マイスターエンジニアリングの紹介~財務経理部編~
初めまして、財務経理部長の井手口です。ここでは、当社グループにおける財務経理部門のユニークな日常業務のご紹介をさせていただきます。おそらく、皆さんが想像される財務業務・経理業務とは少し趣が異なっているかもしれません。連邦経営を標榜する私達のグループに、独特な業務の色といっても良いかもしれません。
自己紹介
私は1986年に大学を卒業し、大和証券から社会人のスタートを切りました。所謂、バブル直前の頃です。その後、リクルートの金融子会社、不動産管理会社と会社を移り、ご縁を頂いて、当社に2021年4月から参画させていただいています。会社は変わっていますが、職務は35年以上ほぼ一貫して、財務、経理部門で経験を積んできました。日本の会計制度、税務、ファイナンスの変遷を長きにわたり体感してきたわけです。大学で学んだ財務諸表論は過去の遺産になってしまいました。
当社では、若い経営陣の方々と直接議論しながら、日本の超重要インフラの維持、少し大げさに言うと日本の国力の維持、というとてもやりがいのある目的に向かって汗を流しています!
職場の雰囲気: The 経理のイメージとは違う!
一般的な経理業務というと、デスクワーク中心でひたすら計算をしている・・・という印象があるかもしれません。当社の財務経理部の特徴としては、20社近くのグループ会社の様々な方々と積極的にコミュニケーションを図り、主体的に業務改善を提案する企画部署としての面白みがあります。話好き、コミュニケーションを主体的に取るメンバーが多く、黙々と作業をする財務経理部のイメージとは正反対の部署だと考えてください!
業務紹介: 中核戦略"M&A"に関わるシゴト
いわゆる、月次決算、四半期決算と本決算、開示業務、申告納税、といった季節行事に追われるのが一般的な財務経理部門ですが、私達のもう一つの重要な業務はグループ会社支援です。
会社の目指す超重要インフラ維持のため、積極的にM&Aを進めており、私が参画した2年前から既に10社以上の仲間を迎え入れています。そのほとんどが小規模で後継者問題に悩みを持たれた企業です。当然、管理業務については最小限の人員で対応されており、私達が求める、連結業務、リスク管理等を実現するためにはマイスターエンジニアリング管理部門の支援が必要になります。
大企業で専門性を磨いてキャリアを積んでいく道とは逆に、規模は小さいながら、会社運営全般に関わりながら、グループ会社経営陣とダイレクトに関わりながら仕事を進めていくのは、ダイナミックさにおいて大きな魅力があると感じています。
以下にグループ会社支援について、いくつかの事例をご紹介させていただきます。
課題はまだまだたくさんありますが、その課題解決自体にメンバー共々やりがいを感じ、日々レベルアップをしています。
1.月次決算
既にグループ入りされている会社はさておき、新規にグループに入っていただいた会社のほとんどがタイムリーな実績集計が出来ていない状態です。例えば、7月の実績を把握できるのが、9月下旬という場合もあります。こちらを、会社規模にもよりますが、翌月初旬には実績をまとめていけるよう、ひとつひとつの日常業務の改善を行っています。
得意先からの検収確認書の受取早期化&売上登録の早期化、外注先からの請求書受領後の支払い業務の効率化、従業員の経費精算の効率化等、定型的な業務については標準形・システムを用意して、それぞれの会社に最適な仕様で業務改善に取り組んでいます。まさに創意工夫が求められる業務となります。
2.連結業務
当社グループは成長スピードの早期化のため、創業家によるMBOで非公開会社化しています。そのため、一般的な開示業務、そのための金商法決算、監査対応という一連の業務からは解放されています。
一方で、M&Aで積極的に借入金を活用しているため、金融機関宛の決算報告業務が必要となります。そのための連結業務です。
スケジュールとしては一般的な開示時期よりも余裕を持たせていただいており、新規グループ会社の支援をしながらなんとか間に合わせているところです。
特に各社のデータ作成場面で結構な時間、要員を充てており、この改善は、仲間を増やしていくことが続く限り、継続して取り組む必要があります。各社の事情を汲みながら、知恵を出して業務改善していく作業は、様々苦労もありますが、達成感も大きな取組だと感じています!
3.資金繰り
資金繰りと聞いてまず思い浮かべるのが、支払に間に合わせるための資金調達ですが、私達のグループ会社においては、人材が主たる資産であり、設備投資に多額の資金を必要としない会社が多く、キャッシュリッチな状態です。そのため、グループ内の余剰資金をいかに有効に活用するかが主な課題となります。
私達は資産管理のためのグループ会社を設立して、グループ内の余剰資金を集中させ、主にM&Aのための投資に充てています。そのために、グループ各社の入出金サイクルを把握し、余剰資金額の算出、資金移動といった対応が資金繰りの主な課題となっています。
4.リスク管理
たとえ小規模であっても、お客様、発注先等、取引先との関係を健全且つ誠実に続けていく体制、仕組みは重要です。信用は何物にも代えがたい財産なのです。
そのためには、すべての業務が、「間違いなく」「時期を違えず」実行される必要があり、それを担保するのがリスク管理という業務です。請求された金額を約束の日にきっちり支払う、言葉にすると当たり前ですが、これを日常的にすべての請求書に対して実行していくのは、実は確りとした業務手順が必要なのです。この業務手順をグループ会社の方と相談しながら作り上げていくのがリスク管理です。少しの専門的な知識、多くの業務実態への理解があって実行可能です。つまり、グループ会社の事をよく知らないと出来ない、そういう業務となります。
5.企画立案
今後の経理業務は、手作業、集計作業というものは、DX化によりなくなっていきます。当社の財務経理部は、先んじて未来を見据え、クラウド会計、経費精算システムの導入など企画立案を行っております。グループ会社へも導入支援を行っているほか、現状の業務フローを見直し、1名の経理部員が3社以上担当できる仕組みづくりを推進しているところです。また、その先として、各グループ会社のCFO人材を育成していくことを目指しており、活躍できるフィールドはかなり広がっているとみています。
最後に: 財務経理に求められるものとは
いかがでしたでしょうか。普段見聞きしない言葉がある為、分かりづらい部分もあったかもしれませんが、多くの仕事に共通しているのが、相互理解です。私達の実現したいことを理解してもらう、同時にグループ会社の事情も良く理解する、この二つがあって初めて成立するのです。
そのためには実はコミュニケーションがとても大事な仕事とも言えます。デスクワークであることを否定はしません。しかし、そればかりでは成り立たない、それが私達の財務経理業務と言えます。勿論、簿記・財務・税務・管理会計等様々な知識を学んでいただくことを続けながら、グループ会社での実践を、上司若しくは先輩社員とタッグを組んで取り組んでいます。成長機会をふんだんに提供できると自負しています!