芍薬の花
初めて芍薬の花を知ったのは小学校5年生のときに読んだ少女漫画でした。
その作品は学園モノでした。
登場するキャラクターの中で、周りから注目を浴びていた高学年の女学生を説明するくだりで、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」が出てきたのです。
当時の私の知識では、牡丹と百合の花の形はイメージができましたが、芍薬の花については全く想像できず、…?とぼんやりしたまま読み飛ばした記憶があります。
出てきた3つの花の中で、百合の花はよく目にする機会がありました。
花束になっていたり、花瓶に生けられていたり、道端に咲いているのを見たこともあります。
道端に咲いている百合を見ると分かりやすいのですが、百合って茎が長く伸びるので、風にあおられると微かに揺れるんですよね。
それと同時に特徴的な強い香りが振り撒かれるので、その様子が美しい人の歩く姿に例えられるのだろうと納得した覚えもあります。
対して、芍薬についてはずっとよくわからないままでした。
初めて名前と形を合わせて認識できたのは、2020年の春です。
当時はコロナ禍になってから初めての緊急事態宣言が出された頃で、外出自粛が強く求められていた時期でした。
その時の私の仕事は、基本的に在宅勤務ができないものだったので、毎日出社し、電車にも乗っているのに、休日はどこにも出掛けてはいけない、その状況がいつまで続くかもわからないということで、とても息苦しさを感じていました。
その息苦しさを少しでもやわらげたくて、衝動的に入った花屋で目にとまった花が、芍薬の花でした。
すっと伸びた茎の上に、大きく咲いた薄紅色の花が美しくて、その場で一輪買いました。
…という話を近況報告として、大学のときから仲のよい後輩にしたところ、「芍薬の花って先輩っぽいですよね」と言われて、それがなんだか本当に嬉しくて、より一層芍薬の花のことが大好きになりました。
今では一番好きな花です。
おわり!
あとは告知です🌠
【次回出演情報】
劇団トキワ第3回公演
6月25日(土) 26日(日)
詳細は追って公開していきます😉
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