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『トータル・リコール』の書評。原作と2つの映画を比較

フィリップ・K・ディックさんの著作『トータル・リコール』

恥ずかしながら51歳の2021年まで、読んだことがありませんでした。
21歳のころTVで見た、映画『トータル・リコール』は記憶にあります。

さらに、2012年のリメイク版、映画『トータル・リコール』もDVDで見ました。

なんだかんだ言っても、映画やドラマは原作に勝てない。それが私の考え方です。
それを確かめる意味でも、原作『トータル・リコール』を読むことが長年の忘れ物でした。

この度ついに、原作を読むことになりました。

それでは『トータル・リコール』について書評を書いていきましょう。


原作と映画を比較

『トータル・リコール』の著者は、アメリカを代表するSF作家のフィリップ・k・ディックさん。『トータル・リコール』は代表作の1つです。

私はこれまでにも、ディックさんの著作をたくさん読んできました。中でも大好きなのが

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と『高い城の男』

私のnoteでも、2作品の書評を書いています。

それはさておき、本題に入りましょう。

原作は、本当に平凡なサラリーマンのクウェールが、夢の中で火星に…
それを実現させることが、クウェールの現実とかけ離れた夢になっていた。

そんな感じの入りでした。内容までは詳しく書きませんが、全体的に淡々と進むストーリーで、いわゆるジェットコースター的な展開ではありません。

その淡々さが、シュールというか怖さを感じさせます。1990年公開のアーノルド・シュワルツェネッガーさんが演じる『トータル・リコール』とは、かなり違っています。

シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガーさんの愛称)の『トータル・リコール』は、ジェットコースタームービー(展開が早い映画)とお笑いの要素が盛り込まれていましたから。

平凡なサラリーマンのクウェールは火星に行くのが夢ですが、リコール社の「疑似夢?」で火星に行くのと同じ感覚を得ようとします。(支払金額に関しては、実際に火星に行くのと変わらなかった)

クウェールに対して施される記憶の上書き作業のときだった、クウェールの古い記憶に信じられないことが…
夢なのか現実なのか、実際の記憶なのか上書きされた記憶なのか…

クウェールは完全に精神が不安定になってしまいます。この続きは実際に本編を読んでくださいね。

原作『トータル・リコール』の価値

『トータル・リコール』は映画化が2本、ドラマ化もされています。

私の価値観では、どんなに素晴らしい映画やドラマを作っても「原作には勝てない」という思いがあります。
この度、はじめて原作を読みましたが、やはり映画よりも良かったです。

もちろん個人差はあると思いますが、それでもやはり原作が最高です。

原作『トータル・リコール』は、フィリップ・K・ディックさんが1966年に発表しました。
発表当時のタイトルは『We Can Remember It for You Wholesale』邦題は『追憶売ります』でした。

1990年にアーノルド・シュワルツェネッガーさん主演で映画化されたとき、『トータル・リコール』になったようです。
原作は数十ページの短編小説なんですが、映画はアクション大作に仕上がっていましたね。

2つの映画『トータル・リコール』

アーノルド・シュワルツェネッガー版『トータル・リコール』

先ほどから何度も書いている、映画『トータル・リコール』
まずは1990年公開の「アーノルド・シュワルツェネッガー版」を紹介します。
あらすじを掲載しておきましょう。

2084年。
建設労働者のクエイドは、娯楽で記憶を売るリコール社に行くが、うまく記憶を得られない。
その帰り、謎の集団に襲われたクエイドは、自分の記憶が偽物であることを知り、本当の記憶を求めて火星の植民地に向かう…。

Amazon商品ページより出典

原作と違ってシュワちゃんが演じるクエイドは、実際に火星に行きます。
ちょっとハチャメチャ感はありますが、1990年当時の映画では主流だった、ジェットコースタームービーでお笑い要素も盛り込まれた「エンターテインメント映画」でした。

⇒『トータル・リコール』1990の予告編はこちらから

コリン・ファレル版『トータル・リコール』

こちらの映画は2012年に公開された『トータル・リコール』です。

コリン・ファレルさん主演でリメイクされました。私はDVDで見たんですが、シュワちゃん版とは違って、シリアスな感じの映画でしたね。

映画全体の雰囲気が『ブレードランナー』に近かったように記憶しています。
同じフィリップ・K・ディックさんの著作からの映画化ですから、しょうがないかも。でも、やっぱり安易な気もします。

こちらもあらすじを掲載します。

近未来。地球の表側には富裕層、裏側には労働者層が住み、世界は真っ二つに分断されていた。労働者たちは地球の“コア”を通って通勤し、機械のコマのように働いて搾取されるだけの日々。将来の希望も持てない彼らは、好みの記憶を買って自分の記憶に上書きすることで憂さを晴らしていた。ダグラス・クエイド(コリン・ファレル)もそんな労働者のひとり。美しい妻を持ちながらも、工場で働くだけの毎日にふと嫌気が差し、人工記憶センター“リコール社”を訪れる。彼が心に秘めた夢は“スパイ”。だが、記憶が書き換えられようとしたその時、突然、知らない自分が目を覚ました! これは一体どういうことなのか? 本当の自分の記憶はどこに・・・?自分さえも信じられぬまま、ダグは階級社会を覆し、世界の運命を変える戦いへと巻き込まれていく。

Amazon商品ページより出典

この映画を見た感想は先ほど書きましたが、正直言って記憶に残っている部分が少ないです。原作を聴いてしまったため、やはり映画は色あせてしまった感じですね…

⇒『トータル・リコール』2012の予告編はこちらから

オマージュ作品?日本のコブラ(COBRA)

あなたは覚えていますか?

日本にも『トータル・リーコール』のオマージュ作品があったことを。
それは1978年~1984年に週刊少年ジャンプで連載された『コブラ』寺沢武一さんの作品です。

TVアニメも放送されましたよね。
そしてTVアニメの第1回こそ、『トータル・リコール』のオマージュ作品。

⇒TVアニメ『スペースコブラ』の第1回はこちらからご覧ください。
(TMSアニメ公式チャンネル)

TVアニメ『スペースコブラ』、毎週楽しみにしてました。懐かしい思い出です。

まとめ

今回は、フィリップ・K・ディックさんの著作『トータル・リコール』の書評を書きました。

映画化された2本も紹介。個人の見解が分かれるところですが、私は原作が最高だと思っています。
そして、なんといっても懐かしの『スペースコブラ』

今回ほど、書いていてワクワクしたことは無いかもしれません。やはり好きなことを書くとブログは楽しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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