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【ワーママが一気読みして涙したミステリー】妾の子が荘厳な一族の中で生き抜いていく物語『檜垣澤家の炎上』
こんばんは♪ミステリー大好き、フルタイム勤務ワーママ、みりーほです。
先週から仕事が始まり、疲労のせいか、週の終わりには風邪気味に。
胃腸の調子が悪かったので、もしや、またインフルエンザに罹ったのでは!と思いましたが、寝たらスッキリ治りました。良かった〜。
やっぱり、元気じゃないと、読書に集中出来ないですよね。
三連休で、読みたかった『檜垣澤家の炎上』を一気読みしました!ずっと読みたかった本を読めました。
ネタバレはありませんので、安心してください。
『このミステリーがすごい2025年版』で第3位になったせいか、年末に買おうとしたら、楽天ブックスで品切れ、Amazonでは送料がかかるバージョン、メルカリでも、即売されていました。
出遅れた、、
私の住んでいる地方では、書店があまりないので、年明けに帰省した際に、札幌の書店で発見した時は、嬉しかったです!
横濱で隆盛を極める商家、檜垣澤家の当主と、妾の間に生まれた、高木かな子の物語。
明治から大正にかけての、戦禍の激動の時代に、女系でありながらも成長を続ける檜垣澤商店。
母を亡くしたかな子は、使用人同然の扱いで住むことを許され、突然倒れた父の看病に励む。
やがて父は亡くなるが、賢いかな子は、商売の全てを掌握する正妻スエと長女花、花の娘達、さらには使用人達にうまく取り入って生きていく。
大奥様こと、スエの圧倒的な女帝感に震えます。スエは敵が味方かわからないのが、ひたすら怖い。
スエの長女が、蔵で謎の死を遂げた際に、いくつかの手がかりを目撃するかな子。その謎を解いていくと、もっと大きな謎に次々と繋がっていきます。
長編であるにもかかわらず、一気に読めてしまうのは、知恵だけで成り上がっていくかな子の雑草魂を応援したくなるからです。
当時の混乱した情勢を的確に読んで商売を広げていくスエと花は、ともに夫を亡くしてから、さらに力を持ちます。
商才はないが、政略結婚の駒であることを自覚している三姉妹。この三姉妹がそれぞれ個性が強く、年齢が近いので、かな子に大きな影響を与えます。
スエや花と三姉妹は、真逆に見える生き方ですが、男性優位社会の中で、逞しく生き延びていきます。
さらに、不思議な性格であるスエの次女初や、初の夫である山名医師が、物語の端々に登場し存在感を増します。
そして、山名家の書生である西原は、かな子に対して馴れ馴れしく話しかけてきますが、腹では何を考えているのかわからない、信用できない人物です。
信用してはいけないと思いつつ、神出鬼没な西原のことが気になる、かな子。
このように、全く油断できない、息の詰まる日常で、かな子が腹を割って話せるのは、親友暁子だけでした。
没落した子爵家の娘である暁子もまた、かな子と同様に、政略結婚の駒となり、山あり谷ありの人生を歩みますが、かな子が生きる光となります。
スペイン風邪から回復し、未来に向けて歩き出すかに見えた主人公かな子ですが、まさかまさかの出来事が起き、何もかもが一変します。
一変した時に、今までの謎全てが解けるのです。
長い長い物語に散りばめられていた伏線が、一つの真実を照らし出します。
真実が明らかになった時、登場人物達の思いが一気に紐解かれ、様々な気持ちが伝わってきて、胸が熱くなりました。
涙が後から後から流れてきて、強く生きていきたい、家族を大切にしたいと思いました。
本当に読んで良かったと感じました。
まさしく、ミステリーの枠を超えた、壮大な大河ドラマでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!