痛みと甘さをかきまぜて/『でも、ふりかえれば甘ったるく』3月9日発売です
#でもふり が届いたのは、ひとりでゆっくり過ごしていた土曜日の午後。指先で書き手の心に触れるみたいな気持ちで、ゆっくり読んだ。初めて読む本を初めて読めるのは一回だけ。だから、その時間をまるごと味わいたくて。
『でも、ふりかえれば甘ったるく』。とっても、素敵な本です。
10人の女性が語る、それぞれの「幸せ」について。
明るくほがらかに、時には静かに、息をつめるようにひそやかに語られているモノローグに、心がすっとしみ出していくような感触。
「どうして他人と自分を比べてしまうんだろう?」
ずっと分からなかった秘密が、ちょっと分かったような気がする。
私たちみんな。あの子もあいつも、すれ違っただけのあの人だって、ほんとうは悩んだり、あがいたり、祈ったりして、厄介な自分を抱えながら生きている……そんなことが一瞬見えたら、私たちはすこしだけ、やさしい人になれるのかもしれない。もしかしたら、そんな秘密。
あまのじゃくな私と、くやしいほど素敵な誰かが、風にそよぐ穂先みたいにくっついては離れて、ゆれていたけれど。
そう、ふりかえれば、。
新しい季節の風に吹かれて寄り添い合い、やがてひとつの雲になってゆるやかに流れていったような感じもしていて。
◇
この本が、あなたの日常に寄り添い、「大切なもの」の1つになれば幸いです。
温かい飲み物と、好きなおやつをお供に。どうぞゆっくりゆっくりお楽しみください。
いつかあなたの話もどこかで是非聞かせて下さい。
(引用:『でも、ふりかえれば甘ったるく』より/西川タイジ)
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さあ、温かいドリンクを一杯。痛みと甘さをぐるぐる、かきまぜたら。
私たちはきっと、すこしだけやさしくなって、すべてを甘やかな過去に変えていける。だとしたら、それほど素敵なことはないんじゃないかな。
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本日3月9日、『でも、ふりかえれば甘ったるく』発売です。ぜひ、お手に取っていただけると、参加させていただいた一人として、とてもうれしいです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
ほか全国の書店、各種通販サイトなどで発売中です。
■西川タイジ@PAPER PAPERさんのnoteもぜひ。10名の著者紹介、この本を作った理由なども書かれています。
いつも読んでくださってありがとうございます。あ。えっと、『アイスクリームならラムレーズン』も、よろしくお願いします。