古馬中長距離戦線

王道路線とも言われるこの路線で、傑出した成績、もとい完全制覇に近づいた馬を見ていきましょう。
対象は天皇賞か勝ち抜け制度では無くなってからの期間とします。


シンボリルドルフ(1985年)
春天:1 宝塚記念:不出走 秋天:2 ジャパンC:1 有馬記念:1
宝塚記念は故障、そのせいで当時はあまり無かった休み明けでの天皇賞で2着。それ以外は勝ち切ってる辺りは流石の三冠馬。相手関係的には宝塚記念頃の頓挫が無ければ全部勝ってた可能性は高いと思います。

タマモクロス(1988年)
春天:1 宝塚記念:1 秋天:1 ジャパンC:2 有馬記念:2
秋3戦の相手は歴代でも屈指の名馬オグリキャップ(対戦成績は2勝1敗)、ジャパンCは外国馬全盛時代でのこの成績は数字以上に惜しかったと言えるでしょう。もっと評価されてしかるべきだと思います。
晩成の上がり馬のイメージが強いながら現年齢4歳であっさり引退していますが、もう1年現役を続けていても、相手は平成3強(オグリキャップ、イナリワン、スーパークリーク)で強化され、勝ちを積み上げられたかは神のみぞ知る範囲。

スペシャルウィーク(1999年)
春天:1 宝塚記念:2 秋天:1 ジャパンC:1 有馬記念:2
タマモクロスと同じ3勝2着2回ながら、グラスワンダーに2回負けてるせいかあまり惜しい気はしません。少し制度に助けられた感もしますが、グラスワンダーが例えば春天に出てきて勝てたかと考えるとそれも疑問で、結局こんな感じに落ち着きそうではあります。ただしジャパンCは外国馬が好メンバー。

テイエムオペラオー(2000年)
春天:1 宝塚記念:1 秋天:1 ジャパンC:1 有馬記念:1
唯一全て勝った馬。相手関係が微妙(どの時代にいても善戦マンっぽいメイショウドトウやナリタトップロードがライバル)ながら、それでも全部勝ち切るのは偉大という他ありません。最大瞬間風速がインパクト大きくを語られがちですが、故障をしないタフさ、どのコースでも力を出せる安定性能も競走馬として重要な能力です。

ゼンノロブロイ(2004年)
春天:2 宝塚記念:4 秋天:1 ジャパンC:1 有馬記念:1
3勝2着1回、秋古馬三冠達成はテイエムオペラオーとの2頭だけと見るともっも評価されるべきなのかもしれません。
ペリエで勝ってペリエじゃなくなって勝たなくなったせいで、ペリエが勝った印象の方が強くなってしまっているのと、負けた時が完敗で印象が悪すぎるせいか、この成績でもあまり王者感は無かった感じがします。相手関係も微妙で、あえて言うなら押し出された王者感。

ディープインパクト(2006年)
春天:1 宝塚記念:1 秋天:不出走 ジャパンC:1 有馬記念:1
秋天不出走は海外遠征によるものなので致し方なし。相手関係的には日本に残っていたら問題なく勝てていそうではあります。流石は三冠馬。

キタサンブラック(2017年)
春天:1 宝塚記念:9 秋天:1 ジャパンC:3 有馬記念:1
全部出てくることも珍しい現在で、全部に出て3勝は立派。ここには加えていませんが、G1に昇格したばかりの大阪杯も勝っています。
この年だけを見るとそこまで惜しくもないですが、生涯成績だと宝塚記念3着とジャパンC1着があり、年間でなく生涯でなら完全制覇に最も近づいたと言えます。