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その場所であなたに会う旅 -秋田県横手市を訪ねて-

Newspicksが主催した山口周さん講師のNewschoolプロジェクト「ビジョンクエスト」のアルムナイで続けているコミュニティ(Vision Drive Community: VDC)で、メンバーの一人、細谷拓真さんに会いに秋田県横手市まで行ってきました。今回は秋田県横手市ツアーで感じたことをまとめてみます。

どんなツアーだった?

最初に細谷さんってどんな人、というのと、どんなツアーだったかを簡単にまとめます。

細谷さんは、内科医をしながら、横手市を「この街でこどもを育てたい」と言われる街にすべくNPO法人yokotterを立ち上げたり、人が集まる場所mirai wayを作ったりと様々な活動されています。
ビジョンクエストで私と細谷さんは同じグループで議論することが多く、その時に地方で街を真剣に作っている人がいることに感動して、いつか横手に訪れてみたい思っていたのが今回実現できて、本当にワクワクでした。

しかも、今回VDCメンバー+αで総勢9名で押しかける事になったのですが、なんと横手側も細谷さんがyokotter関係者など総勢11名(高校生、大学生、起業家、エンジニアなど)で歓迎してくれました。正直、私は初対面の人と話すのが苦手でどういう話をしたらいいかドキドキしていたのですが(VDCメンバーの中でもほぼ初対面の人ばかりでした)、皆さんフレンドリーかつ好奇心旺盛にたくさんの話をしたり聞いたりできて、とても良い交流ができました。横手の観光地や名物料理やお酒も振る舞っていただき、ホスピタリティーにも感謝です。
そんなツアーは7/7(金)〜7/9(日)の二泊三日、私は7/8(土)からの途中参加で楽しみました。

以下に私がこのツアーで感じたことを書いていきます。

アドバイスをするということ

この旅の中で2度ほど、アドバイスをどうするか、という問いを考える機会がありました。

一回目は、豪華横手やきそばを食べながらやった自己紹介タイム。横手メンバーで現在高校生のメンバーが、やりたいことが実現できない悩みを打ち明けて、全員にアドバイスを求める機会がありました。みんなの前でやりたいを話して、悩みを打ち明ける勇気はほんとに素晴らしかったです。

悩みの内容をざっくりいうと、前例のないイベントを企画し、高校の文化祭で実行したいけど、前例がなさすぎて先生含め誰も保障や判断ができず、企画が進められない、ということ。

この状況でどういう選択肢を取るとよいかをみんなのアイディアがほしい、という相談だったのですが、文化祭を成功させたいのか、イベントを成功させたいのかで、やり方が全然違う。本人はイベントに対する並々ならぬ想いがあり、きっと文化祭よりイベントを成功させること、成功しないにしてもイベントを実行していく過程を止めずに進められることが最も大事な経験になると、大人の皆さんは思ったと思います。私もその想いを止めずに進めることができたら、なんと素晴らしい体験になるんだろうと思いました。

反対している人は置いといてやりたいことやろうぜ!

イベントの成功だけを考えると、極論するとそういうアドバイスになるのですが、このアドバイスの危うさみたいなものを同時に私は感じました。社会が分断する感じというか。

止めたくないけど、熱狂もさせたくない。

この天邪鬼みたいな感覚が私にはあり、だとするとどっち付かずのアドバイスしかできず、判断はあなたに委ねます、という形になってしまいます。それでいいのかと悩みつつ、私は多分みんなと違うであろうアドバイスをしてしまったのです。
方向性を一つに絞って上げるのがいいのか、両方の良し悪しを提示するまでに留めるのがいいのか、人の人生に関わるアドバイスは本当に悩むな、という体験でした。少なくとも、両方の選択の良し悪しを知った上で、私はこちらを選択した、という状態で合ってほしいと思います。そういう意味で、高校生がいま悩んでくれているのがとても嬉しいです。

二回目のアドバイスの問いは、移動中の車内での何気ない雑談。

「自分の子どもが大学生になったときどんなアドバイスをするか?」

これも一回目のアドバイスの体験と同じく、多分私はこれをした方がいい、という方向性を一つに絞るアドバイスはしないんだろうなと思いました。ただただ、今の私がどう社会と向き合おうとしているかを語る。その中で一つアドバイスをするなら、本を読もう、人に会おう、ということかな。
でも、こういうのって身内から言うとダメなんだろうな〜

選択肢の意味などはお話できるけど、選択するのはあくまであなた。
共に考え、その中で、私はどうしたい、を一緒に考えたいですね。

鳥海山が好みでした

ない中のある一体感

今回、横手のみなさんと一緒に行動させていただき、自分たちの街をよく知ってるなと感心しました。事前に案内の場所など計画を立ててくれたのだと思いますが、皆さん馴染みの店が多く、ここにいけばこれ!みたいなものが共通理解であって、少し羨ましかったです。

言い方が悪いかもですが、横手の駅周辺って目新しいものが何もなく、すぐ住宅街みたいな感じでした。そんな場所だからこそ、私の好きがみんなの好きになり、共通の一体感みたいなものが作れるのかもと思いました。たくさん「ない」から、あるものが特別になる。その特別なものがみんなのものになり、一体感が生まれる。みんなのものになれる強さが横手にはある気がしました。

これを感じた時、私は横浜のどこを案内するだろうか、と考えて、パッとここを案内したい、というものが思い浮かびませんでした。一般的には、みなとみらい周辺が横浜らしいところだけど、正直、結婚する前に妻とデートしていたときくらいしか行ってなく、いまおすすめできるか、といえばちょっと疑問です。買い物する場所みたいな感じ。

自分を感じられて、自分たちと捉えられる範囲ってどこだろう?
そんな範囲で生きていきたい

横手の皆さんからそんなことを感じさせてもらいました。

田沢湖でみそたんぽを食う。写真はほぼイワナw

その人に会いに行く旅

こちらも車内の雑談で。細谷さんが「徳島県の神山に尊敬する人がいるので、その人に会いに行くツアーもしたいね」という話をしてくれました。

今回の旅は、まさに細谷さんに会いに行く旅でした。
横手という街を作ろうとしている面白い人に、その場所で会う。

細谷さんとはオンラインや東京でリアルでも会って話したことがあり、横手という地方を良くしたい、という話はたくさん聞いていましたが、実際どんな風に良くしたいのか、NPO法人を立ち上げているがNPOでできることってどんなものなのか、あんまりイメージがついていませんでした(それなりに語ってはくれていましたが、漠然となるほどくらいにしかわかってなかったです)。

今回、横手を見て、細谷さんが横手でやろうとしていることを見せてもらい、そして、そのやろうとしている場所でやろうとしていることを語ってもらうことで、その大きさや手触り感みたいなものがわかった気がしました。うまく言語化できないですが、その場所で語ってもらうことで伝わる何かがありました。

その人がその場所で何かをやっているから、その場所でその人に会うということに価値があるのじゃないかなと思いました。
あなたというものがわかる何かがそこにあり、それを見ることであなたを知る。

これって、多分、尊敬する人を東京に呼んで会うのではダメで、その場所に行って話すからこそ伝わるものがあるんだろうなと思います。あと、その人に関わる人との出会いもまた解像度を上げて伝わるものが合ったように思います。

少し話は違うかもですが、以前、テレビで「おてつたび」というお手伝いしにその場所に行き、ついでに観光する、というツアーを見たことがあります。観光地だけじゃない、もう少し違ったその土地を知れるいい旅だなと思っていましたが、今回の、人に会う旅は、「おてつたび」に似た旅なんじゃないかと思いました。

違うのは、知ってる人に会う。あなたを知るためにその土地に訪れる。

オンラインの環境ができたからこそ、場所にとらわれない繋がりを作ることができた。Web3の概念ができて、オンライン上のコミュニティも作られ始めてきた。そういう環境が整ったからこそ、コミュニティの中で人に会う旅、というのは、とても相性のよいコンテンツになるのでは、と思いました。こういう企画を通して、私や私の土地を知り、自分を見つめ直すいい機会にもなれる気がしました。

あなたに知ってもらうために、私(土地)を知り、私のいいねが集まって、私たちになる。

最後に

細谷さんのオフィスを見せてもらったり、細谷さんに集う仲間と交流させてもらって、こうやって人が集まる場所作るのは素敵だなと思いました。改めて、細谷さんを始め、横手のみなさん、ありがとうございました。

人が来る、人が集まる、そして、会いに来てもらえる、そんな場所を私も作ってみたいなと思いました。はい、もちろんそんな場所は畑なのです。

私の場所から私たちの場所へ

子どもも大人も集まる場所にしたい

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