魔法
うみねこのなく頃にをプレイしていた時に、講師として初めてした純然たる雑談の事を思い出しました。まあその時は化学の授業で時間配分をミスって20分ぐらい余って困ってした話だったのですが。
まず、言葉としての魔法とは?
→"仮定上の神秘的な作用を介して不思議のわざを為す営みを概括する用語"(wikipediaの「魔術」より)。皆様もとりあえずはこんな認識だと思います。
この中の"不思議なわざ"というのが厄介で、どこまでが常識の範疇で、どこからが不思議な事か?というのは、行使する側ではなく、それを受動する側に依存します。考えてみれば当然の事で、使う人は使い方がわからないと使えません。電子レンジなんかは使えるから使ってたなんて時代もあったらしいとか、昔の民間療法とかは経験則とかでやってたから原理なんてわからないなんてのもいくらでもありそうですが、そういうのは一旦置いておきます。ともかく、その原理、方法がわからない人が不思議だと認識する事で、わざが魔法になるということですね。
極端な例を挙げると、10000年前の人にライターで火を点けるところを見せたら、どういう原理で火が出たかわからないからそれだけで魔法になり得る、ということです。
この辺に関しては、うみねこのなく頃にのテーマの一つと考えられる「人の力で行えると説明のつかないものが魔法になる」というのが端的に示していると思います。
ここまでのお話でわかったと思いますが、科学と魔法の境界は、"原理がわかるかどうか"の一点です。
少し上の話に戻ると、原理をわかってわざを行使する人はそのわざを魔法とは認識していないとなると、"魔法を使う人は、自分は魔法を使っているとは思っていない"という一見矛盾するような事象が成り立ってしまいますが、認識する立場によってこのような齟齬が発生するということです。科学か魔法かなんてのは紙一重にあると言っても良いでしょう。
このように考えると、科学というのは、"超自然的な現象を自然現象に、魔法と認識されていることを誰でも行えるようにすること"と言い換えるのは決して過言ではないでしょう。
こう思って理科系の授業聞いたら楽しくならない?と生徒に聞いたら思いっ切り首を傾げられましたが……