街コンで惨敗も惨敗した話
2005年、日本に新しい球団が誕生した。
東北楽天ゴールデンイーグルスである。
はっきり言って、二軍レベルの選手の寄せ集め集団であった当時の楽天は、開幕初戦こそ日本屈指のエースピッチャー•岩隈久志の好投により勝利を収めた。しかしその次の試合、イーグルスはプロの試合では信じられない26対0で負けを喫した。
これは悪夢として楽天ファンに刻み込まれているが、奇しくも楽天ファンである私•みょーんも、これに勝るとも劣らない敗戦を喫したのであった。
みょーんはマッチングアプリに絶望していたが、本当の絶望は未だに彼女ができない自分の行く末だと嘆いていた。
今年の4月に街コンでいたく傷ついたのだが、そんな傷はかさぶたになって治ってしまい、ついあの時の痛みを忘れて街コンに申し込んでいたのであった。
どうも街コンで上手くいかないので、今回は少しやり方を変えてみた。ボードゲームで男女が遊び、その遊びを通して仲良くなろうという街コンに参加したのだ。
みょーんは別に人との会話は苦手ではない。上手いとは言わないができなくはない。しかし、致命的な弱点があった。それは声が小さくて弱いことだ。
集団だとみょーんが大きい声を出しても他の人の声に負けてしまうし、すぐ声が枯れてしまう。
そのため、声が大きい（物理的に）人が強いという弱肉強食な街コンでは勝てないと思い、ボードゲーム型の街コンに参加したのだ。
その日は夜に予定があったので、その予定より前の時間にやっていた街コンに参加した。
その街コンは8人くらいが座れるテーブルが3つほどある。つまり3グループに別れるのだ。
今回は女性の参加者が少ないということで女性が席移動をすることになった。これが最初のワイの不運だった。
ワイの席を紹介しよう。
●◯◯●
●●◯●
こんな感じのテーブル。黒が男で白が女。
ワイは
●◯◯●
●●◯●
↑
ここ
お わ か り い た だ け た だ ろ う か
さっきも書いたが、男は席替えしない。つまり、ワイは隣に女性が来ることが無かったのだ！
確実にハズレ。これ、どう考えても中心にいる女の人を周りの男が囲う形になるのだが、俺の距離が遠すぎる。さっきも言ったがワイは声小さいし通らないしすぐ枯れる。
この時点で萎えぽよ〜☝️
だったのだが、更なる悪夢が訪れる。
始まるまで時間あったので、●◯
●●の4人で雑談。
ワイの隣の人は確実に今回のメンバーで1番のイケメンだった。これも不幸。イケメンの隣のワイ。
ここまでほとんど喋らなかったワイだが、とある面白い発見をしたので、そのことを話してみた。自分の脳内シミュレーションではそこそこ笑いを取れると思っていたが、荒川静香くらい綺麗に滑った。心折れそうだった。
時間になり、MC役の人が前に来る。
時間は約2時間。テーブル3つなので、つまり一回40分程度でそれを３回。
MC「終了の10分前と5分前にアナウンスします。理由はゲームをキリ良く終わらせるためなのと、連絡先を交換するためです！ごちゃごちゃしちゃって交換できないこと多いので」
ふむ。なんと優秀。
ちなみに、ワイは一人で参加したが、ワイのテーブルの男性はみんな一人っぽかった。
●◯◯●
●●◯●
こんな配置だったが
●◯◯●←この人（仮にA）
●●◯●
がボードゲームすこすこ人間だったらしく、このテーブルを仕切っていく。周りもなんとなく空気を読んで納得していく感じに。
まずこれがきつかった。めちゃくちゃ対角線上の人がこの場を仕切ることになったのだ。
最初はカードゲームを行った。
これでまず「ん？」となったのが、捨て札の位置だ。
●◯◯●
●●◯●
↑
この辺
に捨て札を置くのだ。まてまてまて。公平に置くなら◯◯と●◯の間やろ。完全に左端の●2人のこと考えてませんよね？泣いちゃうんだからね？
そしてトラブル。
ワイらのテーブルのすぐ後ろのテーブルのメンズ、めちゃくちゃ声でかい。ワイらのグループは落ち着いていたので声がかき消される。Aも仕切ってくれているか声が小さくてあまり聞こえない。
そして、Aが仕切るので、自然とみんなの視線がAの方へ。つまりはワイと反対の方へ集中する。
Oh ……Jesus……。
神は乗り越えられない試練を与えないというがホンマでっか？
えるしってるか 知らない人とやるボードゲームはつまらない。
まぁ盛り上がらなかった。シンプルに男に盛り上げる力がなかった（当然ワイも）
まぁ、しゃーない、切り替えていけ。と思っていた。そして10分前のアナウンスが入る。ゲームを終わりにしていく作業だ。そして無事終了。
ここから連絡先交換。
の、はずだった……。
Aは「あと5分でできるゲームかぁ」とゲームを探し始める。
おいおいマジか？あと5分遊ぶためにあるんじゃないってさっき先生言ってでしょ？これ絶対試験に出るよ。てか出ろ。
周りもなんか言いなさいよ、と思ったが何も言わない。いやもうこれ流石にアレやろと思い、ここまでほとんど何も喋っていなかったワイが
「あー、連絡先交換しますか？」と言う。きっと周りは「こいつ、ろくに喋らないのに連絡先だけ交換する気かよ」と思ったに違いない。俺そう思ったし。
俺だってしたくなかった。ゲームでプチハブられされたし、Aはただのボードゲームが好きなやつなのかしらんが、恋愛のボードゲームは下手か？と思った。ちなみに俺も恋愛ボードゲームは下手。
もう残り時間わずか！と言うところでワイが連絡先の話をしたので、あたふたあたふた、となり、結局、最初のグループは3人の女性がいた中で1人としか交換できなかった。
次のグループでは、あまりAの出る幕はなかった。そういうボードゲームだった。正直、あんまり楽しくないどころかかなりグダグダした展開だったので辛いまであった。
そしてここでも5分前のアナウンスが入ったが、Aはカードをシュコシュコきっている。こいつホンマ……。
もうこの時点で俺は拗ねていたし不貞腐れていた。なんだこれ！ゲームは楽しめないし女性とも話してないし……。
そしてボードゲームの弱点に気がついた。
これ、全然プライベートな話しできねぇ……。
基本的にボードゲームをやっているのでボードゲームの話かできない。
かぁー！！ミスったぜこりゃ。
結局、このグループでも女性とは何も話さずに終了。
最後のグループに、どう考えても今回で一番可愛い人がいた。
その人は
ここ
↓
●◯◯●
●●◯●
の席だった。つまりワイの右斜め前。
この人と仲良くなりたい！
普段のワイならそう思った。
しかし今回は全然違った。
その可愛い人の前、つまり俺の右隣にはイケメン。
隣のテーブルは相変わらず盛り上がっていて声が大きいので、ワイの声はかき消される。
色々と不貞腐れていたこともあり、もう辛かった。
ボードゲーム自体は少し面白かったが、俺はあえてと言うくらい何も話さなかった。怒っていた。隣に女性がいない環境に、後ろにうるさい男たちが集まった偶然に、ゲームでは仕切るのに連絡先交換はしきれない男に。
はぁー（クソデカため息）として終わりを迎えた頃、MCの人が「あと2時間くらい遊んでいいそうです！男の人は2000円！女の人は500円です！」ワイは次の予定まであと2時間半くらいあって、これに参加したあとだとちょうどよかった。
MC「あとは席替えもします！同性同士も仲良くなりましょう！」
！！！！！！
ついに席替え！俺もできそう！！
嬉しかった。Aさえいなけりゃもうちょい楽しめそうだ、と不貞腐れていた俺は少し持ち直した。
MC「じゃあ、10分くらい休憩しましょうか。コンビニで何か買って持ち込んでもオッケーみたいですよ！！」
俺は美味しい飲み物を買いに行った。一度、その場を離れてコンビニに向かって美味しいカフェオレみたいなのを買った。
そして戻ってきて驚愕した。
休憩でコンビニ行ったのは、どうやら俺だけらしい。他のみんなは談笑している。
おい！！休憩時間で休憩してたのは俺だけ？！！？ みんな指示に従わないロッケンローラーな精神の持ち主だったとは……。
頭くらくらしながらさっきの位置に戻る。俺以外の人がなんかわからんが話してた盛り上がっている……。さっきまであんまり口数の多くなかった隣のイケメンは、完全に目の前の今日イチの女の子にターゲットを絞っており、めちゃくちゃ話してた。
なんの話かもわからず、得意の頷きだけをしていたらその可愛い人が「休日は何してますか？」とわざわざ俺に聴いてきてくれた。マジ女神。別に俺に惚れたわけじゃなく、この人は気まずい空気に耐えられない人で、コンビニから帰ってきた俺が明らかに話に入れていないのを気の毒そうと思ってしただけであることも知っている。しかしわざわざ質問してくれるとは。
しかし急な質問で焦ったので「あー。読書とか散歩ですかね。一人で過ごすことが多いです」というインキャ全開の回答をしてしまいました。
誰がこんなやつに好意示すねん。
この後、席替えしたものの、相変わらず女の人の隣にはならなかった。さっきのAさんは可愛い人と隣の席になっており連絡先を交換していた。
ホンマこいつ……！！
と思ったが、街コンで勝つやつとはこういうやつなのかもしれない。振られてくれ。
結局、最初の一人以外とは連絡先交換せずに帰宅。ボードゲームも楽しめず、会話も楽しめず、ただただお金と時間を無駄にしただけであった。
我ここに誓う。
また街コンいくぞ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？