見出し画像

OrgofA 舞台「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」 稽古場レポート② 2024/01/12

OrgofA「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」
公式サイト→
https://dtagmd.wixsite.com/orgofa/stage-20240203-sametimenextyear

本庄一登 × 小野寺愛美 組 二場稽古

増澤「本庄と愛美ちゃんはさぁ、なんで演劇始めたの?」
愛美「ええ!?こわ!!」

稽古は演出家のそんな問いから始まった。

愛美「お客さん(客席)側って、間取り的にはどうなってるんでしょう?」

舞台はホテルの一室。セットにはベッドと窓がある。ということは、俳優から客席側に見える景色もあるはずだ。壁?調度品は?絵が飾ってある?
演出家と俳優。3人がイメージを共有する。これは他のシーンにも共通する。こういう詳細の積み重ねが作品に厚みを持たす。
【神は細部に宿る】とは建築家の言葉だが、舞台も同様だろう。

らいか「これ、写真入れです」

助演出のらいかが古めかしい財布を本庄に渡す。小道具も舞台の重要な要素。こだわるべき部分。

増澤「まず一場のおさらいからいこうか」

先日稽古がついた一場からスタート。

面白い。先日より深まっている瞬間が歴然と増えている。
が、愛美のセリフが所々辿々しい。先日の稽古よりも言いずらそうなセリフがいくつかある。

「腑に落ちてないセリフが出てこない」稽古開始前に愛美が言っていた。

先日の一場の稽古を経て、独自に脚本を読み込み自主練習を重ねる中で変わっていく意識。ある一定の時間向き合ったからこその変化。その違和感に即座に対応できなかったのだろうと感じた。

増澤「寝かすってことも大事だったりするんだよね」

つまりこれは、進化の過程だ。

増澤「何回か通してみて、発見したことがあって。家庭を持ってる二人が、酒に任せてちょっと飛びたいって思ってる二人が、二人とも朝起きてみて、わぁ、やった、、、っていう罪悪感があって。このまま、何もなく別れていくんだろうなぁ、って思いながら話しているんじゃないかな」

お互い、相手の様子を、探る。

増澤「推しはかる。推しはかりながらの会話なはずだよね」

俳優は先を知っているが、ドリスとジョージはもちろん先を知らない。この視点は重要だ。オープニングがさらに重厚に、且つわかりやすくなる。

増澤さんからの豊かなフィードバック。
Same Time,Next Yearがいかに人間臭い物語かを二人に語る。人間臭くなればなるほど物語は深みを増す。

休憩を挟み、いよいよ二場の稽古が始まる。
出会いから5年後。あれから五回目の逢瀬。本読みからスタート。

出だしは穏やかで幸福な雰囲気。が、とある出来事からムードは一変し、破滅に向かってしまう。二人はどうなってしまうのか。このまま二度と会わなくなってしまうのか。
一場からはイメージできない落差。

二場の本読みを終え、話題はジョージの妻像について。

増澤「そこ、3人のジョージで話しといた方がいいかもね」

今回3人のジョージがいる。妻像を擦り合わす必要がある。なるほど。

フィードバックの最中、増澤さんから突然、本庄に即興言い訳シーンがふられる。
ジョージの盛大な言い訳。見せ場の一つだろう。これが、本庄が、下手すぎる(笑)

下手すぎる言い訳をするジョージ

増澤「これはこれでアリだなぁ!」

二場を演じるもう一人のジョージ・遠藤とはアプローチがずいぶん違うようだ。ここにもスタンダードキャストとスペシャルキャスト、両方観る楽しみが。

〜休憩〜

休憩中、笑顔で加湿しまくる愛美

二場の立ち稽古が始まる。

5年の歳月がどこに匂うか。一年に一度しか会わない二人。この日を思う時、二人は何を考え、どんな行動に出るのだろう。そのイメージが、その過去が、語らずともシーンに投影される。

文句を言う言葉とは裏腹な幸せな空気。それが二人にとってこの日がいかに大事かを物語る。
とある事が起こり、二人は言い争う。絶望に対しての向き合い方の差。家族について。心待ちにしていたこの日が台無しになる。
必死に回避しようとするが、、、
二人の個性と、覚悟があらわになる。滑稽かつ恐ろしいシーンだ。

ジョージの言い訳が始まる。ドリスは何も言わない。ジョージは説得を尽くすが、それがドリスの告白を呼んでしまう。最悪な展開。絶望しかない。

ドリスの目線がジョージを追い詰める。

ドリスの思いの深さが突き刺さる。ジョージの愚かさもまた辛い。人間はそんなものかもしれない。何であれ、二人は必死だ。
この作品は、コメディであると同時に、とても深いヒューマンドラマなのだ。

増澤「キャストがシャッフルとかなら別だけど(そうじゃないから)、この二人はこの二人のコミュニケーションで作っていこう」

スタンダードキャストとスペシャルキャスト。全くの別物になる事は間違いない。

増澤「じゃ今日はここで(終わろう) 次回は一場二場通そう!」
本庄・愛美「うわああああ!!!」


Same Time,Next Yearは5年ずつの年月、時代の経過が見どころの一つ。一場から二場へ。本庄・愛美ペアは5年の歳月をどう観せてくれるのか。
そしてこの後、なんと飛世・遠藤ペアに移り変わるらしい。ちょっと想像ができない。

まずはスペシャルキャスト、20代組の稽古を見させてもらった。海外戯曲ならではの難しさ、長いセリフなどが少なくない。
二人は密なコミュニケーションで挑もうとしている。お互いがそこに在るが故に、今その場で生まれる感情、言葉。安定とは真逆なライブ感こそが、このチーム最大の魅力じゃないだろうか。

次は30代、飛世・遠藤ペアの稽古をレポートしたい。スタンダードキャストでもある二人は全編通しての出演者。恐ろしい戦いなのは間違いない。心して稽古場に向かおうと思う。

札幌演劇シーズン2024-冬 参加作品
OrgofA 「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」

SCHEDULE
2024年2月3日 (土)14:00〜 / 19:00〜【SP】
2024年2月4日 (日)14:00〜/19:00〜【SP】
2024年2月5日 (月)19:30〜【SP】
2024年2月6日 (火)19:30〜
2024年2月7日 (水)14:00 / 19:00〜
2024年2月8日 (木)14:00〜【SP】 / 19:00〜
2024年2月9日 (金)14:00〜 / 19:00〜【SP】
2024年2月10日(土)14:00〜

【SP】スペシャルキャスト:場面ごとに演じるキャストが変わります
   小野寺愛美(EGG)×本庄一登(演劇家族スイートホーム)
   飛世早哉香×遠藤洋平
   太田有香(劇団ひまわり)×町田誠也(劇団words of hearts)
※記載がないキャスト飛世早哉香×遠藤洋平​となります

 各公演の「開場時間」は開演の30分前となります。
​ 未就学児入場不可
​ 自由席(椅子席、桟敷席)

TICKET
一般 ¥3500
U-25 ¥2000
学生 ¥1500

ウェブサイトからのご購入
ローソンチケット【Lコード:10052】
ローチケ電子アプリ
道新プレイガイド 
​https://doshin-playguide.jp

店頭でのご購入
​道新プレイガイド
〒060-8711 北海道札幌市中央区 大通西3丁目道新本社1階
[営業時間] 10:00~17:00 ※日曜定休

・札幌市民交流プラザチケットセンター
〒060-0001 北海道札幌市中央区 北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ2階
[営業時間] 10:00~19:00 ※札幌市民交流プラザ休館日を除く

・​セイコーマート
店内マルチコピー機からご購入できます
【セイコーマートコード】D24020301

会場/ターミナルプラザことにパトス
〒063-0811 北海道札幌市西区琴似1条4丁目 地下2階
※地下鉄 東西線「琴似」駅バスターミナル直通

いいなと思ったら応援しよう!