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蟹の恩返し(かにのおんがえし)
むかしむかし、ある村に貧しい漁師が住んでいました。
ある日、川で罠にかかっている蟹を見つけた漁師は、哀れに思って蟹を逃がしてやりました。蟹は漁師に向かって深くお辞儀をし、静かに川に戻っていきました。
その夜、漁師の家に突然訪ねてきたのは、着物を着た美しい娘でした。
「私は助けていただいた蟹です。恩返しをさせてください」と言い、娘は漁師の家で暮らし始めました。
娘が住み始めると、不思議なことに漁師の網にはいつもたくさんの魚がかかるようになり、生活が豊かになりました。
しかし、ある日、娘は漁師にこう言いました。
「もうすぐ私はこの家を離れなければなりません。
でも最後に、特別な網をお渡しします。この網を使えば、どんな魚でも必ず捕まえられます。」漁師は悲しみながらも感謝し、娘を送り出しました。
その後、漁師は蟹からもらった網を使い、村一番の漁師となりました。
しかし、いつも蟹に助けられた日々を忘れることはありませんでした。