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「Yes Day」ネタバレあらすじ感想

0,基本情報

2021年にNetflixオリジナルコンテンツとして配信された本作。監督はミゲル・アルテタが、主演兼製作は「デアデビル」などのジェニファー・ガーナーが務める。Filmarksでの評価は5点中3.4点、Rotten Tomatoesでの批評家支持は45%、オーディエンス支持は54%となっている。


1,予告編


2,ネタバレあらすじ

主人公アリソンはYESしか言わない楽しい女性であった。彼女は同じように何事にもYESと言って楽しいことをたくさんするカルロスという男性と出会い、結婚する。だが彼女は、子どもを産んでからは危なっかしい行動やいたずらに対しNOとばかり言うようになり、いつしかYESしか言わない楽しい女性は影を潜めてしまった。2人の子どもであるケイティとナンドは特に自由にさせてくれないアリソンと母に同調しかせず自分の意見を強く主張しないカルロスに嫌気がさしていた。
アリソンとカルロスが学校に呼び出され、娘ケイティと息子ナンドのアリソンに対する嫌気が学習課題に現れていることを知った帰り、家族に子どもをたくさん持つ先生からYESしか言わない日"YES DAY"を設けてみることを勧められる。2人は"YES DAY"をそう遠くない未来に実行することを決める。
宿題や掃除などの準備を整え、いよいよYES DAYがはじまる。一家はアイスの大食いや水風船対決、遊園地のアトラクションなどを楽しむ。だが、その最中でアリソンはケイティが夜のフェスで男を紹介してもらっていることをケイティのスマホ画面から知る。それに怒った彼女はケイティに自分と一緒にフェスに行くように強制するが、ケイティは友達とだけで行きたいと考えていることから怒ってその場を立ち去ってしまう。
ケイティに向き合ってもらいたいアリソンは子どもの頃にケイティにあげたものとよく似たクマのぬいぐるみを取ることで状況の改善を図るが、同じくクマのぬいぐるみを狙う客と揉めてカルロスと共に刑務所行きになってしまう。両親が捕らえたためにストッパーがいなくなった子ども達はそれぞれ好きなことを実行する。エリーとナンドは自宅を使って科学パーティーを開き、ケイティは友人とフェスに向かう。だが、科学パーティーは参加者が好き放題暴走して家はめちゃくちゃ、ケイティは会って間もなくテントに誘う男の子達に不信感を持ちグループと別れ、得体の知れない孤独感と不安感に襲われる。子らのピンチに、父カルロスは自宅に戻って皆を叱って片付けをさせ、母親はケイティを抱きしめ本当の思いを話して母親の愛情を示し、両親揃って今までにはない一面を見せた。その後、テントの中で家族団らんの時間を過ごしたのだった。

3,感想(詳細なネタバレ有)


大きなメッセージがあるようには思えなかった。終盤、主人公アリソンはケイティに娘の成長が怖かったと打ち明けるがそこから態度を改めるシーンは特になく鑑賞者自身が察するしかない。父親も最後こそナンドやケイティを叱るものの、YES DAYを守らなかったり途中まで自己がなかったりと母親以上にダメ親で母親以上に変化が必要だったにもかかわらずあっさり片付けられてしまった感じが否めなかった。


だが、純粋に映像でみれば水風船バトルのシーンは母親のアクロバティックな動きは純粋に楽しむことができたし、遊園地でジェットコースターやコーヒーカップに乗り、笑顔で楽しむ家族は見ていて微笑ましかった。


最も興味深かったのは、幼少期の環境の大切さがわかるシーンだ。ケイティは母親の手を離れて外に出たいと思っていたものの、心の底では母親という安定を欲していた。ナンドは科学パーティーが暴走して大量の泡が吹き出すその直前直後、YES DAYにも関わらずNOを連呼していた。この二人は危なっかしい行動をする子ども達にNOを連呼する母の元で育ち、その危なっかしさ故学校以外の遠い場所には子ども単独では連れて行かせず、常に母親の監視下に置かれていた。幼い頃からそのような環境で育った結果、親の手を離れたところでその影響が露わになった。自己を形成する根本、その大半は幼少期に形作られるというのは他の映画でもやっているから、ここまで数を踏むと最早ネットで調べる必要もなくなった。


考察と言うほどのモノでもないが、おそらくケイティは親離れすることはしばらくできないだろう。本当に自立させるなら、幼い頃から友達の家に遊びに行かせたり、子どもだけで旅をさせる必要があっただろう。


全体的にある家庭のホームムービーとして見ればテンポも速くて見やすい作品になっていると感じた。深読みを求める者にとっては裏があまりなく退屈してしまう作品なのかもしれない。

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