今季はどうなる!?セ・リーグ ベストナイン予想!
シーズンもいよいよ終わりを迎え、2021シーズンはセパ共に2試合のみとなった。オリンピックで日本代表が優勝し、両リーグともに前年最下位のチームが優勝を決めるなどインパクトの残るシーズンであった。
最多勝や最優秀防御率などのタイトルも決定しつつあるが、最後まで分からないのが記者投票で行われるベストナインとゴールデングラブ賞だ。
そこで、一足早いが独断と偏見でセ・リーグのベストナインを予想していこう。
〇投手 柳 裕也 (中日ドラゴンズ)
26試合 172イニング 11勝6敗 防御率2.20
投手の筆頭候補は柳裕也。防御率2.20で最優秀防御率は確定、168奪三振で最多奪三振もほぼ手中に収めており、投手2冠達成が確実視されている。
シーズン最終登板となった阪神戦で敗戦投手となったため最多勝・最高勝率を逃し投手5冠達成はならなかったが、今季1年安定した投球を続けた。
セイバーメトリクスではWhip1.01でリーグ1位、K/BBは大野雄大に次ぐリーグ2位、RSAAはリーグダントツ1位の27.9という数値を叩き出しておりセ・リーグ最強投手と言っても過言ではないだろう。
対抗としては阪神の青柳晃洋だろうか。青柳は今季13勝6敗 防御率2.46という成績で最多勝と最高勝率の2冠がほぼ確実。防御率も柳に次ぐ2位であり、高いレベルの投球を続けていたこの2人に票が分散する可能性が高い。ただセイバーメトリクス的には柳の方が優秀な項目が多いこともあり柳優勢だと予想している。
〇捕手 中村 悠平 (ヤクルト)
打率.279 2本塁打 36打点 OPS.718
捕手は中村と中日・木下拓哉が筆頭か。2人の打撃成績を比べてみると打率は中村が上回っているが、本塁打と打点は木下が有利。warやwRAAなども木下が上回ってはいるが、優勝チームの正捕手で.280近い打率という貢献を考えると中村に表が集まる可能性が高い。
ただもう1人刺客がいる。広島の坂倉将吾だ。
今季の坂倉は打率.313 12本塁打 66打点と成績が大幅に上昇。捕手としてのwRAAでもリーグトップの19.6を叩き出しており本来ならベストナイン筆頭候補だ。しかし、一塁での出場機会が多いため捕手と一塁での票が分散する可能性が高い。捕手で票が集まるようなら逆転ベストナインもあるだろう。
〇一塁手 ジェフリー マルテ (阪神)
打率.258 22本塁打 71打点 OPS.818
ファーストはマルテと上述の坂倉が拮抗している。マルテは打率こそ低いものの22本塁打 71打点とクラッチヒッターとして十分の成績だ。後半に成績を落としたのが記者達の印象を悪くしている可能性もあるが、一塁手としてのwRAAは12.7でリーグ最高の数値。筆頭候補だろう。
さて問題は坂倉の票の集まり方だ。坂倉の今シーズンの成績を見ればベストナインとしては十分の成績。打率は僅かの差でリーグ4位でOPSもマルテに勝っている。ただ上述したとおり、捕手で投票する記者と一塁手として投票する記者が分散する可能性が高いのだ。捕手・一塁ともに丁度半分ずつの出場になっているため、両方でベストナインを逃すという事も考えられそうだ。
〇二塁手 山田 哲人 (ヤクルト)
打率.272 34本塁打 101打点 OPS.887
セカンド争いは山田哲人とDeNA牧の一騎打ちだろう。
山田は打率こそ少し物足りないものの、本塁打・打点はタイトルを取ってもおかしくない成績。昨年の極度の不振から脱却し、東京オリンピック優勝にも貢献した。
対抗となる牧は坂倉と同じく票の分散が気になるところ。
ルーキーながら首位打者争いとなる打率.314をマークし22本の本塁打も放った。さらにはサイクルヒットや連続二塁打の日本記録も達成しており本来ならベストナイン確実だ。
しかし、一塁手として67試合、二塁手として102試合に出場しており一塁手として投票する記者が多くなると厳しいか。
〇三塁手 村上 宗隆 (ヤクルト)
今季 打率.281 39本塁打 112打点 OPS.983
三塁手は村上が1歩リードしているか。侍ジャパンとして世界一にも貢献した若き主砲は、現在巨人・岡本と並び本塁打ランキング1位、打点も岡本に1打点差で2位に付けている。11月1日に行われる最終戦の成績次第では、本塁打・打点の2冠達成の可能性も残しておりベストナイン争いは優勢だろう。しかし、村上も一塁手として20試合ほど出場しているため票の分散が少し気になるところだ。
対抗としては巨人・岡本和真。現在本塁打・打点の2冠であり、村上と広島・鈴木誠也の最終戦の成績次第ではそのまま2タイトルを獲得することになる。ただ、打率が.265と低いことや村上が優勝チームの主力打者ということもあり、村上優勢は変わらないと予想している。
〇遊撃手 坂本 勇人 (巨人)
今季 打率.271 19本塁打 46打点 OPS.826
この予想で1番難しいのがショートだろう。ここ数年ベストナインの常連である坂本だが、今季は怪我もあり成績は伸び悩んだ。打率と本塁打はベストナインに選出されるなら及第点であるが、打点の少なさがどう評価されるかという所だ。
坂本と同じく19本塁打を放ったサンタナは62打点、20本塁打のサンズは65打点、17本塁打だった佐野は72打点と明らかに打点が少ないのだ。記者投票であるため、打点の少なさから「坂本はチャンスに弱い」となってしまうと不利になるだろう。
対抗は阪神のルーキー中野拓夢だ。アベレージヒッタータイプなので本塁打は坂本には叶わないが、打点は僅かな差であり打率は少し上回っている。そしてなにより盗塁の多さだろう。5月頃からスタメンを掴むと、昨年の盗塁王・近本以上のハイペースでスチールを成功させ今季の盗塁王はほぼ確実だ。盗塁失敗数も2と無闇矢鱈に走っているわけで無いこともプラスポイントだろう。
ただ前半に守備で苦しんだところが評価を下げる可能性が高い。失策数は坂本の4に対して中野は4倍近い17個。こういった所や長年の坂本の印象も含めて坂本に票が集まると予想している。
〇外野手1 鈴木 誠也 (広島)
今季 打率.319 本塁打38 打点88 OPS.1079
外野手1人目は文句無しで鈴木誠也だろう。前半戦はチャンスで凡退することが多く、ファンからも叩かれることが多かった。しかし、東京オリンピック優勝後は成績を伸ばし首位打者はほぼ確定的。本塁打も1位に1本差で迫っており最終戦次第では首位打者・本塁打王の2冠も達成出来る。そして何よりOPSは規定打席到達者でリーグ唯一の1.000越えと驚異的な数字を叩き出しておりベストナイン選出は間違いないだろう。
〇外野手2 近本 光司(阪神)
打率.313 10本塁打 50打点 OPS.795 24盗塁
続く2人目は近本光司が優勢か。相変わらずのスロースターターで開幕直後は成績が伸びなかったものの、後半驚異的なペースで巻き返し178安打で最多安打がほぼ確定。打率もリーグ3位とセ・リーグ屈指のヒットメーカーに成長した。
また、本塁打も初の2桁に乗せており盗塁数もリーグ2位。打率・本塁打の2冠の可能性がある鈴木誠也にはインパクトは劣るが文句の無いベストナインだろう。
〇外野手3 T.オースティン(DeNA)
打率.303 28本塁打 74打点 OPS1.006
3人目はオースティン・佐野・桑原のDeNAトリオが拮抗している。その中ではオースティンが1歩リードだろう。規定打席に僅かに届かなかったが昨年から確実性を上げ、打率は3割台に到達。 OPSも1.000超えとセ・リーグ最強助っ人だ。またコロナによりシーズン合流が遅れたものの、本塁打・打点ともにリーグ5位と驚異的なペースで打ち続けた。規定打席に到達していないことが若干マイナス要素に入る可能性もあるが、インパクトとしてはオースティンが1番あるだろう。
そして対抗に上げられる佐野と桑原。
昨季首位打者の佐野は今季も3割台に乗せヒットメーカーぶりは健在。ただその打率もオースティンと並んでおり本塁打・打点数でも負けているため少し厳しいか。
桑原は昨季の打率1割台から大幅に成績が上昇。打率.310 14本塁打 OPS.843とセ・リーグ屈指のセンターに成長した。しかしオースティンと比べられるとタイプが違うとはいえ、打率しか勝ててないことから選出は厳しいか。投票者の好みになるだろう。
〇まとめ
以上がセ・リーグのベストナイン予想である。
ここでは紹介しなかったが、投手では最多勝を確定させた九里亜蓮、優勝したヤクルト打線を引っ張った塩見泰隆やサンタナなども十分に可能性もある。前半驚異的なペースで本塁打を放ち、最多得票でオールスターにも選出された佐藤輝明の投票数も気になるところだ。