孤(独・高)

事務所に所属せず一人で活動をしていると、たまに(大部分は揶揄を込めて)「孤高のピン芸人」なんて呼ばれる。
自分だけではなくピン芸人として活動している人は何かしらで「孤高の」と言われた事があると思う。
トリオだと「三原色」「三位一体」で大卒だと「高学歴」と言われる程度の解像度なのだけど、とにかく一人で何かやっていると信念を持ち孤高っぽい雰囲気が出るのだろう。

〈孤高(ここう)とは、個人の社会生活における1つの態度を表し、ある種の信念や美学に基づいて、集団に属さず他者と離れることで必要以上の苦労を1人で負うような人の中長期的な行動とその様態の全般を指す。〉
(Wikipediaより引用)

私に関しては、ある種の信念や美学に基づいての行動や様態ではなく、単純に組んでくれる人がいないから一人でコントをしていて、事務所に入るメリットをあまり感じないから無所属なだけなのだけど、事務所に入りコンビを組んでいる人が多い芸人界では珍しがられる事もある。
会話の糸口のために「なんで事務所入らないの?」と聞かれる事もあるが、相手が納得いく返事をできた事が無い。
無所属のメリットもデメリットも知っていて、事務所に所属する事で生じるメリットとデメリットは知らないで、その差を比べて所属するかどうか決める。という事が必要な気もしているが、そんな面倒な事をするのが面倒になるぐらいの歳を重ねてしまっている。
これから理由を尋ねられたら「今更めんどくさい」と答える事にしよう。

少し話が逸れたが、要は自分の事を「孤高のピン芸人」だと思った事は無く、どちらかと言うと「孤独のピン芸人」と言った方がしっくりくる。

〈孤独とは、精神的なよりどころとなる人や、心の通じあう人などがなく、さびしいこと〉
(Wikipediaより引用)

やはり、こちらのほうがしっくりくる。

先ほど『百年の孤独』を読み終えた。
本の主題とはズレるかも知れないが、人間には必ず孤独が必要だと思っていて、孤独になり自分について考える時間が全く無ければ心が他人に浸食されて見失ってしまう。
孤独になりっぱなしは良くないが、部屋で一人きりになる事で今まで自分を保ってきた感覚がある。

小松海佑ゲストの春とヒコーキのラジオを聴いた。
文章を読む前に先に聴いた方が良いかも知れない。

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