「あのこは貴族」

源田の毎日映画 27日目。なんかみたことある気がするけどうろ覚えな本作を再鑑賞。いやー良い映画。

めちゃくちゃ画が綺麗。変にカメラを動かさずに常に落ち着いた画角で動きもないのでこの映画の重みというか映画全体の高級感が増している感じがする。やっぱり夜の東京って画になるなあと思っていると、「田舎者が思い描く東京によって作られてる幻の街、東京」とまるで茨城生まれ、中高六年間鹿児島の自分に向けて言われたようでドキッとした。その後間も無く一年先に時が進み、緑豊かな場所に移動する。ずっと東京の景色を見せられたせいかとても緑が綺麗に見えた。あといちいち全部描かずに観客の想像で補えるとこを描かない作りが良かった。あと個人的には美紀と乃木坂5期生の冨里奈央に似てる人が自転車に2ケツしてるシーンがめちゃくちゃ好きだ。
貴族と庶民の圧倒的対比が良かった。松濤生まれ松濤育ちと田舎からのお上り、タクシーと自転車、高卒と慶應、平家とアパート、家族と会食する程の仲と家族と不仲、短髪と長髪。華子の箱入り娘描写が絶妙に鼻につかないラインの描写なのが良い。物語が進むにつれ華子と美紀が正反対な人生を歩んでいくが、2人とも共通していたのは人生が親にかなり左右されていることだ。またふたりとも幸一郎と深い関係になっている。あと気のせいかもしれないが赤のスカートが同じやつに見えた。美紀は会社を辞め起業をして、華子は離婚して一子のマネージャーになるという親の敷いたレールから脱線して自分のやりたいことをやっている。2人とものびのびしていたのがとても美しくて良かった。あと幸一郎のキャラクターがだんだんと評価が下がっていくあの流れが良い。最初に会った日の映画を見てないと正直に言うのは男の自分でもえぇ…ってなった。
水原希子が演技出来るのかととても驚いた。お笑い番組の司会をやってたことしか情報がなくて、ただのモデルかと思っていた。門脇麦もあまり見たことがなくて「浅草キッド」のストリッパーの役しか知らなかったので、こんな箱入り娘の役が出来るのかと驚いた。こういう類の映画の良いところは役者観を広げられることも一つに挙げられるだろう。

最後のカルテットの音楽が、自由になった華子に対する祝福に聞こえた。監督の名字が珍しすぎて調べるのに手間がかかった。また良い日本映画に出会いたい。


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