そのいち 残り香を探して
理姫さん(可愛い連中/exアカシック)の歌詞について、あれこれ考える短期連載。
初回だけ書いておく。
・「きっとこう考えていたに違いない!」というお話ではなく(そんなの下世話よ)、数とか表現とか、客観的に見れるものを整理するとご理解あれ。
今後の可愛い連中の活動に向けて、私がもっともっと理姫さんの歌詞を噛み砕けるようになるための準備体操。
・「コンサバティブ」以前の作品はアカシックHPに記載がないためお取り扱いなし。(私も全ては知らぬ、ということもある)
・サブスク解禁されていない曲、歌詞を確認できない曲は保留。数のカウントはするけど歌詞引用はしない、という扱いでいくと思います。
「ノンフィクション」「かしこい食卓」「愛しき実話」がその対象。「地獄に手を振って」はMVで歌詞を確認できるので扱います。また、提供曲についても、サブスクでの視聴やCDの購入が可能なので扱います。
・シングル曲のカップリングはシングル曲収録のアルバムでカウント。
ただし「Mr FANCY」「愛しき実話」は「POP OFF」にてカウント。
・収録順≠制作順ではない。多分。それは頭に入れておくべき。
本題へ参ろう。
理姫さんの歌詞の「らしさ」を考えるとき、切り離せないものに<煙草><酒>がまず挙げられるなと思った。
そういうキーワードを取り除かず、かといって誇張して持ち出さず、さらりと小説の一節のように登場するのがとっても理姫さんらしい。何気ない言葉遣いの中に品がある。
気になったので、その変化を追ってみた。
<煙草の描写がある曲>
コンサバティブ:1/8曲
煙草の吸殻、灰皿「終電」
プリチー+ノンフィクション:2/9曲
煙草の吸い殻ばっかりいっぱい「プリチー」
一日23本弱のhi-lite「アルカイックセンチメント」
DANGEROUSくノ一:1/9曲
ヤニ臭い程 サイノロジー「サイノロジック」
凛々フルーツ:3/13曲
煙草の匂いが 付けばさ「ヨコハマカモメ」
コーヒーと煙草と「飴と日傘」
灰を落とし寝転ぶ「夢遊」
エロティシズム+愛×Happy×クレイジー+オレンジに塩コショウ:2/17曲
灰皿と空き缶でした「エンドオブザワールド」
珈琲片手に喫煙所で「私」
POP OFF+Mr.FANCY+愛しき実話:0/8曲
割合の変化では、下記のとおり。
コンサバティブ:12.5%
プリチー:22.2%
DANGEROUSくノ一:11.1%
凛々フルーツ:23.1%
エロティシズム:11.8%
POP OFF:0.0%
卒論をなんとか数字の絡まない方向で終わらせようとしてアンケート調査や統計を避けた私には、どこまでこの割合が有意差のある結果なのかとかわかんない。
けど、「禁煙成功」が入っているアルバム「POP OFF」の時点で煙草に関する描写がない。本当に禁煙成功。
1日23本吸っていたときからきっぱり禁煙できるものなんですね。潔い女性は格好いい。
もしかしたら、可愛い連中クレジットの楽曲では、煙草というアイテムはレアになるかもしれません。
<酒の描写がある曲>
コンサバティブ:3/8曲
ウルトラ酔っちゃったよん「秘密のデート」
酒だけあればいいんです「幸せじゃないから死ねない」
あなたはそれ以上酔うと/その気のない酒/集いの酒場、我等の酒暮「有楽」
ノンフィクション+プリチー:3/9曲
ドイツのビール「スーパーサマーライン~消えたはずのセレブのあいつ~」
愛想なしの酒肴料「アルカイックセンチメント」/口に残る酒の味「鶺鴒」
DANGEROUSくノ一:3/9曲
CGギャル酔わされて「CGギャル」
ムービースターに酌したい「香港ママ」
せいぜい酒場で過ごしては「真夜中のクローンラベル」
凛々フルーツ:2/13曲
君の朗報に乾杯を「結婚」
酔い冷めないで「うたかたの日々」
エロティシズム+愛×Happy×クレイジー+オレンジに塩コショウ:3/17曲
飲み明かしましょう「平成へゴー!」
炎天下のビールと「オレンジに塩コショウ」
酒の肴にして「私」
POP OFF+Mr.FANCY+愛しき実話:1/8曲
酔っ払ってりゃいい「Mr FANCY」
割合では、以下のとおり。
コンサバティブ:37.5%
プリチー:33.3%
DANGEROUSくノ一:33.3%
凛々フルーツ:15.4%
エロティシズム:17.6%
POP OFF:12.5%
凛々フルーツ以外は、酒の登場率>煙草の登場率です。ただ、割合はやっぱり減少傾向です。
想像していたよりもわかりやすく変化したことに調べた私も驚いています。
<提供曲>
さてさて。ここまでざっくり歌詞カードと睨めっこしましたが、ふと疑問が浮かびました。
割とアイドルさんに楽曲提供することがある理姫さん・奥脇達也さんタッグ。
果たして提供曲のときはどうしているんだろう?と思い、調べてみました。
結果ですが、煙草やお酒に関する言葉はありませんでした。
(そりゃそうだとか言わないで)
ただ、ちょっと面白いことを発見しました。
吉川友「恋」
氷の溶けたグラスでソーダを飲み続けた
吉川友「DISTORTION」
悩む背中に熱を隠し
バンドじゃないもん!「ピンヒール」
ベランダに出て熱を冷ますわ
ukka(旧 桜エビ~ず)「せつないや」
ちょっと熱くなった頬を
火照りとか、熱っぽさとか、そういう描写が散見されます。
吉川友さん(#ひま粒し というおうち時間の過ごし方で現在バズっている顔は美人頭がおかしいわがままボディのお姉さんです)の曲に至っては、「ソーダ」ではありますがお酒として認識してもいいかも?な描写です。お酒でもソーダならありだもんね。
理姫さんが恋を描くとき、くらっときちゃうような熱っぽさから何かの兆しを感じ取っているのでしょうか。
そして、想いが冷めていくとき、恋のお仕舞いに気づくのでしょうか。
肌の感覚や残る後味を表現として持ち出し、その言葉の奥にある感情を予感させる。直接的な言葉は多くないのに、とても身にしみるのはこういう特徴からなのかも。
ではまた次回。
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