「マイブロークンマリコ」
源田の毎日映画 47日目。共テ終わって開放感の赴くままに防大の友人と共に鑑賞。
良かった。良かったー。音楽が何もないからかセリフの一言一句がスッと心に入ってくる。
カメラの動きもこの作品の全体的な雰囲気を壊さぬように定点長回しのカットが多く良かった。シイノが会社でタバコ休憩してるシーンで、自販機を支える金具が見えるくらいにローアングルなカットが良かった。シイノの心の重みみたいなのが表現されてるのかな。マリコの遺骨を持ちながら手紙を読んで夜道を歩く長回しカット。からのシイノが泣き崩れてうずくまるのを街灯の上から撮る上からの意味深な長い定点カット。謎だった。遺骨は腹に抱えられてるので天国からのマリコの視点ではないのだとすると、もうよくわからない。崖でマリコとシイノが抱き合うシーン。めちゃくちゃ良かった。陰になってるシイノからの日に当たったマリコの泣き顔が美しかった。
ストーリーはめちゃくちゃ良かった。友人の弔い。結局シイノが日常に戻って、最後の手紙を読んで、ただ「うん」と頷くラスト。手紙の内容はどうでもよく、ただシイノが、シイノの中のマリコを殺さぬように生きようと決心した直後の手紙を読んで、そんな自分の決心が間違ってなかったと思える納得の文章だったのだろう。良いねえ。児童虐待描写やブラック企業描写は胸が痛むけど、大好き。シイノとマリコの絆は歪だけど美しかったし憧れた。
役者ー。永野芽郁がどうしても育ちが良くてフワフワしてるイメージが強すぎて違和感が拭いきれなかった。中学生の時のシイノの子役はハマっていたが、中学からタバコ吸ってブラック企業入ってる女性にしては肌も髪も綺麗で、やさぐれとは??って感じだった。けどタバコを吸ったり口調など、努力が垣間見える演技で良かった。奈緒の浮世離れ感がメンヘラぶっ壊れ女にピッタリだった。窪田正孝は珍しくただの善人を演じていて新鮮だったけど、本人特有のミステリアスさが上手く役とマッチしてて良かった。吉田羊はさすがベテランって感じ。
シイノの爪が長くてちょっと気になった。けど良かった!漫画を買おうとまでは思わないけどちょっと気になった。