「青の炎」
源田の毎日映画 34日目。蜷川実花のお父さんの蜷川幸雄監督の本作。Netflixの配信終了が近いので鑑賞。独特な余韻に浸れたー
カメラワーク構成が緻密すぎてえぐい。特にオープニングのニノの登校シークエンス。独特なカメラワークに目を引かれて1秒も目を離せなかった。動と静の使い分けが上手い。細切れにして疾走感のある場面と、登場人物の感情が沸々と揺れ動く場面、定点にしてその場所の人々の動きを全体的に見せる場面ときちんと使い分けていてさすがだなと思った。カメラの高さを変えずに360度ぐるーっとまわり込んでとる映像が多くてくどいなと思ったが、ニノと警察の最後の取り調べでの360度カットは、あくまでもどっちもの登場人物に比重を置いているあのシーンを効果的に表していたと思う。
ストーリーがめちゃくちゃ好き。こういう映画が撮りたい。家族の秩序を乱す曽根。その曽根を排除するという使命は17歳には重かったのだろう。学園ならではのコメディをちょくちょく挟みながら展開されていくストーリー。妹の遥香との関係性もまたいい。殺さなくてもそのうち死んでた人を殺した罪を背負ってどんどんと追い込まれていくニノ。旧友を殺す程保身のために頑張るも結局は頭の切れる警官に全てバレて最後はトラックに轢かれにいく。17歳なりの反抗期が終わり、生きる希望を見失ったのだろうか。警官と母親が話すシーンで、自販機の故障で自販機に当たる少年の姿が、母親になんであんな男早く追い出さないんだよと怒るニノに重なって見えた。あとニノが水槽みたいなのに入っているのが、水族館のシーンと重なっているのかなとか思った。そういうセリフ回しの細かな伏線がマジで大好き。
ニノが若すぎる。びっくり。あとお母さんの顔普通に怖くないか。なんで家の中でも化粧をしているのだろうか。松浦亜弥はなんかグラビアやってる人みたいなイメージがあったがなんか知的な感じの女の子ってのが割とハマっていた気がする。あとバイト先に唐沢寿明いたが本当にあの人は顔が変わらない。凄い。
将来はこういう映画撮りたいーーー。あとあの自転車、いやロードレーサーかっこいいから欲しいな。