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『ティガームービー/プーさんの贈りもの』感想

監督:ジュン・ファルケンシュタイン
上映時間:77分
まさかくまのプーさんの世界でこんなに感動するとは思ってもいなかった。


『くまのプーさん/完全保存版』では物語を進めないところが魅力だったが、こちらはティガーが家族を求めるという一貫した軸で話が進むのでより映画らしくなった。



見ていてとても辛かった。

いつも元気に跳ねているティガーが涙を流したり落ち込んだりするシーンがまあ多い。全体的に後ろむきで背中がとても寂しかった。
だが、それら以上に、ティガーが自分と似た見た目をした家族がいると思い込んで前向きに行動しているシーンで心をえぐられた。

100エーカーの森はクリストファー・ロビンが想像した世界。つまり彼が新しいティガーのぬいぐるみ?を買わない限りは家族はできない。


彼が欲する『同種の家族』は絶対に見つからない………
これからティガーはどれだけ絶望するか考えただけで恐ろしかった。




本作からは
『家族は血や見た目ではないし、何を持って家族とするかは選択できる。』
というメッセージ性を感じた。

今いる場所から少し離れて、ありもしない家族を探す旅をした後にティガーはついに家族を見つけた。
灯台下暗し。ディズニーがよく描く、『本当に大切なものって実は近くにあるけど、近くにありすぎるから一旦遠くにいかせてそれを実感させる』ってやつだ。

一緒に飛び跳ねてくれるパートナー(架空の家族)を探しに行って見つけたのは飛び跳ねない家族だった。
過ごした時間の中にいた仲間たちが彼の家族だった。

同種という固定観念を脱却し、個人の選択の自由をプーさんの『どんな時間も無駄じゃないよね』にうまく落とし込んだ、最後にはほっこりできる素晴らしい物語だった。


あ、最後に。
ルーに『行かないで…(泣)』って言われたらKENTAお兄さんは絶対踏みとどまる。あそこめっちゃ可愛すぎて失神しそうだった。

おしまい

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