真夏の夜のアイスクリーム
こんなふうにこっそりと冷蔵庫を開ける夜中は、どういうふうに呼べばいいんだろう。眠れない夜というには少し言葉足らずの、深い時間。
未来からのメッセージみたいに、チカチカと冷蔵庫が光る。コト、カタ、がらりと音がして落ちてきた氷をひとつぶ。グラスに口を付けると、ひんやり。ほっとする。
ぺたぺたと寝室に行って夫を確認すると、ぐっすり寝入っていて起きる気配はない。おやすみモードで眠ったクーラーを、再び起動する。ピピピピ。風が静かに、こもった熱を消していく。
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