陰陽五行の話4 水火殺と般若の話
水火殺は本当に怖いのか?
この水火殺って言葉、いつ頃から言われ出したのか知りませんが、気学の教科書には、確かによく出てきます。
だいたい、気学の古書って、「〇〇殺方位を冒すと〇年以内に死亡する」とか、いとも簡単に書いてありますよね。
水火殺については、「頭と胴体が離れる」とか、おいおいギャグかよ、と思うぐらいに、かなりひどいことが書いてあります。
しょっちゅう凶方に行ってる人は、いったい何回死ねば済むんだ?というぐらいです。
水と火の組み合わせって、確かに激烈ですから、筆者も他人の鑑定する時には、けっこう注意して、使用しないようにします。だって他人様のことですから、なるべく慎重策取らないと、責任取れませんよね。
気学の方位だけ見てる時には、この問題はそれほど頻繁には出てきません。水火のせめぎ合いを真剣に気にするようになったのは、人の健康問題と五行の関係を分析するようになってからです。
先年、同世代の知人のジャーナリストが亡くなられたので、遅まきながら命式を見たのです。そしたら予想外の高い比率で、火と水が相争う命式だったので、驚いてしまいました。
昔からの知り合いで、表面には豪快そうに見えましたが、若い頃に、どれだけ強く深い精神的葛藤があったかを知っていたので、少し考え込んでしまったのです。でも今まで、「彼は日柱が丙午だから強運でしょ」ぐらいに思っていて、詳しくは見ていませんでした。
筆者も昔は、そこまで命式を深堀りしなかったし、頻繁に顔を合わせる間柄でも無いので、ニュースになってから改めて命式を調べてびっくり。
健康面で問題を抱える人って、先天命式の中で、火性と水性の調和が、うまく行っていないケースが多いように思います。自分自身の命式構成に安定感を欠くので、流年に左右されやすい、という感じですかね。
でも、水と火って、火気があってこそ水分が生じたり、あまり皆さんが思ってるほど、不倶戴天の天敵、ってことではないのです。
だって風水の「南に湿地あり」って、火性方位に水分があるのが良い、ってことじゃないですか。ただし、河や湖ではなく、ほどほどの湿地、というところがポイント。
大きなスケールの風水で言えば、尾瀬湿原みたいな感じですかね。
アメリカのエヴァグレーズ国立公園ぐらいの規模にまでなっちゃうと、どうなんでしょう?
昔、「メーデー!航空機事故の真実と真相」で、イースタン航空401便がエヴァグレース国立公園に墜落した時のドキュメンタリー見ましたけど、凄いところです。
水と火って、そんなに極端に毛嫌いするほど犬猿の仲ってわけじゃないんですが、他の組みあわせよりも更に加減が難しいということです。
台所だって、水と火が両方なければ使えません。だから水と火の双方と仲の良い、東(震宮)とか南東(巽宮)を好むんです。
身近な水火合体物
身近にも、水と火が見事に合体したものがあります。
ほら、そこのあなたがいつも親しんでいる、瓶に入ったアレ、そう、お酒です。
最近はアルコールは少量でも健康被害がある、として、あまり推奨されなくなってます。でもやはり、アルコールの歴史って、ものすごく古いし、独自の文化と言ってよい世界を構成しています。
アルコールとかお酒っていうと、そのマンマで味気ないですが、「般若湯」なんて言う言い方もありますね。
般若とは「智恵」という意味ですから、水と火があい争う、そこに智恵が生まれる、って、なんかカッコいいじゃないですか。
会議だって、みんな大人しく同意するだけでは、何の発展もありません。でも、性格の違う者が集まり、意見が食い違って談論風発したら、そこから思わぬ智恵が出てくるのも、期待できそうです。
水性及び火性との付き合いはなかなか難しいですが、智恵を絞りつつ、生活の中に活かしていきたいですね。
「陰陽五行の話4」