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【まとめ】関西国際空港早朝便不便問題~なぜ人々はコスパ最悪の前泊を選択するのか~

0 はじめに

 私は、関西国際空港(以下「関空」という)を海外に行くときによく使っていますが、大阪北部、京都、兵庫からは遠いなあと思います。

 特に不便なのは早朝便。せっかく安い航空券を買ったのに、家から早朝便に間に合う空港へのアクセス手段がなかったので、やむなく関空のベンチで朝まで待ったという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 本記事では、関空の早朝便というコスパ最高に見えるチケットをバーゲンセールで手に入れた人々が、前泊という飛行機に乗るまでに疲れてしまうコスパ最悪の選択肢を取らざる得なくなるのか解説していきます。


1 関空へのアクセス手段について

 関空は日本でも数少ない24時間空港でありますが、夜間帯に離着陸するのは貨物便のみで、夜中に旅客便が発着することはありません。

 それに合わせて、関空島への出入りの公共交通機関も24時間動いているわけでもなく、0~5時の間に関空島に出入りする手段は、自家用車かタクシーしかありません。

 コロナ禍前は、関空・梅田間のリムジンバスが24時間運行を行っている時期もありましたが、ニューノーマルになっても再開していません。

 また、成田空港と異なるのは、成田空港は第1~3ターミナルの近くまで鉄道でアクセスすることができますが、関空の第2ターミナルは鉄道駅から連絡バスに乗らないとアクセスできません。

 ちなみに、第2ターミナルへの連絡バスに乗るためには、駅の改札口からバス乗り場まで荷物を持ちながらだと歩いて3~4分。バスに乗って7~9分かかり、鉄道の始発に乗っても、第2ターミナルに行くためにさらに時間がかかり、早朝便のチェックインに間に合わない場合があります。

 実際、第2ターミナルから出発するPeachの公式ホームページで以下のとおり掲載しています。(6:35初のPeachの便は実際に運行されているかは不明)

Peach公式ホームページから引用

2 関空への公共交通機関の始発時刻

 次に、関空への公共交通機関の始発時刻を見ていきましょう。

1 鉄道(2025年2月9日時点)

JR日根野5:34始発 関西空港駅 5:44着
JR天王寺5:25始発 関西空港駅 6:09着
南海泉佐野5:20始発 関西空港駅 5:28着
南海なんば5:15始発 関西空港駅 5:58着

2 リムジンバス(2025年2月9日時点)

大阪駅前4:55始発 関西空港T2 5:47着
神戸三宮4:40始発 関西空港T2 5:56着

 ただ、これらの始発に乗ることができるのは、この鉄道やバスの出発時間までに天王寺、なんば、大阪駅前、神戸三宮等のターミナル駅に来ることができる人または始発の途中で止まる駅に来れる人限定なので、公共交通機関での関空への早朝アクセスは極めて厳しいです。

3 搭乗手続きの締め切り時刻は?

 サンプルとして、早朝便を多く運行しているPeachの公式ホームページ掲載されているPeachの基準で行くと、チェックインはアプリで行ったとしても、手荷物預かりの締め切り時刻は、国内線で出発30分前、国際線で50分前になっており、誰も手荷物カウンターの列に並んでいなければいいのですが、当然そのようなことはなく、ある程度余裕を持って、6~7時台出発の便に乗ろうと思えば、都心部からの電車やリムジンバスが来る前に搭乗手続きを済まさないといけません。
 そのため、選択肢としては、後述する空港島の中で深夜帯の時間を過ごすか、泉佐野駅近くのネカフェで時間を潰すことになります。
 少しでも早く現地入りすることに重きを置いている方でないと、ホテルに宿泊し、朝食も食べる暇もなくチェックアウトでもいいということにはならないでしょう。

4 早朝便でどのような行先の便があるのか?

 コロナ禍前は、LCCで狂気の6時台の便もありましたが、いつまでも改善されない空港アクセスに諦めたのか、チェックイン、預け荷物カウンター、保安検査等のトラブル多発したのか真相は不明ですが、狂気の6時台の便は少なくなっています。

 あと、チェジュ航空が昨年末の事故の影響で運行本数を減らしている影響もあるのではないかと思います。

 以下、2025年2月9日の6~7時台の国内線、国際線の主な行先をまとめました。

1 国内線(2025年2月9日時点)

JAL JL220 6:45発 羽田行き(T1)
ANA NH990 6:50発 羽田行き(T1)
Peach MM151 7:00発 福岡行き(T2)
Peach MM233 7:10発 石垣行き(T2)
Peach MM131 7:20発 仙台行き(T2)
Peach MM209 7:40発 沖縄行き(T2)

2 国際線(2025年2月9日時点)

Peach MM23 7:15発 台北行き(T2)
Jetstar GK53 7:25発 台北行き(T1)
Peach MM6701 7:40発 ソウル行き(T2)
Peach MM63  8:10発 香港行き(T2)

 国内線は鉄道の始発で行けば、なんとかなるかなあという印象は持ちます。特に始発の羽田行きは、関西方面から羽田に一番早く着く便ですので、少しでも早く現地入りしたいという需要に応える便だと思います。
 一方、国際線は、手荷物、保安検査、出国審査の時間を考慮すると、厳しいなあという印象です。特に、7:15発の台北行きは、大阪中心部からの始発列車に乗っても、搭乗手続きに間に合わない可能性があります。

5 関空島で夜を明かす方法

次に関空島で夜を明かす方法をまとめてみました。

1 ホテル

ファーストキャビン関西空港
ホテル日航関西空港

2 カフェラウンジ

カフェラウンジNODOKA
※以前は第1ターミナルにもラウンジがありましたが無くなりました。

3 空港内のベンチ等

※ 荷物の管理等、何があっても自己責任

6 関空島以外で夜を明かす方法


次に関空島以外の場所で夜を明かす方法をまとめてみました。

1 りんくうタウン付近のホテル

2 泉佐野の快活CLUB等ネットカフェ

3 その他の方法

 天王寺駅、なんば駅、大阪駅、神戸三宮駅周辺の24時間営業しているネットカフェ、カラオケボックス等で夜を明かす。ただし、始発に寝過ごしたら即アウトになる。

7 まとめ

 関空の早朝アクセスの困難さにより、関空の早朝便というコスパ最高に見えるチケットをバーゲンセールで手に入れた人々が前泊という飛行機に乗るまでに疲れてしまうコスパ最悪の選択肢を取らざる得なくなる「関空早朝便不便問題」について取り上げました。
 個人的には、せっかくの24時間空港ですので、シンガポールのチャンギ国際空港のように、関空島の中で夜を明かすことができるスペースがもっと多くしてほしいなあとは思います。
 最後までお読みいただきありがとうございました。