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【取締役インタビュー】「社員ファースト」にかける想いと展望について、熱く語る。

今回は、マイスターエンジニアリングの取締役でありメカトロ事業部長でもある福冨弘敦さんに、「社員ファースト」の具体的な取り組みと、その実現にかける熱い想いについてお話を伺いました。

▼マイスターエンジニアリングが大切にしている「社員ファースト」な企業文化についてはこちらで解説しています!

福冨 弘敦 / 取締役・メカトロ事業部長 

2023年8月当社入社し、2023年11月より現職。JVCケンウッド(旧:日本ビクター)では次世代テレビの研究開発や商品企画、海外工場のライン立ち上げ、サプライチェーン構築を経験。株式会社ミスミではFA向け新商品の製造販売事業を立ち上げ、新規顧客開拓や技術開発基盤を構築。事業化後は事業部長として戦略策定、組織運営、人材育成を担当し、新商品開発による売上成長と収益改善に貢献する。

エンジニアからビジネスサイドへのキャリアシフト

ーーそれでは、簡単にこれまでの経歴について教えてください。

最初に入社したのは株式会社JVCケンウッド(旧:日本ビクター)で、約10年在籍しました。大学は理系で、JVCケンウッドにはエンジニアとして入社しています。入社当初はテレビの開発や設計をしていましたが、後半の3年ほどは、プロジェクトリーダーや新規事業の立ち上げ責任者を務めました。様々な経験を経て、エンジニアから事業の開発や企画にシフトしていきました。

多くのメーカーでは、設計、開発、生産、調達などの機能が分かれていますが、JVCケンウッドでは研究から商品開発、設計、生産現場までを一貫して経験できました。また、海外の生産ラインの立ち上げにも携わる機会があり、早い段階で新事業の企画や立ち上げにも広く関わることができたのは幸運でした。これが1社目での経験です。

ーーそれから、転職をしようと考えたキッカケはなんだったのでしょうか。

エンジニアからビジネスサイドへの仕事にシフトしたことで、今後は事業系や経営系のキャリアを伸ばしたいと考え、本格的なキャリアチェンジを目指しました。転職先として選んだ株式会社ミスミは戦略的経営を掲げ、経営リーダー育成と事業に必要な機能の一気通貫運営を実践されていましたので、自分のキャリアにプラスになると感じました。さらに、モノづくりのフィールドに親和性があることも決め手となり、転職を決意しました。

ーー2社目の株式会社ミスミでは、どのようなご経験をされたのでしょうか。

新規事業の立ち上げメンバーとして入社し、その事業が事業化されてからは、他領域も含めた事業責任者として約10年間在籍しました。

ーーJVCケンウッド、ミスミと経営に大きく携わる仕事・経験をされてきた中で、マイスターエンジニアリングに転職された理由をお聞かせください。

マイスターエンジニアリングの経営陣と話す機会があり、同社が株式の非公開化を契機に「第二創業期」に入ったと知りました。また、私のキャリアが「モノづくり×経営」にあることから、このタイミングで同社の第二創業期という変革を経営メンバーの一員として牽引していくことは、私にとってもマイスターエンジニアリングにとってもプラスになると感じたのです。

社員ファーストのキーは「安定」と「成長」

ーーこれまでに技術と経営の双方の視点から事業拡大に繋がるお仕事をされてきました。その視点から見て、「メーカーで働くこと」と「技術サービスで働くこと」の違いについて教えてください。

最も大きな違いは直接的な「人に対する投資」で、この点は技術サービスに大きなメリットがあると感じています。
経営において「人」が重要であることは、メーカーも技術サービスも変わりありません。ですが、メーカーは工場の機械や金型などの設備にも大きな投資をする必要がある一方で、当社のような技術サービスは人材こそが事業の肝ですので、「人」に経営資源を集中できるのです。これはエンジニアにとって大きな違いです。

実際、マイスターエンジニアリングでは、OJTに加えて、人材の成長を促進する仕組みを構築していますし、継続的に拡大・強化しています。当社の経営陣が教育を重要な要素と捉え、リソースを投入しているのです。

ーー研修紹介の記事でも触れられていた「学びの科学」からも、貴社の教育体制は綿密に作り込まれている印象があります。

研修プログラムの作り込みは非常に高いです。例えば、研修に注力できない企業では「eラーニングなどの研修コンテンツを1回視聴したら終わり」とされがちですが、当社では各プログラムに対してインプットから実践、そして実践された内容が身についているかを確認し、着実に次のステップへ進める体制が整っています。

「研修の企画・現場への落とし込み・研修の実行・改善」といったサイクルを継続するには多くのリソースが必要ですが、当社では優先度を高く位置付けて実行しています。これが、業界の中でも手厚い研修体制として評価されている理由です。

ーーマイスターエンジニアリングでは「社員ファースト」という言葉がよく語られます。「社員ファースト」について、具体的にどのような意味を持つのか教えてください。

「社員ファースト」とは広義のキーワードですが、私が解釈する「社員ファースト」は「社員の価値最大化」です。その実現には2階建ての構造で考えており、1階は「安定」で、2階は「成長」です。

まず、1階の「安定」のレイヤーでは、社員が安心して長く勤められる環境を提供するために、福利厚生や社員ケアを拡充しています。

2階の「成長」のレイヤーでは、安定して長く働けるだけではなく、エンジニアとしての成長を最大化することを目指しています。そのために、「学びの科学」のような科学的アプローチを取り入れた育成プログラムや改善サイクルを整えています。

現在、私が担当するメカトロ事業部には約1000名のエンジニアが在籍しており、エンジニアを必要とするお客様も多くいます。

私の使命は、エンジニアがその価値を最大限に発揮できる環境をグループ全体で用意することです。エンジニアが安心して働き続け、成長し続けられる環境を提供することが、私が考える「社員ファースト」です。

ーーエンジニアの「価値」とはどのようなものでしょうか?

「お客様(市場)に求められる」ことを「価値」と捉えています。お客様に「この人に仕事を依頼したい」と思っていただけるエンジニアを育てることが目標です。

お客様からの指名が増えれば、その分、派遣単価も高くなり、その利益は社員に還元されます。遠い未来のための価値向上ではなく、当社で成長し続けることで、すぐにでも人生を豊かにできるよう、人事制度の改訂も進めています。

ーー「社員ファースト」を「安定」と「成長」の2点に置いた理由は何ですか。

成長を続けるためには安定が非常に重要です。どんなに成長したくても、地盤がグラグラしていたら、力一杯飛び立つことはできませんよね。安定した基盤がなければ持続的な成長は難しい。一部の「ジャンプ力がある人」だけが飛び立つ会社には多くの人材は集まりませんし、働き続けてくれません。社員全員が飛び立てる基盤を整えることが、「安定」と「成長」という2つの軸に込められた想いです。

ーーありがとうございます。「社員ファースト」への取り組みの他に、福冨さんが特に力を入れている施策や取り組みはございますか。

メカトロ事業部には約1000名の社員がいますが、4年後には1500名にする計画を現在進めています。この成長スピードで事業を拡大していく中で、「安定」の要素である社員へのケアの「質と量のバランス」を取ることが重要だと考えています。

まず「量」について、年々増えるエンジニアに対してスタッフが常に現場でフォローすることはなかなか現実的ではありません。そこで、ITやデジタルの力を使って「Geppo」というシステムを導入しました。

これは、簡単に言えば「スマホでサクッとSOSを出せる」仕組みです。年に数回の面談ではタイムリーにエンジニアをサポートすることが困難なため、Geppoを使ってスタッフの負担を軽減しながらタイムリーにSOSを拾い上げてフォローする体制を整えました。このシステムの導入等により、退職率を昨年度より4割減少させることができました。

課題としては、どんなに良いシステムでも使われなければ意味がありません。社員にとって意味のあるシステムであることを伝えて使ってもらい、丁寧にモニターすることが重要です。これをマネジメントの定常タスクとして実行してタイムリーにサポートすることで、社員からの信頼度が上がり、一層使ってもらえる好循環が生まれます。当たり前のことを当たり前にできる会社が強いのです。

▼詳しいGeppoの取り組みについてはこちらの記事をご参照ください!

「質」については、デジタルのフォロー体制だけでなく、社員と顔を合わせて課題やキャリアを聞き、寄り添っていくことを継続していきます。この2つの組み合わせを、規模が広がっても変わらず取り組んでいき、「量も質も高い対応」をしていきたいと考えています。

▼詳しい社員ケア体制についてはこちらの記事をご参照ください!

ここはまだ通過点。社員教育を通して、社員の生活と日本を支えていく。

ーーそれでは最後に、今後の取り組みについてお聞かせください。

先ほどお話しした社員ケアの点では、SOSを見逃さないための精度を上げることが重要で、そしてその先には「本人がSOSを出す前に察知してサポートするか」が、重要となるでしょう。

今後は集めたデータを分析して「データがどのようなパターンになると社員にとって最適なタイミングなのか」を導いて改善を重ねたいと思っています。これにより社員からは、一層「良いタイミングで来てくれた」「困った時に連絡をくれて相談に乗ってくれた」と感じてもらえるでしょう。

ーーその仕組み作りや改善のサイクルは、かなり手間がかかりそうですね。

確かに難しい取り組みですが、当社の強みにも繋がります。ただ、まだ軌道に乗ったばかりです。社員が手に負えながら改善が積み重ねられる仕組み作りは、終わりのない課題とも言えます。

また「価値の最大化」においても、例えば「メカトロ事業」と一言にしても、フィールドエンジニアの領域もあれば、ソフトウェア、機械設計、生産技術、FAなど様々な領域があります。また業界も多様で、半導体、医療、重電など、必要な技術や知識が多岐に渡ります。

ーー技術領域が広い分、研修も多様化していく必要がありますね。

そうですね。現状、我々が社員に提供できている研修が「網羅されている」とは言えません。幅を広げて、より多くの社員に成長の機会を提供する必要があります。同時に、特定の価値を最大化するための専門的なコンテンツを磨くことも重要です。
研修には0から1、1から10、10から100に持っていく異なるレベルがあります。社会全体として人手不足が課題とされている中で、日本中でエンジニアの供給が追いつかなくなる可能性があり、「非エンジニアをエンジニアに転換する」、つまり0から1に育てていくための教育体制は、日本の人手不足解消にも貢献できる大切な取り組みだと考えています。
当社の人材育成のコンセプトである「広く受け入れ、踏み出させ、育て続ける」にある通り、広い世界から多くの人材を集め、エンジニアのプロフェッショナルとして成長してもらえる環境づくりを、これからも続けてまいります。

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