steam版うみねこのなく頃にプレイ記Ep5

steam版的には別売りの「うみねこのなく頃に 散」に切り替わってのEp5。どうやらEp8までらしく、後半戦に入ったというわけでしょうか。
後半だから少しずつ収束に入っていくのだと勝手に思っていました、どうやらそうでもないようで……


今回は非常に多くの赤が出ました。数えてこそいませんが、これまでで一番多かったんじゃないかと思っています。
その内、ドラノールのやEp5の事件の全てを知る立場にあるラムダデルタのものはともかく、ベルンカステルのものはエリカの説を補強するものでしかなく、事件の内容を正確に示す、いわゆる確定事項というわけではないんじゃないかということに気付いたのはスタッフロール見てる時でした(スタッフロールから何かに気付いたというわけではないです)。
赤部分は大体メモしてはいたのですが、誰の出した赤かということを書いていなかったので、メモの字面だけ見てもそれが確定事項なのかがわからないという、メモの体を成しているとは言えないメモを作ってしまいました。
なので、登場した赤を記してそこから考えるというのはほどほどにして、起こっていた状況からのみ事件を考察してみようかと思います。


事件の前に。"金蔵は既に死亡している"というのは確定事項として存在し、
それはEp5にも引き継がれているようですが、理由はともかく、金蔵が死亡している状況を蔵臼と夏妃が知らないなんて有り得なかったですよね。その事実のみにしか目を向けず、それが起こった状況について考えていなかったのは不覚もいいところでした。私もまだまだです。


~食堂のノック~
ここはある程度有効そうな赤き真実がまとまっているので、まずは列挙してみましょうか。
1.親族会議以前に、エリカ、譲治、朱志香、真里亞、南條、郷田、熊沢は
屋敷から退出し、ゲストハウスに移動した
2.蔵臼、夏妃、源次の3人のみが2階廊下におり、それ以外の全員が食堂にいた
3.蔵臼、夏妃、源次の3人は手紙に触れていない
4.24時の時点で屋敷内にいた誰一人、手紙を廊下に置いた者はいない
5.屋敷にいた人物全員がノックの発生源とはなり得ない
6.屋敷内の誰一人、手紙を廊下に置いた者はいない
7.24時の時点で屋敷以外に存在するのは、エリカ、譲治、朱志香、真里亞、南條、郷田、熊沢のみ
8.廊下天井に手紙が存在したことはない
9.全ての人物はノック音を誤認することはない

5項が無ければ、ノックをした者は食堂の中にいた人物なのではないかと考えていました。ノックの発生源が扉の内か外かって案外わからないものですし(少しくぐもった感じになるかもしれませんが)。
食堂の中からノックをし、音を聞いてみんなと扉を開け、手紙を見つけたふりをして手紙を取り出す。こんな流れだったのではないかと。
これが正解だとすると3,4,6,8,9項を説明はできるんですよね。
ですが、大きな壁になるのが5項。もはや、誰もノックをしていないのであれば、ノック音が間違いとしか言いようがありません。となると、食堂の人物全員が"ノックがした"と言い張っているぐらいしか考えられないような?わざわざそんなことをする理由は想像がつきませんが、こんな描写をする以上、何か目的はあるはずです。
存在しないのならノックを誤認しようもないとなると、9項から逸脱することも無いですし。


~第一の殺人~
上記の通り誰が出した赤かがわからず、確定事項として認められるのがどれかわからないので、赤き真実(こうなると真実なんてのもまやかしですよね)は置いておいて、気になった点からお話してみようと思います。

・戦人は死体と一緒に寝てて何も気付かなかった?
→大量に出血してたようだし、臭いとかあるでしょうに
・死体と一緒に寝てたはずの戦人が何で疑われてない?
→作中でも言われますが、こんなの第一容疑者でしょうに
今回は戦人もあくまで駒の一つみたいなことを言われていたことより、戦人を真っ先に疑っていました。なのに何故か夏妃のアリバイの話ばかりでどういうこっちゃとなってました。
私はエリカの調査とか一切信用していませんし、エリカの調査も実際に戦人が何もせずに就寝したことを裏付けるものではありませんし、それに対してベルンカステルが赤を出そうとそれが何だという考えですし。
ともかく、戦人の容疑は全く晴れていないまま話は進んでしまいます。

~死体消失~
これに関しては、赤き真実では言われていませんが、状況より生存が確定している人物は全員にアリバイがあるはずです。アリバイが無いのは姿が確認されていない蔵臼ぐらいでしょうか(金蔵は死亡が確定しているので話から除外します)。蔵臼が犯人でなければ死体を動かすことは誰にも不可能です。
誰も動かせないということは、誰も動かしていないというのは当然の帰結です。なのに死体が亡くなっているという状況が発生しているということは、死体が動き出したと考えるよりありません。ですが、当然ですが死体が動き出すなんてことは有り得ません。ということは、
1.全員が死体を見失った
2.死んでいるという前提が間違い
この2パターンぐらいしかぐらいしか無いでしょう。
まず1ですが、書いておきながらなんですが、まあこれは無いだろうなと思っています。安置している死体を登場人物の全員が見失うなんてコントでもやらないでしょうし、これをエリカが見逃すなんてことも無いはずです。まあエリカは死体を見てないですけどね。
となると2……でしょうか。実は生きていて、誰も見てない内にどこかへ立ち去った。こっちの方がまだ現実的ではあると思います。
これだと、検死で偽証した南條は確定で犯人サイドということになります。他にも、死んだふりを見逃していたとなると、戦人、絵羽、秀吉、留弗夫、霧江あたりもグルでもおかしくはなさそうではあります。また、"首の傷さえ隠したら眠っているだけにも見える"(意訳)というのも、偽装箇所は一点で済んでいるとも言えるわけで。エリカも死体を見たわけではないです。
ただ、これだけの人数で誰に対して、どんな目的でこんな大掛かりな狂言を行ったかとなると……これまた全く想像がつきません。


~秀吉の殺人~
これに関しては私が持っている違和感は一点です。
現場を保存すると言いながら死体を動かすのはどんな理由があろうとNGでしょう。これではとてもじゃないですが現場を保存しているとは言えません。
こんな不自然極まりないことをした理由は……何でしょうか?死体を見られたくなかったとかでしょうか。として誰に?死体を見ていないのはエリカと夏妃だけなので、この論が正しいとすると、この二人のどちらか(もしくは両方)が対象になるでしょうか。でも、客間に動かしたということなので、別に後で死体を調べようと思えばいつでもできるんですよね。その割にはエリカは秀吉の死体に一切興味を示していないのが謎です。密室の謎があろうと、死体状況という多くの情報が埋もれているはずの物体に触れないのは不自然です。エリカも大概不自然な行動多いんですよね……


この後の裁判とかはそんなにお話することも無いですが、ノックスの十戒にぐらいは触れておきましょうか。以前記事書いた縁もありますが、その時とは私の考えが変わっている部分も多分にあると思います。
ノックスの十戒は、作中でドラノールやワルギリアが一部述懐しているように、本来は"作者・読者間(今はゲームだからプレイヤーが正しいですか)で信用を担保するもの"だと思います。
私は、どうしても十戒に則っていないといけないなんてことは無いとは思っています。そういう、言わばお約束のようなものに挑戦するようなものはあっていいでしょうし、むしろそういうのが無いとミステリの可能性は広がっていかないでしょう。
また、私は読者に解けないタイプの作品であろうと興が乗れば全力で考察するタイプなので(今やってる考察でおわかりかと思います。うみねこが考えて解ける作品か知らないですし)、結果アンフェアだろうとあまり気にならないのですが。解けない設計だと最初から明言されていても、どの部分でそうなっているのかを考察するのも楽しいと考えている、というのもありますが、流石にそういう人は少数派な自覚はあります。

あと、今回は初めて戦人が紗音と嘉音を同時に見たEpだったと思います。人物関係はこれまでと同一というのを考えると、これまでも紗音=嘉音というのは間違いだったのでしょうか……