただ集まって話すだけでは拭えない、それぞれの奥底にある暗闇のようなものがたくさん見えてきたからです。
ものづくりも、コミュニティーの形成も、イベントも、実際本質的な解決には至りませんでした。
それぞれ、間違いなくないよりはあった方が良いでしょう。世界的なパンデミックを経て、人間のライフスタイルが180度変わり、『自分のやりたいことって本当にこれだっけ…?』と、いつからか疑問が浮かんで来るようになりました。
そこでふと気付いたのは、もっと心の底から希望が湧き立つような、丸ごと救われるような感動を届けられる『アーティストになる』ことが、幼いころから自分のやりたいことであり大事な夢である、ということでした。
だからこそ、私自身が一番大好きで、長きに渡り学ばせていただいてきたエンターテインメントの畑に帰ろうと、今回のプロジェクトを立ち上げました。企画から丸5年が経過してようやく、大きな方向転換への舵を切りました。
何を隠そう、私は幼い頃からさまざまなステージに立たせていただいてきたエンタメ畑出身です。
コロナ禍で、多くの人があらゆるエンターテインメントに希望を見出したように、当事者の方々に一番必要なのは何よりもまず『心のケア』と周囲の理解・サポートだと、実際に多くの方々と接し、さまざまな経験をさせていただいた上で導き出した結論なのでした。