娘の「8月31日の夜に」
コロナで夏休みが延長になっている自治体もあるが、娘の小学校は今日が夏休み最後の日。いわば、8月31日のような日だ。
明日からいよいよ学校がはじまる。といっても、これは自分の話ではない。娘の話である。
家では大声ではしゃいでいる娘。だけど、学校では引っ込み思案。夏休みが入る直前には、クラスにしゃべれるお友達がいないともらしていた。
これは小さかった頃の自分に重なる。自分も小さなころは、とっても引っ込み思案だった。8月31日はとても憂鬱だった。
そして、小学校5年生の時には、不登校も経験した。
今では、会社で管理職としてバリバリ働いている。引っ込み思案だった自分は自分の中のどこかにきちんと潜んでいるけど、会社では部下に指示を出し、会議では進行役としてたくさんしゃべっている。自分でも、まるで別人だと思う。
ついさっき、会社から自宅に帰ってきた。
そうすると、寝ようとしていた娘が布団から出てきて、「おやすみ〜」と笑顔で出迎えてくれて、再び布団に戻っていった。
彼女は明日からはじまる学校をどう思ってるんだろうか。
実は平気なフリをしているだけではないだろうか。
実はとてもつらい気持ちになってないのだろうか。
元不登校児が最も恐れること。
それは自分の子供が、自分と同じように学校へ行けなくなることではないだろうか。これほど、心が押し潰されることはない。気持ちがわかりすぎるから・・・。
明日の朝になったら、笑顔で寝た彼女が「学校へ行きたくない」と言わないだろうか。
もしその言葉を聞いたら、きっと胸が張り裂けそうになるかもしれない。
たぶん、これは元不登校 かつ 心配性な親の取り越し苦労であり、杞憂に終わるものに違いない。そうは思いつつも、そんな事態を迎えないかと心配する自分もいる。
なんだか心がザワザワする・・・
明日の朝、笑顔で玄関を飛び出し、学校へ向かってほしい。
そして、「学校でこんなことあったよ!」と笑顔で帰ってくる彼女が見たい。