アリバイトリック
Q.アリバイとは?
一言で表すと現場不在証明。
もうちょっとマシな表現をすると、犯行の行われた場所・時間に存在しないという証言等で犯行が行えないことを推認させること。
アリバイは現実の犯罪でも争点になることがあり、言葉として聞き慣れている方も多いのではないでしょうか?その割に「じゃあアリバイって何ぞや?」と思ってる方も意外といる気がするので、あえて言葉の意味を示しておきます。
で、ここからが本題。
このどこからアリバイにトリックが生じる要素があるのか?ということです。結論から言うとトリックの宝庫なのですが。
有栖川有栖著「マジックミラー」の作中に『アリバイ講義』というものがあり、そこで詳しく解説されてしまっているのですが、ざっくりまとめると場所or時間or人物を誤認させるものです。実は犯行現場が違うとか、犯行時間が違うとか、そもそも替え玉を使っていたとか色々ありますが、誤認させるものはこの3つに集約されます。死体に工作をしたり、証人に勘違いさせたりなど方法論は色々ありますし、実は証言されたアリバイがアリバイでも何でもないという読者に誤認させるというパターンもあったりします。また、一時期流行した時刻表トリックも、このアリバイトリックの範疇です。
アリバイトリックものを考える際は、「作者は何を誤認させようとしているのか?」というアプローチも面白いかもしれません。アリバイものはこれで結構スッキリすることもあります。多分にメタ読みが入ってしまうこともあるので、たまにで済ませておくべきかもしれませんが・・・