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AI時代に挑む!―現場で輝くメンテナンスエンジニアとして未来を切り拓く

昨今、生成AIの進化は目覚ましく、オフィス業務や定型作業の自動化が急速に進んでいます。一方で、実際に現場へ赴き、設備の点検・修理を行いながらお客様と直接向き合うメンテナンスエンジニアは、AIでは代替できない貴重な存在です。本記事では、生成AIの進化状況から、ホワイトカラーを中心とした一般的な職種がAIに取って代わられる現実、そして現場での非代替性について具体例を交えながらご紹介します。


① 生成AIの進化状況―時系列で見るAI革命

突然ですが、問題です。

【例題1】
「魚は走ることができますか?」

いかがでしょうか?

答えは明らかに「できません」ですね。誰もが直感的に理解できると思います。
しかし、2020年頃にはこの問題を解くことができる生成AIはありませんでした。

2022年ごろに一般公開された初期の生成AI(ChatGPT‑3など)は、こうした基本的な常識問題を解けるようになりましたが、そのすべてを回答することはまだ難しく、例えば、
「地図上で、通常左側にある方角どちらですか?」
という問題では自信満々に「地図上で、北が通常左側にあります。」と答えていたそうです。
※このようなAIの能力を図るための初期の問題を「AI常識推論テスト」と言います。

さて、それでは次の問題にいきましょう。

「気候変動が2050年までグローバルサプライチェーンに与える影響を、生態系サービス損失と経済モデル(例:DICEモデル)を用いて推定せよ」

………何を言っているか全くわかりませんね。

この問題は「人類最後の試験」と呼ばれている最新のAI能力確認用のテストになります。
当該領域に精通した博士号取得者でも回答を迷うような内容ですが、
2025年2月に発表された最新の生成AIモデル(ChatGPT Deep Research)ではこのような問題を正確に理解し、論理立てながら博士も唸る内容を答えることができます。
2年前は地図の方角も分からなかったのにも関わらず、今では様々な領域の博士レベルの専門性が問われる問題が解けてしまう生成AI。10年後どのようになっているか全く想像できないですね。

初期のAIは、日常的な質問にはある程度対応できても、こうした高度な専門問題には対応が難しく、その能力には限界がありました。しかし、パラメータ数や学習データ、計算リソースの大幅な増加(=スケーリング則の効果)により、最新の生成AIは急速に能力を伸ばし、かつて「人間の知恵」と信じられていた部分を凌駕するまでに進化しました。将来的には、未知の現象をリアルタイムでシミュレーションする日も遠くないでしょう。


② 生成AIによって代替される仕事―AIが奪い去るホワイトカラー業務

生成AIの進化は、特に一般的なホワイトカラー業務に大きな影響を与えています。調査機関の予測によれば、日本の労働人口の約49%が10~20年以内にAIやロボットによって代替される可能性があるとされています。恐ろしい世の中ですね。

具体的には、以下のようなホワイトカラー業務が影響を受けると考えられます。

  • 一般事務・データ入力・文書作成
    定型的な文書の作成やデータ入力、報告書の作成などのルーチンワークは、AIが既に自動化技術を活用して効率化しており、従来のオフィスワークが次第にAIに置き換わっていくでしょう。

    実際、今回の記事自体も、生成AIの力を活用して作成されました。
    ※文中の画像も弊社社員写真以外はAIによって生成されています。

    こうした事実は、ホワイトカラー業務が自動化され、必要性が薄れる現実を象徴しており、今後も定型業務がAIにより大幅に効率化されることを裏付けています。

  • 経理・会計処理
    膨大な取引データの入力、計算、帳簿管理など、定型的な経理作業は、AIによる自動化で正確かつ迅速に行われ、将来的には経営分析の一部まで担う可能性があります。

  • コールセンター・カスタマーサポート
    定型的な問い合わせ対応は、AIチャットボットや自動応答システムが迅速に処理するため、従来の人間の作業が大幅に削減されるでしょう。

  • データ分析・リサーチ
    大規模なデータの解析や初歩的なレポート作成も、AIが短時間で実施できるため、従来のアナリスト業務の一部が代替されるリスクが高まっています。

このように、ホワイトカラーの業務(定型性が高く、ルールに基づく処理が主な業務)は、AIが非常に得意とする分野です。その結果、これらの業務は今後ますますAIに取って代わられ、人間が従来担っていた役割が変わり、場合によっては必要なくなる可能性が高いのです。


③ 現場職たるメンテナンスエンジニアの非代替性―「手と心」で守る現場の安心

一方、物理的な現場での業務は、AIによる自動化が難しい領域です。電気設備、半導体製造装置、プラント設備などのメンテナンスや修理は、実際に現場に赴いて微妙な異常を直感的に感じ取り、迅速に判断・対応する必要があります。これらの作業は、単なるデータ処理ではなく、実際の「技能に裏付けされた手仕事」と「対面コミュニケーション」が不可欠です。

さらに、メンテナンスエンジニアは、お客様との直接対話を通じて信頼関係を築き、安心感を提供しています。たとえ最新のAIが高度な解析能力を持っていたとしても、温かみのあるコミュニケーションや、その場の状況に応じた柔軟な対応は、機械には再現できません。現状、ロボット技術で完全自動化を実現するには技術的・コスト的な壁が高く、現場で活躍するエンジニアの価値は今後もますます高まるでしょう。

またAIを稼働させるためには「莫大な電力」が必要になることはご存じでしょうか?2022年の世界全体での消費電力量は460T(テラ)Whでしたが、生成AIがより本格的に使用される2026年にはその倍の1000TWhが必要になると推計されています。
その電力を賄うためには当然大量の電力設備が必要となり、設置するための工事や電力を安定して提供するためのメンテナンス需要が高まっていくでしょう。

生成AIプログラムを回すためには大量の半導体(GPU)が必要ですが、その生産のためには一つの工場あたり何万台の半導体製造装置が必要です。
今後半導体の増産は常に続く見込みであり、半導体製造装置の立ち上げやメンテナンスを行う技術者の需要の増加が見込まれています。

このように「ハード」を扱えるメンテナンスエンジニアの需要はどんどん高まっていくのです。


結び―未来を支える現場のプロフェッショナルへ

生成AIは急速に進化し、ホワイトカラー業務はAIによって効率的に代替されるリスクが高まっています。しかし、実際に現場に赴き、物理的な設備の点検・修理やお客様との対面コミュニケーションを行うメンテナンスエンジニアは、AIでは代替できない「手と心」を武器に、安心と信頼を提供する重要な役割を担っています。

もし、あなたが「技術と共に歩みながらも、現場で人間ならではの判断力と温かいサービスで社会に貢献したい」と感じるなら、ぜひ私たちのチームに加わり、次世代のインフラを守る現場のプロフェッショナルとして未来を切り拓いてください。

未来の働き方は、AIが得意な定型業務と、人間ならではの対面コミュニケーションが求められる現場業務が共存する社会です。定型業務はAIに任せ、現場での「手と心」で築く安心・信頼のサービス―これが、これからの時代における大きな価値となります。

さあ、あなたも未来を支える現場の一員として、新たな挑戦に踏み出しましょう。応募方法や詳細な情報は、弊社採用ページをご確認ください。あなたの挑戦と情熱を、私たちは心よりお待ちしております。