さくら色
中学1年生の最初の美術の授業で、クラス全員が簡単な自己紹介をすることがありました。
名前と好きな色を言うよう指示され、出席番号順に言っていきます。
私は当時からさくら色が好きでした。
ピンクではなくて、桃色でもなくて、薄くて柔らかいの色味が気に入り、さくら色が好きでした。
でも、他のクラスメイトたちが色鉛筆のラインナップの中にあるような色を答えていく中で、自分の順番が近づいてくる中で、さくら色って答えると浮くかもしれないと、ものすごく不安な気持ちでいました。
その当時、私の後ろの席に座っていた女の子から、私はあまりよく思われていなくて、少し変わったことを言うと聞こえよがしに揶揄されるような、そんな環境だったことも私を不安にさせました。
少し迷いましたが、チューニングした答えで揶揄されるより、正直に答えて揶揄されたほうが浮かばれるなと思って、正直に「好きな色はさくら色です」と言いました。
その時の美術の先生は恐らくどちらかというとベテランの女性の先生でしたが、私が答えた瞬間、表情をふわっと崩して「ああ、良いですね」と言いました。
それは私にとって、瞬間的にクラス全体に向かって発せられた私の答えに対する全面的な肯定でした。
大げさに聞こえるかもしれませんが、あの瞬間の彼女の言動がなかったら、今の私の好きな色は違っていたかもしれないし、このブログもなかったかもしれません。
桜はその色自体が濃いわけではないから、暗い中で光に当てられると花自体が光っているように見えて映えますね。
これらの写真も撮ることがなかったかも…。
特に幼い時に好きなものって周りの人の言葉で簡単に変わってしまうこともあるし、逆にたった一瞬のリアクションが変わらないものにしてくれることもあるなと記憶に強く残っています。
その時の先生の表情と声と言葉は忘れられません。
今回は、過去と今とで変わらずに好きでいられるきっかけとなったエピソードのお話でした。
おわり!
あとは告知です🌠
【次回出演情報】
劇団トキワ第3回公演
6月25日(土) 26日(日)
詳細は追って公開していきます😉
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