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【体験談】廃止前に大阪から和倉温泉直通の特急に乗った昔話
0 はじめに
今回は、2024年3月の北陸新幹線の敦賀延伸前まで、1日1往復だけ運行されていた大阪駅と和倉温泉の間を直通していた特急サンダーバードに乗車した昔話を語るだけの記事です。
※ この記事は2023年10月21日に大阪駅から和倉温泉行きの特急サンダーバードに乗車した時の体験を基に執筆した記事です。なお、この乗車の約2か月後に能登半島地震が発生しましたが、本記事は地震発生前に乗車した体験を記載しております。
1 北陸新幹線敦賀延伸前(2015年~2024年)の大阪・金沢間の特急運行概要
2015年3月に北陸新幹線の長野・金沢間が開業しました。この開業に伴い、金沢から東に行く特急は七尾線直通以外の在来線特急は廃止され、在来線特急は、金沢駅から大阪方面に行く「サンダーバード」と米原、名古屋方面に行く「しらさぎ」、朝夕に敦賀・福井・金沢を結ぶ「ダイナスター」に再編されました。
この北陸新幹線の金沢延伸までは、大阪・和倉温泉間が1日3往復、名古屋・和倉温泉間が1日1往復、越後湯沢・和倉温泉間が1往復ありました。
しかし、金沢延伸後の直通列車は、大阪・和倉温泉間が1日1往復のみになり、その他の列車は、金沢・和倉温泉間の区間運転の特急「能登かがり火」に再編されました。
2 1日1往復の和倉温泉直通の特急サンダーバードのレアな特徴
1 デッドセクションを2回通る
JR線では、直流電化と交流電化という2つの電化方式があります。詳しい説明は省きますが、直流電化と交流電化の両方の区間を走るためには、療電化方式に対応した車両でないと運行できません。
サンダーバードに使われる683系は、直流、交流の両方に対応している車両です。この直流電化と交流電化の境目にある区間のことをデッドセクションと言います。
昔は、大阪駅から青森駅にまで運転していた特急「白鳥」はデッドセクションを3回通っていましたが、2024年時点で、デッドセクションを2回通る営業列車(敦賀駅構内、津幡駅構内)は、この列車のみでした。
デッドセクションを通るときは、車内の空調装置や照明が一時的に停止し、しばらく走ると動き出すという通常とは異なる動きをします。
2 金沢駅で車両増解結が行われる
他の特急サンダーバードは、車両の増解結をせずに終点まで運行しますが、この列車だけは、和倉温泉のある七尾線に最大6両までしか入線できないため、大阪・金沢間は9両編成で運転しますが、金沢・和倉温泉間は6両編成で運転します。
3 途中で三セク区間(金沢~津幡)を通る
運行区間の途中で、第三セクター鉄道であるIRいしかわ鉄道の金沢・津幡間を通ります。2015年の北陸新幹線の金沢延伸前までは、JR西日本の路線でしたが、金沢延伸時に経営分離され、第三セクターに移管されました。
3 乗車時の様子
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乗車するサンダーバード17号は、大阪駅を10時42分に出発し、和倉温泉駅には、14時30分に到着。約4時間の旅となります。
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大阪駅11番ホームには、1日1回しか表示されない「和倉温泉」の文字が表示されています。
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出発10分前くらいに入線してきました。久しぶりに駅弁を買って列車の中に乗り込みました。
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列車が大阪駅を出ると自動放送で谷村新司さん作曲の「北陸ロマン」が流れるのですが、この乗車の2週間前に谷村新司さんの訃報があったので、センチメンタルな気分になりました。
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列車は、新大阪、京都、湖西線と順調に走っていき、敦賀出発後に1回目のデッドセクションを通過しました。
敦賀から北陸トンネルを通過し、鯖江あたりを走っていると車窓に「メガネのSABAE」の看板が見えてきました。この看板は北陸新幹線の車窓から見ることはできません。
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福井、芦原温泉、加賀温泉と止まって、金沢駅到着直前に車両切り離しの準備のため、車内の通り抜けができなくなる旨のアナウンスが流れました。
金沢駅までは、指定席は大きな荷物を持ったインバウンドの観光客も多かったのですが、金沢駅でほとんど人が降りて、車内はだいぶん余裕ができました。
金沢駅出発時に「花嫁のれん号」が止まっているのを見かけました。いつか乗りたいのですが、能登半島地震発生後、ずっと運休中で運航再開の話はありません。
金沢から津幡までは、IRいしかわ鉄道を走行します。津端駅構内で2回目のデッドセクションを通過しました。
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途中、羽咋(はくい)駅に到着しました。初めて知りましたが、後で調べたらUFOの街がウリのようです。
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大阪から約4時間かけて、和倉温泉駅に到着しました。かなり長い旅でした。私はこの後、予約していた旅館に行きました。14時30分到着なので、宿泊施設のチェックインにちょうどいい時間に到着します。
4 和倉温泉直通列車復活?
2024年3月の北陸新幹線の敦賀延伸によって、大阪・和倉温泉間の直通のサンダーバードは廃止されました。
しかし、2024年12月に上記の記事によると、能登半島地震の復興策の一環として、大阪・和倉温泉間の直通列車復活に含みを持たせているようです。
現実的な話をしますと、能登半島の日本海側にはのと里山海道が、富山湾沿いには能越自動車道が整備されていますので、直通列車でやってくる観光客の数は微々たるものだと思います。
私は和倉温泉で泊まった次の日に、輪島方面に観光に行きましたが、能登半島の観光地は、バス等の公共交通機関が少ないため、定期観光バスに乗りました。
現実問題として、奥能登の観光地である輪島朝市、千枚田、見附島の3個所を回ろうと思うと、マイカーまたはレンタカーでないと難しいと思います。
最後にお伝えしたいのは、こういう廃止されることが事前にアナウンスされている列車は、廃止まで時間的な余裕があるうちに乗っておいた方がいいと思います。
以前、函館本線の小樽・長万部間(山線)の記事を出しましたが、廃止がアナウンスされている路線は、廃止直前になって騒がれる前に乗っておく方が旅情を楽しむことができますので、余裕のある乗車をおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。