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「アメイジング・スパイダーマン2」感想
2014年の映画
監督:マーク・ウェブ
時間:2時間22分
1,あらすじ
前作の戦いを経て平和を取り戻したニューヨーク。スパイダーマンとして街を守るピーターは、恋人グウィンと充実した日々を過ごしていた。しかし、前作のラストでグウィンの父と交わした約束が頭を離れず、グウィンはピーターのために別れを告げた。
話はマックスという電気技師へと移る。優秀な技師だった彼は冴えない容姿とジメジメした性格から友だちができなかったが、前作で命を救ってくれたスパイダーマンに陶酔するあまり、異常な執着を見せるようになった。
ある日、彼は仕事中の事故で電気人間へ変貌してしまい、ニューヨークを暴れまわる。
執着していたスパイダーマンに名前を覚えてもらっていなかったこと、皆から愛されるスパイダーマンに嫉妬した彼は、文字通りのモンスターとしてスパイダーマンを狙うようになってしまった……。
引用:MIHOシネマ
2,感想(ネタバレ注意)
正直、前作と比べると少し味気ないような気がしてしまった。
主に物語の面から、市民を守るのは警察であり部外者が関与すべきではないという批判派と、平和の維持には象徴(シンボル)が必要だという擁護派が繰り広げるヒーロー社会の是非や、社会の中で不遇な扱いを受けた者の過剰な承認欲求による危険性など、一貫させられる要素はあった。
しかし、会社から裏切られたハリーの復讐や消えた父親の真実、ピーターとグウェンのラブストーリーなどが入ってしまい、テーマが渋滞。要素の詰め込みすぎで全体がふわっと浮いてしまった感が否めない。
ヒーローとしての責任や青年らしい迷いというテーマは前作から引き続いたものであったので、あまり引き込まれなかった。
ジョージとの約束、他人が彼に見えるというフラッシュバックのようなシーンも、結局目立った印象がないまま作品が終わってしまった。
キャラの深掘りという点でも、冒頭、リチャードの意味深なシーンから始まったわりには大筋に影響を与えるものではない。ピーター・パーカーというキャラクターを成長に導き、深掘りするという点でも、父よりグウェンの死の方が与えたインパクトは大きいだろう。
だって一回スパイダーマン辞めそうになってるし…
再起させたのも「グウェン」のスピーチだし…
敵が二人というのも、何か腑に落ちない。
強力なヴィラン「エレクトロ」をなんとか倒し、傷ついたスパイダーマンにもう一人のヴィランがその恋人を巻き添えにし戦いを挑み、最終的に恋人は死ぬ。後味が悪すぎた。
そんな中でも、グラフィックやアクションには十分見応えがあって、特に本作は明暗とスピード感の強化が素晴らしかったように思われる。
ヴィランが電気人間ということもあり、暗→明や明→暗の切り替え等とても見応えがあり、なにより電気そのものの描き方が印象的だった。
電気が落ちて、火花が散るシーンや2機の飛行機が寸前のところで回避行動をとるシーン、大規模停電のシーンなど、規模の大きさや事態の緊迫性等が十分伝わってくるし、時が止まったかのような絵で全体を映し、状況をわかりやすく説明するかのようなカットや発電所での戦闘はめまぐるしく映像の視点方向が変化し、迫力満点であった。
そして、シリーズは打ち切り。
物語はリブートされユニバース入りへ…