『夏への扉』の書評。山﨑賢人主演で映画化されたが原作との違いは?
『夏への扉』SFファンなら一度は耳にしたことがあると思います。
超有名な古典的SF『夏への扉』は、なぜか映画化されたことがありませんでした。
アメリカの小説家、ロバート・A・ハインラインさんの原作ですから、当然アメリカで映画化されると思っていましたが…
結論から言うと、日本で映画化されたわけですが、驚きというか信じられませんでした。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のモチーフになったりしたことはありましたが、アメリカでは映画化されなかったので不思議には思っていました、まさか日本とは…
調べてみると、それもそのはず、『夏への扉』原題:The Door into Summeは、ロバート・A・ハインラインさんの著作の中でも、本国アメリカでは評価が高くないそうです。
どちらかといえば『宇宙の戦士』や『人形つかい』の方が評価が高いようで、『夏への扉』の世界観は、日本人に合っていたのかもしれませんね。
小さなの恋の物語というか、復讐劇というか、日本人には受け入れやすかったんだと思います。
待望の映画化は、まさかの日本だった
『夏への扉』なんと日本で制作され、2021年6月25日に公開されました。
⇒『夏への扉 -キミのいる未来へ-』公式サイトはこちら
主演は、『キングダム』ので見事に主役を演じた山﨑賢人さんです。
映画化されるとき、注されるのが「原作と映画の違い」ですが、ネタバレが怖いので、まずは双方のあらすじを見てみましょう。
原作『夏への扉』のあらすじ
映画『夏への扉 -キミのいる未来へ-』
あらすじを見る限り、大きな違いは感じられませんが、時代と国が違いますよね。
原作が1970年のアメリカに時代を設定しているので、映画で設定されている1995年の日本とでは時代背景がかなり違います。
したがって30年後の未来も、かなり技術進歩が違ってくるため、作品の雰囲気は違います。
登場人物の相関も、若干のズレがあって
原作では、主人公「ダン」の共同経営者「マイルズ」の義理の娘だった「リッキィ」が、映画では、主人公「高倉宗一郎」の養父の娘に変更されています。
相関は、ストーリーに大きな影響を与えるほどの変更ではないと思いますが、時代背景のズレとラブストーリー色の強さが、原作との違いを生んでいると思います。
双方を読んで、あるいは見て思うことは、本当につきなみで申し訳ありませんが、原作の方が面白いです。
『夏への扉』と『ピートのふしぎなガレージ』
ここまで、原作『夏への扉』と映画『夏への扉 -キミのいる未来へ-』について書いてきましたが、もう一つ紹介したいことがあります。
2013年4月~2020年3月まで、TOKYO FM放送されいた『ピートのふしぎなガレージ』です。(私は山口県在住なので、FM山口で聴いていました。)
もともとラジオが大好きな私なんですが、その中でも『ピートのふしぎなガレージ』は特別な番組でした。
番組名を聴いた瞬間、「ピートって夏への扉じゃん!」
案の定、タイムトラベルが番組の主題だし、ピートの名前の由来は『夏への扉』でした。
終了した番組なので、残念ながら公式サイトは閉鎖されています。
なので、Wikipediaから番組概要を引用します。
まとめ
アメリカの古典的SF小説『夏への扉』の書評を書いてきましたが、主人公「ダン」の才能、不運、行動力が、ものがたりを引っ張っていくイメージです。
ネタバレを恐れながら、映画『夏への扉 -キミのいる未来へ-』や、ラジオ番組の『ピートのふしぎなガレージ』の話を交えて『夏への扉』に想いを馳せてみて…やはり原作の作り出す雰囲気とはズレがあると思います。
映画化が日本だったことが原因なのか、時代が若干ズレてしまったのが原因なのか…
私は、映画『夏への扉 -キミのいる未来へ-』は、恋愛色を強めたことで原作との違いが生じてしまった、もう少しドライに描いてもよかったのかな…と思います。